ユーザーレビュー 狩られる者たち アルネ・ダール / 田口俊樹 / 矢島真理 先の見えない展開で、 血生臭い話だけど嫌にもならず 物語の中に引き込まれます。 一気読みしたかった! 結局、何日かに分けて読んだけど、あれどうなるんだろ?と他の事しながら先が気になる感じ。 続編も訳されて発売されることを望みます‼︎ Posted by ブクログ 時計仕掛けの歪んだ罠 アルネ・ダール / 田口俊樹 初のアルネ・ダール。 翻訳ミステリ大賞シンジケートで紹介されていて読みたくなったので。 評判どおり、物凄く面白かった! 食傷気味だった北欧ミステリかつはみ出し刑事ものではあるけど、そんなこと吹っ飛ばすほどに面白かった。 話の入りは北欧刑事ものではあるが、特に第二部の取調室の攻防以降、印象がガラリ...続きを読むと変わる(この攻防自体も面白い)。ここまで先が気になり、ページをめくる手が止まらない小説も久しぶりだった。 最後は、多分賛否両論なんだろうけど、個人的にはいい知れぬゾッとする感じも素晴らしいと思った。 シーズンが続くというか。 シリーズとしては5作くらい出てて、ただ翻訳は2冊目までらしい。非常に楽しみにしているので、どうか最後まで翻訳されますように。 Posted by ブクログ 狩られる者たち アルネ・ダール / 田口俊樹 / 矢島真理 前作のラストから物語が始まる。 今回も意表をつく展開の連続。 冒頭からの、まるで断片のような逃亡シーンから煙に巻かれる。 描写は実に細かいのだが、何が起きてるのが理解できないように話が進められ。それが突然全景が見えたかと思うと、一瞬で真相が変わって行く。 実に見事に話が練られていて、事件を追う...続きを読む刑事と公安捜査官の二人組と共に、真相を求めて事件の迷宮を巡ることになり、ラストまで濃厚なサスペンスを堪能できる。 早くも次の作品が読みたくなる。 実に映像化向けの作品で、映画ではなく6話くらいのTVシリーズにしてほしい。 しかし、北欧物は登場人物の名前が憶えられない… (丁寧で工夫の跡がうかがわれる登場人物一覧には本当に感謝!) Posted by ブクログ 狩られる者たち アルネ・ダール / 田口俊樹 / 矢島真理 「サム・ベリエル」シリーズ第二弾。前作『時計仕掛けの歪んだ罠』の驚きのラストを経ての今作。物語を通して不安や、焦燥、恐怖のようなものが流れている。刑事を辞め信じられるものがないなかで追い詰められていく展開と二転三転する捜査。犯人側の不気味さ、ベリエルの感じているもの、シリーズとしての謎の提示と今作も...続きを読む読み応えはたっぷりでまだ二作目だけれどこの先も信頼できるシリーズ。次作も邦訳されることを願うばかり。 Posted by ブクログ 時計仕掛けの歪んだ罠 アルネ・ダール / 田口俊樹 日本では8年前に『靄の旋律 国家刑事警察 特別捜査官』一冊しか邦訳されていないが、スウェーデン本国では大御所の作家であるようだ。複数捜査官による警察小説を得意としつつ、別名義で純文学を書き、文芸評論家であり詩人でもあるいわゆる表現のプロ。そのイメージはページを開いたところからがつんと来る筆力を見る...続きを読むと、なるほどごもっとも。 冒頭、二人の少年の印象的なシーンから、いきなり犯罪現場らしき場所での警察突入シーンに視点が移る。読者はこれですぐに持っていかれるだろう。 少女たちの連続失踪事件を追うベテラン刑事の目線で語られる一部から、マークされた怪しげな女性の事情聴取と尋問が始まるが、その辺りから本編は逆転に次ぐ逆転という驚くべき展開を見せる。すべては見た通りではなく、錯綜した裏がある。 そう。最初に見えたのがすべてではなく、次に見えてくるものも不確かと思えてしまう捩じれた世界。事件の全体像が見えるまでの緊張はラストまで途切れることなく続くが、作中の世界は変容を重ね、真実が幾様にも姿を変え、人間たちは見たままではなく、意外な展開を見せてゆく。 挿入される少年たち少女たちのシーンが驚きの展開を見せ、作品に重要な光を投じる。現在と過去は複雑に繋がる。フーダニットのミステリーから、プロットを楽しめる全体像となってゆく。何よりもこれは新シリーズの第一作なので、この事件のその後まで気になるという驚くべきシーンで終わりを迎える。いや、始まりを迎えるのか? 登場人物の多さも、この後の作品への布石になるのかもしれない。予想外の死体発見シーンが読者を混乱させ、何一つ確信させてくれないところが、日本語タイトルにも反映された何ものかであるのだろうか。 印象的な部分は、主人公と犯罪者の双方の、時計へのこだわり。各章が月日と時刻でしっかり刻まれる。仕掛けへのこだわり。組織同士の化かし合い。時に過去が入り込むこと、などなど。 二人のヒーロー&ヒロイン像の個性とパフォーマンスが良いので、今後のシリーズに期待ができる。次作の邦訳も進められているという巻末の解説に少しほっとするし、これは二作以降も読まざるを得ない。決着のついていないことが多いように思う。次作まで持ち越しの宿題なのか? 全体的にエンターテインメントとして申し分のない読書時間を供給してくれた作品である。次作が待ち遠しい。 Posted by ブクログ アルネ・ダールのレビューをもっと見る