ノーラエレングロースのレビュー一覧

  • みんなが手話で話した島
    アメリカの有名な避暑地マーサズ・ヴィンヤード島。ネットで検索してみると、いかにも風光明媚な光景が広がっている。しかし、この島ではかつて統計上あり得ないほど多くの遺伝性聾者が暮らし、健聴者も含めて島民は日常的に手話で会話をしていたという。著者が島に入ったとき、すでに島の最後の遺伝性聾者が亡くなってから...続きを読む
  • みんなが手話で話した島
    島民が皆「聾?何それ」ってなるくらいバリアがない暮らしに興味津々。あと、何かひとつのテーマをこの本くらい研究したいなって思いました
  • みんなが手話で話した島
    マーサズ・ヴィンヤード島
    島では聾の人たちも健聴者の人たちも、なんら分けられることく暮らしていた。
    職業も、収入も他の地域とも違い両者の差が無い。

    「障害」というものは、なんなんだろう。
    「五体満足で他の大勢と同じようなことができる」ことを社会が要請してしまう。
    更に、その中で「より上手に」「より...続きを読む
  • みんなが手話で話した島
    論文を読んでいるかのよう。ヴィンヤード島の話を聞いていると、そもそもハンディキャップとは?と言葉そのものについて考えさせられる。島では手話は聾者のものではなく、健聴者も手話を操り当たり前の会話の手段として用いられている。それは、生まれた時からその環境にいたから聴こえようが聴こえまいが話題にもならない...続きを読む
  • みんなが手話で話した島
    住民みんなが聾でも健聴でも手話で話していた時代があったアメリカの島の話。前半は島の成り立ちやどこから来た遺伝なのかにページが割かれて研究者でもない俺には退屈だった。後半は島の実際の姿を沢山のインタビューから活写しててとても興味深かった。ハンディキャップとは気まぐれな社会的カテゴリであると言うこと。社...続きを読む
  • みんなが手話で話した島
    J-WAVEで山口周さんが紹介していて購入。
    身近に聴覚障害の方がいないのでこれまで全く考えてこなかった分野。
    ヴィンヤード島の聾者が生まれる高い確率は不幸に見えるが、逆にハンディキャップと誰も思わずに生活できる環境があったことは素晴らしいと感じた。
    子供の頃から区別してきたのに社会人になって急に受...続きを読む
  • みんなが手話で話した島
    医療人類学者である著者が1979年より米ヴィンヤード島の島民・系図について調査、あらすじを締めくくる一文には「『障害』『言語』『共生社会』とは何かについて考える」とある。
    普段身近でないコミュニケーション手段であるため理解を深められるか心配だったが、この一文につられて読むことを決意した。

    「あの人...続きを読む
  • みんなが手話で話した島
    題名から どういうことかとても興味を持った
    読んでみるとこれは まさしく 論文であった

    ノンフィクションの中から見えてくるいろいろな問題を考えさせられるとともに 論文を書き上げるために 筆者が 深く広く調べていくことに 驚いた
  • みんなが手話で話した島
    マサチューセッツ州にあるマーサズ・ヴィンヤード島は17世紀から20世紀の終わりまで、多くの聾者が暮らしていた。かつては人はその地域から動かずに暮らすことが普通であったために、遺伝子的に違い人同士が夫婦となることが多く、その結果として聾の遺伝子を持つ人同士の結婚により、聾者が島民の一割ほどになっていた...続きを読む
  • みんなが手話で話した島
    あらためて、障害の社会モデルについて考えさせられました。障害に限らず、どんな社会にも少数派はいるけれど、みんなが無理せず暮らすことができる可能性を感じる良い本でした。
  • みんなが手話で話した島
    【感想】
    本書の舞台であるマーサズ・ヴィンヤード島は、映画「ジョーズ」のロケ地に使われた避暑地だ。この島の中のチルマークという村は、1900年代の初頭には250人程度の人口だったが、確認できるだけでも10人が聾者だったという。
    この異様に高い聾者の比率によって、島のコミュニケーション手段は、常識では...続きを読む
  • みんなが手話で話した島
    筆者と訳者の誠実な仕事ぶりがにじみ出ている本。

    障害はそれを持つ個人というよりも、むしろ環境や社会が作り出すのだということが、この本を通じて理解できた事実である。
  • みんなが手話で話した島
    環境が「障害」を作る。まさにそれだと感じた。
    でも、現実的にはそう簡単にはいかないものだよなぁと諦観している自分がいる。
  • みんなが手話で話した島
    これを面白いと思うか面白くないと思うかはその人の読む目的や同期によって変わってくるだろう。自分としては「読み物として」は正直面白いものではなく、読み切るのに少し頑張りが必要だった。なぜなら、これは著者の丹念なフィールドワークの結果や資料が記されているだけであるからだ。もちろん、それだけでも素晴らしい...続きを読む