みんなが手話で話した島

みんなが手話で話した島

「あの人たちにハンディキャップなんてなかったですよ。ただ聾(ろう)というだけでした」(本文より)アメリカ・ボストンの南に位置するマーサズ・ヴィンヤード島。20世紀初頭まで、遺伝性の聴覚障害のある人が多く見られたこの島では、聞こえる聞こえないにかかわりなく、誰もがごく普通に手話を使って話していた。耳の聞こえない人も聞こえる人と同じように育ち、社交し、結婚し、生計を立て、政治に参加した。「障害」「言語」そして「共生社会」とは何かについて深く考えさせる、文化人類学者によるフィールドワークの金字塔。解説:澁谷智子(成蹊大学教授、『ヤングケアラー』『コーダの世界』著者)

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みんなが手話で話した島 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    アメリカの有名な避暑地マーサズ・ヴィンヤード島。ネットで検索してみると、いかにも風光明媚な光景が広がっている。しかし、この島ではかつて統計上あり得ないほど多くの遺伝性聾者が暮らし、健聴者も含めて島民は日常的に手話で会話をしていたという。著者が島に入ったとき、すでに島の最後の遺伝性聾者が亡くなってから

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    2023年05月11日

    Posted by ブクログ

    島民が皆「聾?何それ」ってなるくらいバリアがない暮らしに興味津々。あと、何かひとつのテーマをこの本くらい研究したいなって思いました

    0
    2022年12月02日

    Posted by ブクログ

    マーサズ・ヴィンヤード島
    島では聾の人たちも健聴者の人たちも、なんら分けられることく暮らしていた。
    職業も、収入も他の地域とも違い両者の差が無い。

    「障害」というものは、なんなんだろう。
    「五体満足で他の大勢と同じようなことができる」ことを社会が要請してしまう。
    更に、その中で「より上手に」「より

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    2022年11月06日

    Posted by ブクログ

    論文を読んでいるかのよう。ヴィンヤード島の話を聞いていると、そもそもハンディキャップとは?と言葉そのものについて考えさせられる。島では手話は聾者のものではなく、健聴者も手話を操り当たり前の会話の手段として用いられている。それは、生まれた時からその環境にいたから聴こえようが聴こえまいが話題にもならない

    0
    2024年04月03日

    Posted by ブクログ

    住民みんなが聾でも健聴でも手話で話していた時代があったアメリカの島の話。前半は島の成り立ちやどこから来た遺伝なのかにページが割かれて研究者でもない俺には退屈だった。後半は島の実際の姿を沢山のインタビューから活写しててとても興味深かった。ハンディキャップとは気まぐれな社会的カテゴリであると言うこと。社

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    2024年01月22日

    Posted by ブクログ

    J-WAVEで山口周さんが紹介していて購入。
    身近に聴覚障害の方がいないのでこれまで全く考えてこなかった分野。
    ヴィンヤード島の聾者が生まれる高い確率は不幸に見えるが、逆にハンディキャップと誰も思わずに生活できる環境があったことは素晴らしいと感じた。
    子供の頃から区別してきたのに社会人になって急に受

    0
    2024年01月03日

    Posted by ブクログ

    医療人類学者である著者が1979年より米ヴィンヤード島の島民・系図について調査、あらすじを締めくくる一文には「『障害』『言語』『共生社会』とは何かについて考える」とある。
    普段身近でないコミュニケーション手段であるため理解を深められるか心配だったが、この一文につられて読むことを決意した。

    「あの人

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    2023年02月04日

    Posted by ブクログ

    題名から どういうことかとても興味を持った
    読んでみるとこれは まさしく 論文であった

    ノンフィクションの中から見えてくるいろいろな問題を考えさせられるとともに 論文を書き上げるために 筆者が 深く広く調べていくことに 驚いた

    0
    2022年11月25日

    Posted by ブクログ

    マサチューセッツ州にあるマーサズ・ヴィンヤード島は17世紀から20世紀の終わりまで、多くの聾者が暮らしていた。かつては人はその地域から動かずに暮らすことが普通であったために、遺伝子的に違い人同士が夫婦となることが多く、その結果として聾の遺伝子を持つ人同士の結婚により、聾者が島民の一割ほどになっていた

    0
    2023年11月12日

    Posted by ブクログ

    あらためて、障害の社会モデルについて考えさせられました。障害に限らず、どんな社会にも少数派はいるけれど、みんなが無理せず暮らすことができる可能性を感じる良い本でした。

    0
    2023年08月04日

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