【感想・ネタバレ】Genesis 時間飼ってみた 創元日本SFアンソロジーのレビュー

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Posted by ブクログ

新進気鋭の作家様によるSF中短編書き下ろしプラス創元SF短編賞受賞作アンソロジー

自分の裡に形成される「SF固定概念」を毎回アップデートしてくれる最先端を走るシリーズ

ティプトリーを読み涙していた頃、このような未来型が到来すると露ほども予測せず、また今後どのような作品が紡がれてゆくのか、想像するだけで萌えます

読みごたえあります!

『未明のシンビオシス』
南海トラフ大規模地殻変動が発生、列島の姿すら変わってしまった日本
荒廃した世界で生き延びる主人公たちの微かな希望を描いた近未来SF

『いつか明ける夜を』
光のない闇の世界が、夜と昼に別たれた
言い伝えの神馬と少女は、世界の救世主になれるのか? 世界の真実とは?
詩的に描かれた作品

『1ヘクタールのフェイク・ファー』
気がついたらブエノスアイレスに居た…主人公の日本人男性…好意で拾ってもらった女性に部屋から追い出され…めくるめく思考を文字で綴った興味深い作品

『時間飼ってみた』
動画生配信でリアルSF考察する《ときときチャンネル》シリーズ
絶え間なく入るコメントも愉快で、まさに新世代の作品

『ラムディアンズ・キューブ』
電車内で目があった男女…恋愛に発展、、ではなく、壮大な物語が待ち受ける骨太の中編バトルSF

『ほんとうの旅』
“ほんとう”って、何だろう?
事実は人の捉え方によって違うものだし…
列車に乗り合わせたふたりの垣根のない会話に癒される作品

『神の豚』優秀賞
「兄貴が豚になった」
連絡を受けた主人公リリーは急ぎ実家に戻るが、そこに居たのは兄らしからぬピンクの可愛い子豚だった…
食糧、感染症、世界は未だ問題が山積だけれど、伝えてゆきたいことがある、若者たちの熱いメッセージが込められた近未来SF

『射手座の香る夏』正賞
「意識転送中」で横たわっているだけの作業員の「生身の体」が忽然と消えた
まるでミステリーのような物語は、調査する警察官と若者たちの流行「動物への意識転送」が互いに絡み、伝説の狼へそして真実へと導かれる近未来SF


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2021年12月05日

Posted by ブクログ

なかなか濃いSFアンソロジーでした。表題作の「時間飼ってみた」で笑わせてもらい、「ラムディアンズ・キューブ」で訳が分からない世界に連れていかれという体験をした。個人的に意思版好きな作品は「神の豚」(溝渕久美子・著)です。SF感は少ないという評価もあるようですが、将来起こりえる政治・生活を予見して人間の業をきちんと表現したような純文学に通じる作品だと感じました。

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2024年01月28日

Posted by ブクログ

幅広いアンソロジー。宇宙モノは無かったが、理不尽、インナースペース、動物モノと様々。気が付いたらブエノスアイレスにいるとか理不尽系が面白かった。
表題作の「時間飼ってみた」は火浦功のようなドタバタとした展開。面白いけど完全に理解してるかは怪しい。

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2022年04月11日

Posted by ブクログ

やっぱりSFは、最高と思わせてくれる。想定外の景色が頭に思い浮かぶ。そして上手く騙された事が心地よい。こんなストーリー考えつくなんて。

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2022年01月09日

Posted by ブクログ

東京創元社の日本SFアンソロジーシリーズ「Genesis」、毎年刊行されるこのシリーズもこれで4冊目となる。いつもこの本が出るのを本当に心待ちにしてきており、申し分なく期待どおりの作品集となっている。このアンソロジーには有名なSF作家、新人SF作家が執筆しているのでいつも時間をかけて読んでいる。
編が多い中、一番スペースを割いていたのが小田雅久仁の「ラムディアンズ・キューブ」で、私はこれが一番面白かった。この方のお名前はあまり覚えていなかったが、今回の作品でとても興味を持った、読み終えて直ぐに先々月出版された「残月記」を購入した。刊行されて間もないのに重版が出ていたということは、やはり人気がある作家なのだろう。もしかしたら、私にとって注目すべき作家となるかもしれない。それは「残月記」にかかっているので慎重に読み進めていきたいと考えている。
このアンソロジーには、毎年行われる創元SF大賞の受賞作(正賞・優秀賞各1作品)が掲載される。今回は残念ながら私の琴線に触れるものはなかった。また、今年の年末に期待したい。

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2022年01月03日

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2021-12-29
なかなかバラエティに富んだ短編集。日本SFの奥行きの深さを感じる。
創元SF短編賞の歴史を読んで、だいぶ読んでない作家がいるなあ、と実感。そしてまた積読の山が高くなるのかなあwww

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2021年12月30日

Posted by ブクログ

SF。短編集。
作品によって、けっこう好みが別れた印象。
好きだった作品は、小川一水「未明のシンビオシス」、宮澤伊織の表題作。
表題作の突飛なアイディアがとても好き。
受賞作2作では、個人的には溝渕久美子さん「神の豚」がわりと好み。ちょっと高山羽根子さんっぽい?

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2021年12月25日

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