香月孝史のレビュー一覧
-
これまで「推す」ということがなかった自分が乃木坂にハマって、
なぜ自分はアイドルに惹かれるんだろうと知りたくなって読み始めた。
乃木坂がAKBと比べてある意味AKBへのアンチテーゼであることがなるほどと思った。
AKBは、「会いに行けるアイドル」で物理的に近かったけど、乃木坂は心理的に近い感じがする...続きを読むPosted by ブクログ -
乃木坂46は本書でも触れられているAKB48との(一種の)混同や世間の秋元康アレルギーもあって精度の高い批評を受ける機会が限られてきたグループだと思う。要は女性アイドル史における転換点でありながら、その事に気付かれてすらいない。その点において非常に貴重かつ有益な論考が記された一冊。乃木坂46に限らな...続きを読むPosted by ブクログ
-
昨今、熱狂の渦の中心とも、批判の対象ともなることも言及されることが多くなった「アイドル」。アイドルについてされがちな言説についての交通整理を行い、それぞれの言説をフラットな立ち位置に立たせ、「アイドル」(特に女性アイドル)の現状を冷静に見ることができるようになれる本。
「アイドルの歴史はこうだった...続きを読むPosted by ブクログ -
アイドルというものを、ジェンダーやセクシュアリティという観点から語る論考集。アイドルを「疑似恋愛」の対象と見るのではなく、パフォーマンス重視で見ている自分としては、アイドルを見る切り口が違って違和感はあったが、どの論者もアイドルへの愛ゆえに葛藤しながら思考しているので、不快感はない。参考になる一書だ...続きを読むPosted by ブクログ
-
奇しくもAKB48岡田奈々が熱愛報道を受けて卒業を発表したり「推し疲れ」が話題になったりしているタイミングで読んだ。恋愛禁止という摩訶不思議な慣習から「推す」という行為が本質的に内包する暴力性、アイドルと性的消費など興味深い論考ばかり。ただし、タイトルに「葛藤」とあるようにいずれも何か明快な結論を提...続きを読むPosted by ブクログ
-
消費者が刺激に鈍くなり、より刺激なものを求めるほど、つくる側はそれを売る
世界を変えるのは劇的な力を持ったスターではなく、そのスターを眼差すあなたです
主体としての買う側の意識が変わらないと世界を変えることは難しいっていうの超納得〜
何回も読み直してアイドルの良さ良くなさと向き合いながら“推し”...続きを読むPosted by ブクログ -
葛藤しながら〜とあるので明確な解はない。多面的に考えているということそれ自体が未来へ繋がればいいし、人文学系の学生には考えるヒントになるだろう。第3章ハロプロが女の人生を救うは面白かった。ハロプロの逸脱した曲展開は女の子そのものなんだね。男性の一人称=僕で描かれた物語は確かに記号的だ。
余談だが指原...続きを読むPosted by ブクログ -
現代の日本においてさまざまな人びとによって語られる「アイドル」ですが、著者はそれらの言説は錯綜しており、アイドル・ファンや批評家たちにとってもわかりにくくなってしまっているといいます。本書は、そうした錯綜するアイドルにまつわる言説を解きほぐし、交通整理を試みた本です。
著者はまず、「アイドル」とい...続きを読むPosted by ブクログ -
アイドルという言葉の意味から出発し、アイドル戦国時代といわれる今の「アイドルらしさ」とは何かについて、握手会や音楽性、SNSなどを通して論じた本。70年代から現在に至るまで、アイドルを取り巻く状況は大きく変わってきているにも関わらず、アイドルに操り人形性を求めるステレオタイプのアイドル観は消えない...続きを読むPosted by ブクログ