何かと敏感な地域。文章表現にだいぶ気を使いつつ、中立で冷静な立場であろうとする著者の姿勢があちこちに伺える。これまでの歴史の流れがよくわかった。
・紀元前2000年頃にコーカソイド系の人々が西からやってきた
・タリム盆地周辺のオアシスでは、天山山脈などからの雪解け水を利用した農業者が発達。クチャ、
...続きを読むカシュガル、ヤルカンド、ホタンなどのオアシス都市が漢人進出前から成立していた。
・漢人の進出は紀元前二世紀の前漢の武帝の時代頃。敦煌より西は西域と呼ばれた。
・10世紀頃にイスラーム化がはじまった。
・中華民国成立後はロシアの影がちらつく。
・習近平の父の習仲勲は新疆分局の上部組織である中共中央西北局の第二書記で、意外にもウイグル族との融和的政策をとっていた。
・親戚制度とは、漢人の公務員が現地ムスリムの各家庭に割り当てられる制度。
・職業技能訓練センターには、思想改造や強制収容の話もある。
・産児制限、綿畑への動員、先端技術による監視が行われている。
・新疆生産建設兵団は漢人主体で構成される組織で、平時は農業、有事には軍を部隊となる。
・自治区の人口は約2500万人。約3割が漢民族。ウイグル、カザフ、ほか少数民族などで構成される。