熊倉潤のレビュー一覧
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何かと敏感な地域。文章表現にだいぶ気を使いつつ、中立で冷静な立場であろうとする著者の姿勢があちこちに伺える。これまでの歴史の流れがよくわかった。
・紀元前2000年頃にコーカソイド系の人々が西からやってきた
・タリム盆地周辺のオアシスでは、天山山脈などからの雪解け水を利用した農業者が発達。クチャ、...続きを読むPosted by ブクログ -
経緯が非常に分かりやすくまとまっている。想像してた以上の悲惨な実情には憤りしかない。新疆ウイグルは中国の問題だが、文化的ジェノサイド行為は過去に欧米も日本もやってきており、人類にとって一向に治らない悪癖とも言える。切ない。Posted by ブクログ
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最も新疆ウイグルの問題に詳しい本である。歴史についても扱っており、さらに中国の漢人の指導者の政策の影響についても書かれている。これから必要なのは、新疆ウイグルで強制矯正所に送られた人の記録の新書版であろう。Posted by ブクログ
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中国共産党と欧米の共産党政策への批判が両論併記されている。これによって、双方の立場が理解しやすい。人権問題が取り沙汰される昨今において、事実を知ることは大切である。また、新疆ウイグル自治区とはどう言った地域なのかが分かる。漢民族による支配の歴史、デュルク系民族の歴史と言ったものが書かれている。
こ...続きを読むPosted by ブクログ -
深刻な人権侵害が指摘される中国共産党による新疆統治の歴史を第三者的な立場から論じる。
新疆ウイグル自治区をめぐる人権問題の経緯や様相について理解が深まった。特に近年の中国共産党による新疆統治のおぞましさをまじまじと感じた。特に「親戚」制度は酷い。Posted by ブクログ -
副題の中国共産党70年の支配の通り、1949年から最近の習近平体制までの新疆ウイグル自治区の政治史をメインに扱う。
日本ではほとんど馴染みのない新疆の指導者名が並ぶ。共産党支配以前は東トルキスタン共和国の幹部で後に新疆ウイグル自治区の最高指導者まで上り詰めたセイフディンというウイグル族の政治家がいた...続きを読むPosted by ブクログ -
いわゆるウイグル問題。清の時代にその範図に組み込まれてしまった。
まあそこは、おじいちゃんが旅したことがあったら、核心的利益とか言い出すところで、要はそこが問題だと思う。
著者は、どちらの立場にも入れ込まないように注意されているが、やっぱりかの大盗賊国家のやってることに疑問を呈する。
ジェノサイ...続きを読むPosted by ブクログ -
中国建国以来、共産党統治下の新疆ウイグル自治区の歴史を概観した本。
大躍進政策、文化大革命から直近のゼロコロナ政策にいたるまで、上からの一方的な政策に翻弄されるのは中国に暮らす人々にとって常なのだが、新疆ウイグル自治区ではさらに民族問題もからんで問題は複雑化する。頻発するデモ・暴動に対して民族政策...続きを読むPosted by ブクログ -
ずっと興味・関心を抱きつつ、そのテーマを総論的には一度も学んだことのない「新彊ウイグル問題」。書店の棚で本書の背表紙を見つけたとたん「コレは読まねば」と手に取って買い求めた一冊。
さすがに一度通読しただけでは、全体像としてアタマや心には残らない。しかしその歴史的な流れと背景は「太い幹」として掴めたよ...続きを読むPosted by ブクログ