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Posted by ブクログ
日本の教育が直面する問題について、「子どもの貧困」「国語教育」「英語入試改革」「共通テスト」「EdTech」「学費」など20の論点から概観することができる本。多くのデータが取り上げられており、説得力がありました。
教育政策は政権が「レガシー」を残すための「思いつき」。「大学入試英語」やコロナ禍で突如沸き上がった「9月入学」問題を引き合いに出しながら、この本はそう断じます。
思いつきではなくデータに基づく政策作りの重要性を。データを生かすことの大切さが繰り返し強調されていますが、埼玉県学力・学習状況調査を主導する大根田頼尚さんの「統計上だといろいろな結果が出ますが、当てはめる子どもは一分の一の人生なのだと、自戒しています」という言葉が重い。
Posted by ブクログ
様々な観点、研究から今の日本の教育の政策、状況について論じられていて読み応え抜群でした。
これだけの方々が教育に携わって世の中の教育を良いものにしていこうと考えられているのだなと思うと頼もしいなと感じました。
反面、小室牧子さんも仰っているように、データに基づく議論があまりにされていないことに不安を感じました。
また、個人的な感想ですが高度な教育を受けてこられた方々は世の中には”正しい”、”確かな”教育環境があり、子供たちは等しく良い環境で勉強ができるはずと幻想を抱いているのではないだろうかと感じました。
家庭的な問題で全く勉強できない子もおりますし、学校と家以外に居場所が無い地域では学ぶ場所も限られています。そういった子たちの生活環境とかを無視して一人一台タブレットなどを推し進めてもうまくいかないのではないだろうかと思いました。
あくまでこれは私の感情論なので客観的なデータが無いところがもどかしい点ではありますが。。
Posted by ブクログ
<目次>
まえがき まっとうな教育論のために
第1章 教育格差
第2章 「学力」と大学入試改革
第3章 教育政策は「凡庸な思いつき」でできている
第4章 少しでも明るい未来にするために
<内容>
『教育格差』で2020年新書大賞を受賞した、松岡亮二氏を編集責任として、日本の教育政策のいい加減さを丁寧に解説した本。その解決の糸口は、見えているものの実行が難しい(政治家や実業界が自分たちの体験から口出しをしやすいから。それに文部官僚が引きづられる。さらに自分たちの出した改革に対し、実証を怠ったうえで、新しい改革をする…)。また教師たちも、同じ年代の人の中で見ると、大卒であるという家庭の経済力も学力も、偏りのある人々の集団であるので、「教育格差」ひとつとっても理解しにくいことが問題を難化させる。ただ、著者たちは真剣に分析をし、対応策を提示し、一部は実践していることを、あとがきの中で述べている。まずはエピデンスを示し、改革の失敗を証明するとともに、エピデンスに基づく改革を提案して、10~20年のスパーンの中で証明していくことだろう。教育は、日本の将来の数少ないシンボルになることは間違いない。この本をきっかけに、より良い議論がされ、良い施策が現れることを期待したい。
Posted by ブクログ
edtechをベースにして個別最適化の学びは、自律性や自由をうたっているが、その実態は、学びの自己責任化ではないだろうか?→学びの公共性が崩れるのでは?
性別が溢れる学校教育は、男女格差の認識を大きくしているのではないだろうか?
学校リスクは、教育だからという大義で見えない。教員の働き方は、子どものためだからという文化で、おかしなものになっている。