【感想・ネタバレ】読書からはじまるのレビュー

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Posted by ブクログ

本に対する心構え、立ち位置を改めされ再認識させられた本です。200頁ほどの本ですが、少し時間がたてば何度も読み返して新たな解釈、発見気づきがある本です。

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2023年11月05日

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読書という行為が人生にもたらすものは何か。なぜ読書が必要なのか。読書の意義を説きつつも、平易な言葉で読書に対する心理的なハードルを上げることはない(寧ろ下げてるくらい)。それって結構すごいことだと思う。この一冊も僕の心に植わった木になった。きっと大きく育つだろうなって気がする。

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2023年03月19日

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本を読むということがどういうことなのかを考えるのが本書です。

「読まない本」にゆたかさがある。「たくさん読む」が正解ではない。
ことばがゆたかな人は、ゆたかである。ことばが貧しい人は、貧しい。

気になったことは以下です。

・友人としての本。友人というのはその場かぎりではありません。「ずっとつづく」関係です。

・どこへ行っても、みなおなじ。今はどこへ行こうと、日本のどこもおなじ表情をもつようになった。ミリオンセラーの本も、ほとんど急速に読まれなくなり、昨年のベストセラーは今年は、もう読まれないのが普通。生活のなかで考えるなら、おたがいの違いを表すものがあるとすれば、それは、「言葉」です。
・母なるものとは自分が生まれ育った言葉のこと。
・今の日本のなかでゆたかでないものがあります。私たちにとって今いちばんゆたかでないものは、言葉です。

・マイ・フェア・レディという、オードリー・ヘップバーンの映画があります。映画は、とても元気がいいけれども、貧しい語彙と粗野ないいまわしと不調法な話し方しか知らない若い女性が、苦心惨憺のあげくに、みずから言葉をゆたかにしていくようになるまでを、巧みに描きます。その映画の急所は、言葉のもち方が、一人の人間を人格をつくるのだということです。

・言葉をゆたかにするというのは、自分の言葉をちゃんともつことができるようになることです。

・どんなに、おカネをもっていても、おカネで買えないものが、言葉です。

・言葉の貧しい人は貧しい。言葉をゆたかにできる人はゆたかだということを、忘れないようにしたい。

・本は年齢でよむものではない。本を読むというのが、新しいものの見方、感じ方、考え方の発見を誘われることでないなら、読書はただの情報にすぎなくなり、それぞれの胸の中にけされないものとしてのこる何かをもたらすものとしての、読書の必要は失われます。

・人は何でできているか。人は言葉でできている。言葉は人の道具ではなく、人の素材なのだということです。

・情報でない言葉が重要。伝わってのこるものは、その人の表情、身振り、雰囲気、気分といった、不確かな、非情報的な言葉です。

・人の表情は、言葉のかたちをもたない言葉です。

・良寛いわく、「耳を洗え」。耳を洗うというのは、我見をもたぬということだ。

・民話の芯になっているのは、ひとを現在に活かすものとしての、記憶の目安です。

・情報はふえればふえるほど、逆にコミュニケーションはすくなくなってゆく。

・読書の核をなすのは、努力です。情報の核をなすのは享受です。読書は個別な時間をつくりだし、情報は平等な時間を分け合える平等な機会をつくりだします。簡単に言ってしまえば、読書というのは、「育てる」文化なのです。対して情報というのは本質的に、「分ける」文化です。

・「育てる」文化の基本は個性です。「分ける」文化の基本にあるのは平等です。きわめて平等であるけれど、またきわめて画一であることも事実です。

結論
・人は読書をする生き物です。人をして人たらしめてきたのは、そう言い切ってかまわなければ常に読書でした。

目次
はじめに
1 本はもう一人の友人
2 読書のための椅子
3 言葉を結ぶもの
4 子どもの本のちから
5 共通の大切な記憶
6 今、求められること
7 読書する生き物
8 失いたくない言葉
あとがき
解説

ISBN:9784480437426
出版社:筑摩書房
判型:文庫
ページ数:240ページ
定価:720円(本体)
発行年月日:2021年05月
発売日:2021年05月12日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DSRC
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:VSL

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2022年12月24日

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本を読む意味を一緒に考え、本好きの自分を優しく肯定してくれる本です。
本に書かれている言葉によって、自分の存在を確かめたり肯定したりできる。
見たこともない世界を言葉から想像できる。
本を通して世界と、自分と静かに対話できる。
いつでもそばにある、いてくれるという心強さを感じる。
自分の言葉にできないものを、感じたり言葉にしてくれたりする。
本ってやっぱりいいな。

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2022年02月27日

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【2022_02】他の方が主催される読書会でのテキストが、長田さんの『最初の質問』という絵本だった。それが縁となって手にした著作。今年はこれ1冊しか読めなかったとしても、もう後悔することはないだろうと思う。できることなら、生前にお会いして、「先生」と呼ばせていただきたかった。うまくコメントできないが、お許し願いたい。

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2022年01月08日

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スケールが違った。巷に溢れている読書術とは違い、なぜ人生に読書が必要なのか、あたたまる視点で書かれていた。
情報収集に躍起な今の時代の虚しさを、私も感じていたが、それも言葉にされていた。

読売新聞のこどもの詩のコーナーで、名前を毎日拝見していたが、本を読むのは初めてだった。
ああ、これが本当に文を書くことで食べている人の文章なのかと感銘も受けた。

情報取得のための読書には、ハッとさせられる。
寄り添ってくれるのが本だという本質を突きつけられた。

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2021年11月20日

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ひとにとって本とは、読書とは、そして言葉とはなにか

静謐なエッセイ。

ひととしてのありようを考えさせる後半は、
何度も読み返したい素晴らしいものだった。

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2021年11月15日

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どの一文をとっても心に深く染み渡るような本でした。
読書に何か目的意識を持って取り組むような使命感にかられて読むことがあり、純粋に楽しむということを忘れることがありました。多くの情報を取り入れるためではなく、自身の記憶に残るような一文・一句に出会いたくて、本を読んでいたことを思い出せました。好きなフレーズに付箋を貼ったり線を引いたりして、ふと本棚から取り出して読み返したくなるような一冊との出会いを、読書は届けてくれる。そんな行為がとても貴いことに感じられる一冊でした。

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2021年11月13日

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NDC 019

(・あれ、私が借りたこの本は、池澤春菜さんの解説がのってない。読んでみたい。)

私にとって、哲学的で読みやすくはなかった。一回読んだだけではわからないなと思う言葉もあった。でも、出会ってよかった。なにがよかったとかどうよかったかとかをここに言い表せないところが、自分が「よい言葉」を持っていないということなのだなぁ・・。自分を豊かにしたいなぁ・・。

「本のなかにある「いい時間」
 本とともに過ごす豊かな移管をもとめて、人は読書をしてきた。「本は親しい友人」「本は大事な記憶の扉」「本は言葉を紡ぎ、世界を身近にとりもどす一つの装置」「本は人生の比喩」ーすべては読書からはじまる。本を読むことで、自分の心のなかに失いたくない言葉の蓄え場所をつくりだすことができる。」

「読まない本」にゆたかさがある。「たくさん読む」が正解ではない。「一生忘れない」なんて嘘?最も長く、最も深く人類と共に在り続けてきた「本」というメディアは、私たちの想像よりもずっと優しく、あらゆることを許してくれる友人だ。本はあなたを孤独にしない。読書が苦手、活字に疲れた―そんな本音にもあたたかに寄り添う、「人間」を楽しむ至高のエッセイ。」

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2023年11月24日

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気に入った文章の抜粋。

本は死んだすべての人の中から、自由に自分で友人を見つけることができる。何千年もの昔に友人を求めることができる。読むとは、そうした友人と遊ぶということです。

子どもには、大人には、老人にはこういう本といった壁で囲むような考え方は、わたしたちにとっての本の世界をすごく狭く小さなものにしてしまう。

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2023年02月19日

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「どんな言葉をどれだけきちんと使っているか、あるいはどれだけきちんと使えないでいるかが、それぞれを違える大事なものになってゆく」という一節に納得したり、「読書の鉄則は、ただ一つです。最初に良書ありき、ではありません。下手な鉄砲、数撃ちゃ当たる、です」という言葉に共感して思わず笑ったり。
読書を「自分を効率的に成長させてくれるもの」だと感じて、「本を読みたい」と言うひとも多いけれど、読書はむしろ効率とは程遠いものだと思う。退屈な時間、疲れる時間も多くて、それでも読み続けている内に、思わぬ発見に視界がひらけたり、いつまでも心の中に佇んで離れないひとに出逢えたりする。
「本というのは、自分で、自分の時間をちゃんと使わないと機能しないメディア」だという言葉もあった。音楽や映画は流していれば勝手に進むけれど、本は自分で読み進めない限り、開いていれば勝手に読み進めてくれることなどあり得ない(音楽や映画と同様、内容をすっ飛ばせば勝手に進ませることは可能だし、音楽や映画も流し見では内容は入ってこないので、必ずしもそうだとは思わないけれど)。
本を読んできて、内容を覚えていなくても、自分の考え方はこれまで読んできた本の欠片によって積み重ねられてきたものだなと思う。これからもマイペースに読書を続けていきたいと感じた。

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2023年01月29日

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『すべて読書からはじまる。本を読むことが、読書なのではありません。自分の心のなかに失いたくない言葉の蓄え場所をつくりだすのが、読書です。』

めちゃくちゃ共感。
そして美しい表現の多い本でした。

本って、言葉って、日本語って素晴らしい。

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2022年02月27日

Posted by ブクログ

こころに残る文章が多く、こんなにスマートフォンのメモに打ち込んだ本はないんじゃないかな。
多感だった頃に感じていたことを言葉にしてもらった感覚。あの感覚は私一人ではなかったんだな、という安心感。一度読むだけでは味わいきれていないので、また時間をおいて読みたいと思える本だった。

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2022年02月01日

Posted by ブクログ

本を読むのは好きだが、
私の読書はいったいどういう読書なのか。
単に情報集めに終始していないか。
ちょっとドキッとさせられました。

単なる読書論ではなく、
もっと大きなテーマが語られています。

ただ、やはり詩人の文章。
ところどころ、頭にハテナマークが浮かぶ。
このお方の文章、授業するのに苦労したことを
今、改めて思い出します。

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2021年09月19日

Posted by ブクログ

本について読む本。
情報として本を読んでいる感は確かにある。
もっと言葉を味わう読み方も身につける必要があるなぁ

育てる、蓄える、分ける
この3つのキーワードで言葉を紡いでいく。


以下、印象的なシーン

1. 子どもの本というのは、子どものための本なのではありません。大人になってゆくために必要な本のこと。
→絵本でも読んでみようかな

2. 本を一冊読もうと思ったら、その本をどの椅子で読もうかと考えられるなら、良い時間をきっと手に入れられるだろうと思うのです。〜この本をどの椅子で読もうかと考えて、そこから自分のことを考えてみる。これからそういうことが、とても重要になってくると思います。
→今まで考えもしなかったなぁ。本は読んでたけどたしかにベッドで寝転んで読むか、電車の中かだったし、、、場所(椅子)ってとても大事かもしれない。

3. 本というのは、本を開いて読めばいい、読まないうちは本を読んだことにならないのだということではないのです。本は読まなくても良いのです。しかし、自分にとって本を読みたくなるような生活を、自分からたくらんでゆくことが、これからは一人一人にとってたいへん重要になってくるだろうと考えるのです。〜本屋に寄る時間や、家具屋で椅子を覗く時間を、自分の1日のなかに作るだけで、本のある人生の風景が見えて来ます。
→すごくいい。本、読書とは何かというちょっとした哲学を感じる。

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2021年08月13日

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「すべては読書からはじまる。本を読むことが、読書なのではありません。自分の心のなかに失いたくない言葉の蓄え場所をつくりだすのが、読書です。」

これが全てだと思います。
下手な感想を書くよりも、印象に残った表現をここに残したいです。

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2021年08月05日

Posted by ブクログ

 読書についてのエッセイで、難解なテーマではないし、けして難しい言葉が使われている訳でもないのに、著者が語りかけてくるものをどう受け取ったら良いのか、自分がどう理解したのか、文章にすることが思いのほか難しい。

 例えば、「2 読書のための椅子」の冒頭、著書は「読書のためにいちばん必要なのが何かと言えば、それは椅子です。」とある。次のパラグラフで、本を読むときに自分で自分に最初にたずねることは、その本をいつ、どこで読むか、本を読む場所と時間である、それが、その本をどんな椅子で読むか、ということです、と言う。これで分かったような気持ちになるが、また具体の椅子の話が続く。

 直線的に文章が続くのではなく、ぐるっと螺旋状に回って芯に辿り着くような感じと言えば良いだろうか。
 
 解説で解説者が具体的に紹介しているが、言葉、記憶に関して、印象的な文が随所に出てくる。読者一人一人にとって、そうした文章がおそらく見出せると思う。
 一文一文をゆっくりとしたリズムで読んでいかれることを、お勧めしたい。

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2021年07月22日

Posted by ブクログ

読んだら忘れられると言うのは、悪いことじゃなくて本の良いところか。前に読んだ時のことを思い出せる。過去の自分との対話ってか。

本を読む時の椅子の話。椅子じゃなくても、ここでゆっくり読むのが好き、と言える場所、そこにいられればいいって言える場所があれば人生幸せだよな。

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2021年07月21日

Posted by ブクログ

読書や言葉の大切さを色々な角度から書かれている。
共感することも多く、また気付かされることも多かった一冊でした。

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2021年07月19日

Posted by ブクログ

本が好き
義務でも修行でもなく、ただ単に楽しい遊びだから

この本は読書についてではなく、もっと根本にある言葉について、自分のありようについて考える導きのような本

「言葉というのはその言葉で伝えたいことを伝えるのではない。
むしろ、その言葉によって、その言葉によっては伝えられなかったものがある、言い表せなかったものがある、どうしてものこってしまったものがある、そういうものを同時にその言葉によって伝えようとするのです。」
この文章を読んだ時にホッとした気がして
伝えたい思いがあるのに、言葉にできなくて、言葉にしようと思いがよくわからなくなってしまう
こういうことを言いたいわけじゃない...
なんでみんなはきちんと伝えられるのだろう
ってずっと思ってた

伝えたいことを言葉にしようとすることで、自分の中を見つめること、確かめること
言葉に言い表せない心のうちがあることを知り、それを伝えることができるのも言葉であること
言葉で尽くせぬものがあることは、ごく自然なこと

自分の言葉を持つということが、成長というのならばまだまだ成長過程
これからも楽しく本と付き合っていきたい

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2023年10月30日

Posted by ブクログ

すべて読書からはじまる。本を読むことが、読書なのではありません。自分の心のなかに失いたくない言葉の蓄え場所をつくりだすのが、読書です。

とてもよく分かる。あー私の読書はこの一言に行き着くなあと思った。

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2023年10月24日

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うーん、なんだか思っていたものと、というか少し違うような気がした。うなずくところもありそうでないところもあり。

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2023年10月13日

Posted by ブクログ

本への愛をとても感じる文章。本は読んでも忘れるものだけれども、それによって再読するチャンスが得られるという考え方は素敵。聖書が章や節で分けられて引用されるようになるのに1500年以上かかっているというのは知らなかったし興味深い。

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2022年07月06日

Posted by ブクログ

読書についてというよりも本とは言葉とはといった内容。私自身本を読むことは好きだけれど同時並行が出来ない分、後回しにしてしまうことが多い。本と向き合う時間をきちんと設けたいなと改めて思った。

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2022年04月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

詩人ならではの言葉の向き合い方や言い方が、正直読みにくかったです。
ただ、「面白い視点」は多かった。

「若い世代が本を読んでない」わけではなく、「若い世代が読む本を大人が読まない」のだ。

人は自分が触れてきた言葉しか表現することはできないし、自分がいいと思った言葉を使うようになる。
日常から意識をしている人とは差が出ると感じました。

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2021年11月25日

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