泡坂妻夫のレビュー一覧

  • ヨギ ガンジーの妖術(新潮文庫)
    4

    ヨギ ガンジー=(亜愛一郎+曾我佳城)÷2 ?
    いや、
    亜愛一郎 → ヨギ ガンジー → 曾我佳城
    かな?
    それともベン図であらわすのが妥当か?

    そんなこんなを考えさせられる仕掛なし短編集。
  • 蔭桔梗
    1990年の直木賞を受賞した表題作を含む11編の短編集。いずれも紋章屋が登場する。身近な話ではないが、1編1編が深みをもって書かれており、素晴らしい
  • 亜愛一郎の狼狽
    再読
    やはり面白い

    個人的にこういうのが私が思う伏線というか
    解決の論理に飛躍があるため、
    それだけだと読者がついてこれない
    そこでお湾クッション野多目に、
    そこまでのストーリーのなかで
    その論理とにているが読者が受け入れやすい
    展開を持ってくることで、
    違和感をなくしているんだと思う

    話として...続きを読む
  • 亜智一郎の恐慌
    その題名に冠せられた名前が物語るように、これはかつてミステリファンを驚喜させた『亜愛一郎シリーズ』の先祖に当たる亜智一郎を主人公にした時代ミステリである。
    が、アイデア溢れる作者のこと、決して亜愛一郎シリーズを踏襲するような二番煎じは行わず、これは云わば泡坂版『仕事人』である。『必殺』は敢えて除いて...続きを読む
  • ヨギ ガンジーの妖術(新潮文庫)
    初・泡坂妻夫。

    面白かった!
    全然古くない。斬新なくらい。
    奇術をミステリに取り入れた人、って聞いてたけど、ご本人が奇術師なのね。
    奇術とミステリの親和性をすごく感じる作品だった。

    ガンジーの人格が良い。
    魔術に見える現象をタネまで披露して、不思議な現象には必ず仕掛けがあるのだという立場を通す誠...続きを読む
  • 雨女
    泡坂版「奇妙な味」短編集で全く以って一筋縄ではいかない作品群である。
    不能な自分の代わりに若者に自分の妻を抱かせる歪な愛をモチーフにした「雨女」を始め、「蘭の女」、「三人目の女」は何とも云えない読後感を残す二編だ。
    そして次は当初青春小説かと思わせ、ファンタジックなパラレル・ワールドを展開させ、最後...続きを読む
  • 花嫁のさけび
    映画スターの北岡早馬と結婚した伊津子。
    早馬の先妻貴緒は、誰もが褒めたたえる人物だったが、謎の死を遂げていた。
    北岡邸で催された宴の最中、またも関係者が死を遂げる……。

    といった感じで話は進むのですが、正直終盤までは淡々と話しが進み、それ程盛り上がりを感じませんでしたが、探偵役の説明で「なるほど」...続きを読む
  • 迷蝶の島
    構成の妙に楽しませてもらえる一遍。
    視点が変わることによって、同じ事象も違うものに見えてくる。
    冒頭のナルシス感満載な手記から、事件を俯瞰する視点に切り替わる、このパターン大好き。

    達夫のダメっぷりがイライラするほどだったとはいえ、色々壮絶でした……
    考えてみれば19歳だもんね……そりゃあ可愛いく...続きを読む
  • 湖底のまつり
    所々の細かな表現がちょっと苦手だなぁとは思ったけど、ストーリーとしては面白く、謎解きを想像しながら読み進めた。恋愛そもそもがトリックになるのが好みではなく、なんとなくのいまいち感を残しちゃったけれど、まあ良かったかな。
  • 湖底のまつり

    これは面白いミステリーでした。
    ミステリーらしいミステリー。古典。
    幻影小説なのかと思いきや…
    時系列トリックかと思いきや…
    紀子、晃二、粧子、緋紗子そして終章
    各所に散りばめられた付箋はちゃんと掬い上げられて一つの線になっていく。しかもちっとも無理がない。
    過疎化の進む村…怪しくも哀しい風習を受...続きを読む
  • 湖底のまつり
    ミステリ。恋愛ミステリ。
    1978年に書かれた作品ということで、文章に古臭さはある。
    各章ごとに視点となる人物が変わり、徐々に明らかになる真相。
    読み進めるほど面白くなっていくように感じた。
    トリックが現実的かどうかは些細なことで、純粋に構成が美しい作品。
    背表紙の通り、小説の形をした"騙し絵"。芸...続きを読む
  • 亜愛一郎の狼狽
    デビュー作の6号でなく『DL2号機事件』を含む同一探偵の短編集
    8話のどれについてもミステリの謎たる部分が独特のものあって面白い
    付き合う探偵も自然変わったキャラクタ造形になるが
    むしろ探偵はふつうであって方が謎の不可思議さが立ったのではないかと思う
    関連リンクをみればわかるとおり昭和なふいんきも一...続きを読む
  • 花嫁のさけび
    俳優・早馬の元に嫁いだ伊津子は、前妻が奇妙な死を遂げたことを告げられて、、、
    またやられた。巧妙な罠に気付けなかった。伏線は細かくて拾えないのもあるが、質量ともに安定している。ラブロマンスもそれまでと印象がすっかり変化してしまったことに気付く。
  • 夜光亭の一夜 宝引の辰捕者帳ミステリ傑作選
    泡坂妻夫は今となっては懐かしい「幻影城」でお目にかかって以来のファン。現代ものは登場人物の言い回しとか、情景描写とか、いつの時代?という古臭さを感じさせて、しかもそれが作品の魅力だったりする。
    時代物は文句なく大好き!無理目な展開やトリックがあるが、それもご愛敬。江戸の言葉、季節の風物着物の柄すべて...続きを読む
  • 折鶴
    最近(とは云っても同著者の『ゆきなだれ』以来だが)触れていない純文学の香気に酔わせて頂きました。しかも日本の伝統工芸の職人の世界を基に繰広げられる恋愛物語ということで日本情緒溢れる芳醇さが堪らなかった。

    それぞれの4作品に通底するのは、登場人物達の頑なまでのストイックさ。奔放な登場人物など1人とし...続きを読む
  • 夢裡庵先生捕物帳 (下)
    上下巻読み終わった感想をまとめて記入。
    どの話も、読んでいる間、『江戸の風』が感じられて素晴らしかった。この短編連作の語り手リレーという手法が、ただ単に、単調になりがちな捕物帳にリズムを持たせる為だけの小手先の技ではなく、ラストの1篇へ向かって「江戸」を描くために必要な手段だったんだな……と上下巻読...続きを読む
  • 煙の殺意
    肩の凝らない多種トリックの妙技は、マジックの華麗な舞台を見るように目の前でくるくると景色を変え、こちらも目を白黒させながら読む。
  • 湖底のまつり
    幻想的で甘美な世界へ。死んだはずの人間に命を救われたという女性。導入部から心を掴んで離さない卓越した筆致に酔いしれる。紀子とは違い、あえて川の流れに身を任せて読んでいった。
  • 湖底のまつり
    前日の夜に愛し合った男が翌朝には消え、さらに1ヶ月前に死んでいたと知らされ、じゃああれは誰だったのか?読み進めるうちにパズルのピースが嵌るように謎が解けていくーーという帯の文句に誘われて購入したものの、「見事!」というよりは「えー……」という読後感。

    最初の紀子と晃二のやりとりと、その後に出てくる...続きを読む
  • 湖底のまつり
    騙されました。最初は意味がわからず、読み進めていくうちにあれ?これって何かおかいしいと思うようになり、最後にはそうだったのか!!と全てがつながりました。
    とても読みやすくあっとゆうまに読めてしまいました笑


    晃二と一夜を共にし恋に落ちた紀子、粧子と緋紗江の特別な関係から生まれる晃二への思い。
    色ん...続きを読む