小山慶太のレビュー一覧

  • 寺田寅彦 漱石、レイリー卿と和魂洋才の物理学
    寺田寅彦が古典物理を使いこなして日常の事象を理解・説明してしまう様子は、建物構造を構造設計者が端的なモデルで理解しようとする姿勢をより広い意味で実現していて、実現できる言葉をもっていることがうらやましいし、そのように古典物理を使いこなしたいとも思った。
  • 高校世界史でわかる 科学史の核心
    人文系の歴史と理系の自然科学の融合の試み。科学の進歩と世界史をリンクさせた一粒で二度美味しい一冊。

    科学の発展に居たら背景を歴史を基にして記述していくという独自のスタイルの作品。

    イギリス王政復古の頃のニュートン、フランス革命期の化学革命、本書で取り上げる中で最も有名なのは第二次世界大戦とアイン...続きを読む
  • 光と電磁気 ファラデーとマクスウェルが考えたこと 電場とは何か? 磁場とは何か?
    原論文や書簡から、電磁誘導を発見した実験家のファラディと数学を駆使して電磁気学を構築した理論家のマクスウェルが考えたことを追う。どちらも天才のファラディとマクスウェルが実験と理論の立場で電磁気学を完成していくことがわかる。
  • 光と重力 ニュートンとアインシュタインが考えたこと 一般相対性理論とは何か
    プリンキピアを著したニュートンと相対性理論を創り上げたアインシュタイン。この二人の偉人の考えに迫る。源論文を引用してその考え方に迫り、光と重力の謎を解き明かそうとした二人の考え方を追いかける。
  • 入門 現代物理学 素粒子から宇宙までの不思議に挑む
    物理学の進化を時系列的に解説した本。

    量子力学、素粒子の相互作用の関係は理解が難しい。
    極低温の不思議は知らない事象が多かったため興味深かった。
  • 入門 現代物理学 素粒子から宇宙までの不思議に挑む
    原子、素粒子や、クォーク、ダークマター等々興味がつきない。歴史的経緯や議論の変遷がわかり面白い。カミオカンデがんばれ!
  • 科学史年表 増補版
    科学の歴史をたまにはこの様な本で俯瞰することは非常に意義のあることだと感じた。先人達の苦労や苦悩を垣間みる事が出来るし、複数の発見や発明に関連性を見出せて面白い。

    数式や化学式が一つも出てこないのに、科学をしっかりと語られたと感じるのは、ひとえに著者の科学に対する造詣の深さの賜物であろう。
  • 犬と人のいる文学誌
    [ 内容 ]
    犬は、人類ともっともつきあいの長い動物である。
    番犬や狩猟犬としてだけでなく、パートナーとしていまや人の生活に欠かせない存在である。
    人は犬とめぐりあい、一緒に走り、共に暮らす。
    しかし犬は人よりもはやく老い、先に死んでいく…。
    人はなぜこれほどにも犬に愛着を抱くのだろうか。
    本書は人...続きを読む
  • 道楽科学者列伝 近代西欧科学の原風景
    科学がまだ職業として確立していなかった頃に活躍した人々の紹介。そこでの科学は金儲けの手段ではなく、純粋に知的好奇心に支えられているものだった。そんな時代が少し羨ましくもある。あとがきにあったように、当時の富の不平等があったからこそ、ラボアジェによる質量保存則の発見などの科学の発展があったのではないか...続きを読む
  • 〈どんでん返し〉の科学史 蘇る錬金術、天動説、自然発生説
    錬金術を始めとする、研究の歴史的経過とその評価の変遷について紹介されています。一度否定された事案もそのもの自体は否定されても、その考え方やアプローチの手法が後世において復活する事案など、具体的な事例紹介をしていただいています。欲望に駆られたスタートだったとしても、現時点で重要な概念に変化することなど...続きを読む
  • 科学史年表 増補版
    著者が物理学者のためか、特に20世紀の生命科学は少なめだった。例えば、サンガーの業績が載っていない(単に2回ノーベル賞を受賞した人として紹介されている)。また、レーダーバーグやエイブリーも載っていない。
    それでも、17世紀以降の科学の発展を俯瞰できる有用な本だと思う。
  • 光と電磁気 ファラデーとマクスウェルが考えたこと 電場とは何か? 磁場とは何か?
    読んで良かった。

    サブタイトルにあるような電場と磁場について学びたくて読みはじめたが、そのための学術本ではなく、ファラデーとマクスウェルを中心とした「科学史」の本であった。

    しかし、今まで触れたことのないジャンルだっただけに新鮮な気持ちで読み進めることができ、これから学ぼうとする電磁気学の先人達...続きを読む
  • 高校世界史でわかる 科学史の核心
    ニュートン、ラボアジェ、ハーバーが、世界史の政治や国の動き絡みでも意識される名前かな。アインシュタインに代表されるナチスからの亡命の話は、有名すぎるので。
  • 高校世界史でわかる 科学史の核心
    イギリス、フランス、ドイツを中心としてその国々での科学の発展が述べられている。

    個人的に

    ・現在ではありふれたものである学術誌が『発明』であったという観点
    ・光の不連続なエネルギーとアインシュタインの光量子仮説というブレイクスルー
    ・パスツールとジョセフ少年の逸話
    ・核融合炉

    が新鮮な内容であ...続きを読む
  • 道楽科学者列伝 近代西欧科学の原風景
    科学の世界で業績を残した有名な科学者達の中には、生活に全く不自由しないくらいの資産を持ち、自由な生活の中で業績をあげた人達がいました。
    例えば、火星の運河探しで有名なパーシヴァル・ローエルもその中の一人です。彼は若い頃ハーヴァードで数学を学んでいましたが、たまたま大森貝塚で有名なモースの講演会で聞い...続きを読む
  • 光と重力 ニュートンとアインシュタインが考えたこと 一般相対性理論とは何か
    ニュートンに対するハレーの熱の入れようが興味深い。自身も万有引力の法則を駆使して彗星の軌道を研究し、その巨大な彗星に名前を残した。
  • 光と重力 ニュートンとアインシュタインが考えたこと 一般相対性理論とは何か
    相変わらず著者の書く文は非常に読みやすく、どんどん先に進んでしまうのだけど、先に同著者の「光と電磁気 ファラデーとマクスウェルが考えたこと」を読んでしまった身としてはイマイチ物足りなかった。

    それはファラデーやマクスウェルに比べて、アインシュタインやニュートンはあまりに有名すぎて、エピソードなども...続きを読む
  • 光と電磁気 ファラデーとマクスウェルが考えたこと 電場とは何か? 磁場とは何か?
    電磁気学を創設したファラデーとマクスウェルのいわば伝記。

    高等教育を受け、微積分や微分方程式を巧みに操ったといういかにも優等生なマクスウェル。

    一方で子供の頃から貧乏で製本所で働き、高等教育を受けられなかったファラデーは数学が全く使えず、論文に数式が全く出てこなかったというのには驚かされました。...続きを読む
  • 光と重力 ニュートンとアインシュタインが考えたこと 一般相対性理論とは何か
    ニュートンとアインシュタインが着目した「光」と「重力」をテーマに、物理学の発展や2人の人物史を語る。
  • マンガ おはなし物理学史 物理学400年の流れを概観する
    物理学の歴史を新書版でしかもマンガで著すというものすごく野心的な試みで、さすがに食い足りない部分はありましたが、それでもがんばってなかなかよくまとまっていたように思いました。
    特に、天動説から地動説への移行や、古典力学から量子力学・相対性理論への移行のプロセスについては、今まであまり他の本で読んだこ...続きを読む