小林正のレビュー一覧

  • 赤と黒(上)
    読んでみないと、ちゃんと最後まで読まないと、その凄さがわからない、この一言に尽きる。
    長いし、時代的背景が詳しくないから、読むのに時間がかかったが、後半まで読むと、読みながらすでに再読を検討していた。よくいる面白いか、面白くないかで評価するような人には到底理解出来ないとは思う、そんなすごい作品だった...続きを読む
  • 赤と黒(上)
    60年前に桑原武夫訳(河出書房)で読んで以来の再読。後期高齢者になって読んでみて気づいたこと。①若い時読んだ文章はそのまま記憶に保存されている。当時何度も読み返したせいか、デルヴィール夫人の(この美少年、ほんとうにいけないまねをする!)とか、「まあ!かわいい小さな司祭さま」という料理番の娘のセリフと...続きを読む
  • 赤と黒(下)
    深く考えずタイトルで選んだ小説でしたが、読んでいくうちにどんどん引き込まれ、しまいには深く考えさせられる内容でした。特に貴族と平民の描写、自尊心の高い主人公と貴族の女性や婦人との恋愛模様の描写の細かさに感銘を受けました。重要そうに思えるところはあっさり、細かい些細な部分は?重厚に描かれているところも...続きを読む
  • 赤と黒(上)
    スタンダールの代表作。フランス革命後から七月革命前までのフランスが舞台。成り上がりたいとの欲望に燃える主人公。
  • 赤と黒(下)
    大学生の頃読んだ時より恋愛の駆け引きがよく理解できますた。
    昔の小説なのでどうしても中盤だれるが、節々に現れるエクストリームな感情描写にグッとくるor爆笑必至で、面白く読める。
    後半ジュリヤンが死に向き合うシーンでは、それまで仮にジュリヤンの野心を他人事のように思っていた読者も自らの生き様とジュリヤ...続きを読む
  • 赤と黒(上)
    舞台はフランスのヴェリエールという町から始まり、出世したいという強い野心に燃える若者ジュリアンが、町長レーナルの子供達の家庭教師として雇われ、そこでレーナル夫人と出逢う。
    年齢はジュリアンは十九くらいで、夫人は三十くらいで、さらに百姓の息子と貴族という大きな身分の違いがある。最初は野心から夫人を誘惑...続きを読む
  • 赤と黒(下)
    1830年7月革命ごろのパリと地方都市を舞台にした恋愛小説
    よく見聞きするフランス産小説群でも初期のもので
    『ボヴァリー夫人』のような自覚的に時代を超えようとするのに対し
    色濃く作者の生きる景色に寝ているので
    現代世界異境の地では意味の取れないところも多い作品
    それでも当時の恋愛を題材に作者から見え...続きを読む
  • 赤と黒(下)
    大分時間がかかりましたが、やっと読み終わりました。自尊心がれ異常に膨れ上がった天才肌の美青年ジュリアンが、色恋とその自尊の狭間で命をすり減らし、最終的には自尊心が恋に優り、それゆえに犯した罪の元斬首される話。こんな書き方は全くあらすじではないですが、巻末にある当代の評論家がかいたその批評が、著者スタ...続きを読む
  • 赤と黒(上)
    文句なしに世界の5本の指に入る恋愛小説である。どんどん昇進していく主人公のさまとともに大きな読みどころだ。愛ゆえの挫折と最後のシーンは他の作品にはほとんど見られない特上の終わり方だ。素晴らしい一級の素晴らしい不朽の作品である。
  • 赤と黒(下)
    上巻はあまりよく理解できずに読み進めた感じだったけど、下巻はなんとなくフランス貴族の上流社会に生きる人達の性格的なものがつかめてきて、より面白く思った。
    物語は、どういう結末を迎えるんだろう……と夢中になって読んだけど、こういう落としどころに落ち着くとは。
    人生って……道を一度踏み外すと取り返しがつ...続きを読む
  • 赤と黒(上)
    高校生のときに読みました。
    衝撃的な印象が今でも強く残っています。
    感受性の強い学生さんに読んで欲しい名作です。
  • 赤と黒(上)
    高校時代から何回読み返しただろう。
    主人公のジュリアン・ソレル(一生忘れられない名前だろうね)はまるで自分のようだと思った。
    中学時代は「白い巨塔」の「財前五郎」という人に憧れたけど、高校時代はジュリアンだったなぁ。
    こりゃ名著中の名著だよ。
  • 赤と黒(上)
    上下巻有。
    野望に満ちた貧しい神学生ジュリヤン・ソレル。
    ナポレオンにあこがれる彼は順調に出世の道を歩むが、一途で極端な性格が災いし、陰謀にまきこまれてしまう。
    プライドの高さ、物事に対する考え方、世の中に対する反感と出世欲、挑戦欲などが学生時代の私に酷似していて、大変共感できた。
    もっとも、私はジ...続きを読む
  • 赤と黒(上)
    初めてこの作品を読んだ時は、高校生。
    作品のボリュームや作品に描かれている歴史的背景に
    圧倒される、というか苦戦しながらも、内容が面白くて
    なんとか最後まで読んでしまった。

    この時自分が主人公ジュリヤン・ソレルに対して抱いた感想は
    「自分の野心達成のためには手段を選ばない、
    女の心を弄んだり、その...続きを読む
  • 赤と黒(下)
     いやあ、知らなかったなあ。
     19世紀パリでは、男がいつまでも変わらぬまごころを誓い、深く愛していると相手に思わせれば思わせるほど、相手の女性の心では男を下げることになったんだって。毎朝恋人を失いそうだと思うのでなければ、パリの女性は恋人を愛することが出来なかったんだって。
     めんどくさー。よっぽ...続きを読む
  • 赤と黒(下)
    恋愛と社会階級のふたつの側面からそれぞれに注目しながら読むと楽しめるかもしれません。なんなら2回読むのもありでしょう。

    筆者は「恋愛論」なんて本も書いている方であるため、解説等にもあるように恋愛を分析した描写はかなりひきつけられます。
    社会階級に関しては、主人公がよく喋るためにそこまで理解し難いも...続きを読む
  • 赤と黒(下)
    フランス文学は恋愛、心理、自己嫌悪、嫉妬等生々しい感情がストレートに表れると感じた。共和主義と自由主義との階級対立という背景が掴めないと分かりにくい。レーナル婦人、ジュリヤンソレル、アマンダ、マチルダ嬢、クロワズノフ伯爵、舞踏会、自殺等人間の心理的描写がよく分かった。
  • 赤と黒(下)
    読書会のプレゼント企画でいただいた一冊。学生時代以来、約20年ぶりの再読になる。物語の大半はフランスの貴族階級における恋の駆け引きの描写に費やされる。ただそれも興味深いシーンが多くて、引き込まれるものがあった。ラストはあっけない印象が残るも、それが返ってよかったように思う。末尾にある訳者解説から、モ...続きを読む
  • 赤と黒(上)
    読書会のプレゼント企画でいただいた一冊。学生時代以来、約20年ぶりの再読になる。ナポレオンに憧れて立身出世の野心に燃える青年が主人公なのだが、ページのほとんどを地方の名士の奥様である人妻相手に恋愛の駆け引きを楽しむ描写で費やしている。心理描写らしいモノが皆無に近い現代日本の小説に慣れていると、心内文...続きを読む
  • 赤と黒(上)
    ジュリアンとレナール夫人、ジュリアンとマチルダの恋愛が描かれるが、3人3様の心理が面白さの焦点。レナール夫人は子供が複数いるのに恋愛には初心で3人の中では一番純粋に相手を愛することができる人。マチルダは地位と金、若さと美しさ全てを持っているが退屈で持ってないのは幸せだけ、という人で、恋愛を人生ドラマ...続きを読む