矢島真理のレビュー一覧

  • 鹿狩りの季節
    更年期を迎え、様々な症状に苦しんでいるアルマ。
    夫クライルの親の介護のため、数年前にシカゴからネブラスカ州の田舎町ガンスラムに移り住んできた。

    いわゆるシティガールのアルマ、越してきた当初はこのスモールコミュニティに馴染もうと努力するが、元来の歯に衣着せぬ物言いや、生産性のない物事はすぱっと断ずる...続きを読む
  • 鹿狩りの季節
     レビューが意外に辛口なんですが、私は楽しませてもらいました。

     鹿狩りの季節に一人の女子学生の行方が分からなくなる。単純な家出と思われていたが、時間はどんどん過ぎていく。

     この事件を彼女の弟と知的障害がある青年の保護をしている夫婦が調べていくというのがあらすじ。

     何故、彼女は消えたのか、...続きを読む
  • 狩られる者たち
    先の見えない展開で、
    血生臭い話だけど嫌にもならず
    物語の中に引き込まれます。
    一気読みしたかった!
    結局、何日かに分けて読んだけど、あれどうなるんだろ?と他の事しながら先が気になる感じ。

    続編も訳されて発売されることを望みます‼︎
  • 時計仕掛けの歪んだ罠
    初のアルネ・ダール。
    翻訳ミステリ大賞シンジケートで紹介されていて読みたくなったので。

    評判どおり、物凄く面白かった!
    食傷気味だった北欧ミステリかつはみ出し刑事ものではあるけど、そんなこと吹っ飛ばすほどに面白かった。

    話の入りは北欧刑事ものではあるが、特に第二部の取調室の攻防以降、印象がガラリ...続きを読む
  • 狩られる者たち
    前作のラストから物語が始まる。

    今回も意表をつく展開の連続。
    冒頭からの、まるで断片のような逃亡シーンから煙に巻かれる。

    描写は実に細かいのだが、何が起きてるのが理解できないように話が進められ。それが突然全景が見えたかと思うと、一瞬で真相が変わって行く。

    実に見事に話が練られていて、事件を追う...続きを読む
  • 狩られる者たち
    「サム・ベリエル」シリーズ第二弾。前作『時計仕掛けの歪んだ罠』の驚きのラストを経ての今作。物語を通して不安や、焦燥、恐怖のようなものが流れている。刑事を辞め信じられるものがないなかで追い詰められていく展開と二転三転する捜査。犯人側の不気味さ、ベリエルの感じているもの、シリーズとしての謎の提示と今作も...続きを読む
  • 時計仕掛けの歪んだ罠
     日本では8年前に『靄の旋律 国家刑事警察 特別捜査官』一冊しか邦訳されていないが、スウェーデン本国では大御所の作家であるようだ。複数捜査官による警察小説を得意としつつ、別名義で純文学を書き、文芸評論家であり詩人でもあるいわゆる表現のプロ。そのイメージはページを開いたところからがつんと来る筆力を見る...続きを読む
  • 内なる罪と光
    1人息子を殺され、妻にも去られたアイザックと、息子と関係した事のある孤独な少女が主人公。派手な場面は無く、当事者の心の内側を延々と晒すのだが、奥深い描写が続き目が離せない。息子への愛情や他者へ不器用なアイザックの見せる苛立ちや赦しが哀しい。唯一犬のルーファスの存在が救いだった。
  • 内なる罪と光
    殺人事件で息子を失ったアイザックの前に突然現れた16歳のエヴァンジェリン。家族も家もない少女との共同生活が始まる。息子が殺害された影響が色んなところに出ていて、エヴァンジェリンに対する力になりたいという気持ちと、時折感じる苛立ちにアイザックの感情の揺れが見える。アイザックが自分の心の内を深くのぞいて...続きを読む
  • 鹿狩りの季節
    アメリカの作家、エリン・フラナガンのデビュー作。

    ネブラスカ州ガンスラムに暮らす女子高生ペギーが行方不明になる。家出か事件か。一方、障害を持つ男性、ハルを我が子のように思う中年夫婦は、ハルが運転するトラックに血の跡と凹みを見つける。

    所謂、スモールタウンもの。非常に息苦しさを感じる作品。
    視点は...続きを読む
  • 時計仕掛けの歪んだ罠
    「怒涛の展開」
    こんなにこの言葉が似合うミステリーは、滅多にない。

    どんな感想を書こうとしても、全てネタバレになるような気がして、書けない。

    北欧ミステリーは好物だけど、またひと味違う。
    印象的なのは「雨」……。

    でも、最後だけは気に入らない。
    次を「読まなければいけない」のと、「読みたくて仕...続きを読む
  • 鹿狩りの季節
    小さな街で発生した少女の失踪事件。人間関係を静かに丁寧に重く書き綴ったミステリー #鹿狩りの季節

    ■あらすじ
    アメリカの田舎町、鹿狩りの季節に女子高校生の失踪事件が起きた。当初家族たちはすぐに帰ってくるだろうと高を括っていたが、いつもいがみ合ってた弟が心配し始める。
    一方近くに住む家畜農業を行って...続きを読む
  • 鹿狩りの季節
    ネブラスカ州の片田舎が舞台のミステリー。女子高生の失踪で始まる。知的障害をもつ青年が疑われるが、彼を庇う雇主夫婦、姉の行方を追う弟。町の人々の抑圧された保守的な側面が浮かび上がる。
  • 鹿狩りの季節
    16歳の少女ペギーが突然姿を消した。自ら家を出たのか、事件に巻き込まれたのか。知的障害のあるハルが疑われる。町の住人のほとんどが顔見知りという地域での犯人探し。ハルの無実を信じている保護者代わりのコスタガン夫妻。疑う人たちと信じる人たちの諍いや狭い地域であるが故の及ぼす影響の大きさ。ミステリーではあ...続きを読む
  • 鹿狩りの季節
    今年1冊目のハヤカワ・ポケミス。2022年アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞受賞作という事で、否が応でも期待値が増します。どなたかも書評されていたように、ミステリー作品としての趣きは少なく、アメリカの田舎町を描いた優れた小説を読んだ印象です。ただ、アメリカ人は、こういう作品を好みそうなので、受賞も...続きを読む
  • 時計仕掛けの歪んだ罠
     今までに経験した事がないストーリー展開。一体どんな結末をむかえるのか。そして次作へと引っ張るその嫌らしさww。北欧ミステリーはこうでなくっちゃ!!
  • 狩られる者たち
    シリーズ第1弾より、こちらの方がさらに面白かった。まさかのまたまた続き物…
    ストーリーは面白いけれど、外国人特有のつまらない会話のキャッチボールが読んでいて辛い…
    と思って読み飛ばしていたら、直ぐ大切なことまでスルーしてしまいそうで怖い。
    次回作も期待します。
  • 狩られる者たち
    めちゃめちゃ引き込まれた。
    前作に引き続き猟奇的な事件の裏に巨大な影が見え隠れしてるのも良い。
    日本に来る北欧ミステリーあるあるかもだけど、こちらもベリエル&ブローム”シリーズ”になってて、本国では第五作まで出てるそうなので、ぜひ日本でも出してほしい。
  • 狩られる者たち
    少女連続失踪事件の被害者救出に貢献しながらも、刑事の職を辞することになったベリエル。それでもひとときの安堵に身を委ねていた彼を待っていたのは、あまりに衝撃的な“結末”だった。それから十日余り。雪原に建つ病院の一室で目覚めた男“サム・ベリエル”は、本能に導かれるかのごとく、逃走を試みる。一方、ベリエル...続きを読む
  • 狩られる者たち
     ぼくら読者が生きている現実と遠く離れたところ。政府、公安、警察そして個人が絡み合いつつ、個の犯罪と国家的策謀が絡み合う中、それらの複雑な力学に巻き込まれる個人=ストックホルム警察のサム・ペリエルと公安警察の元潜入捜査官モリー・ブロームを主人公にした四部作の二作目である。

     こう書いただけでだいぶ...続きを読む