マリー・ルイーゼ・カシュニッツのレビュー一覧
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カシュニッツ
カシュニッツが描くのは、市井の人間の平凡な生活にどこからともなくひっそりと忍び込む魔の顕現である。だがそれは外部から不意に訪れたように見えて、実は我々と同居していたことに後になって気付かされるのである。Posted by ブクログ -
短編集15編
不可解な,忍び寄る不安,不条理といった精神を軋ませるような世界が広がる.
「白熊」「船の話」表題作が良かった.少しわかりにくかったけれど「四月」も面白い.Posted by ブクログ -
序盤のいくつかの作品がシュールさしか感じられず読み切れるか不安になったけど中盤以降から面白い作品が出てきたので諦めずに読んだほうがいいかもしれない。同時期にシャーリイ・ジャクスンの短編集も読んでいたが個人的にはこちらのほうが好き。Posted by ブクログ
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15編の短編集。
「長距離電話」は電話の会話だけが延々と続く。
家族の会話が予期せぬ方向へ進む。
表題作「その昔、N市では」が秀逸。
遺稿で70年代以前の作品だがAIが活躍する近未来のような感覚になる。
驚く。Posted by ブクログ -
幻想的な要素を含みつつも後味の悪い話が続き、読んでいる最中は全然楽しくなかった。何が傑作選なのかと思っていたが、そこは編者の妙で、最後に唯一後味のよいあの一編を置いてくれたことで、内容的にもこれまでのすべてが救われた感じになった。Posted by ブクログ
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アメトーーク本屋で読書芸人(2023)ヒコロヒーさんおすすめ本。現実からいつの間にか違う世界に入り込んでしまったような。感情の上げ下げはあまりないものの、じわっとくる闇。他の作品も読みたい。Posted by ブクログ