主人公の前田一朗は三十八歳独身彼女いない歴十年、お菓子メーカーの平凡なサラリーマンとして日々仕事にいそがしく生きている。
人生こんなもんだと思っていた前田はある朝、身支度を整えようと洗面台の鏡に映る自分を見たとき思わずギョッとした。
そこに写っていたのは全体的に顔色が悪く目の下のクマの主張がすご
...続きを読むく額はテカっているのに頬と唇の乾燥がすごいという自分の顔だった。
本能的に勘づいていたひどい顔に声を上げてしまうくらい昔の若い頃と大きく変貌している自分の見た目にこれじゃダメだと思った前田はドラッグストアに向かった。
とはいえ具体的にどうすればいいかわかはない彼はかつて元カノがフェイスケアをしながら「やるとやらないとじゃ翌朝全然違う」という言葉を思い出し自分もやってみようと売り場に向かう。
ずらっと並べられた化粧水の違いが分からない上にそこに書かれているのは肌質の違いによって使うべきものだと気づいた彼はとりあえずひとつ買い試してみるとたちまち肌質がよくなった。
その後もよりよくしようと洗顔料を買うために同じドラッグストアに向かうと若い女性が声をかけてきて……。
綺麗で若々しくいたいという気持ちは男女問わずあるんだなぁと改めて思った。