イカル荘というネーミングと、イカルがたくさんの表紙に、つい手に取った。小学高学年・中学生向けの読み物。
家に居場所がないと思った、中学2年生の真子が、家を逃げ出して転がり込んだのが、イカル荘。画家の夏鈴(かりん)と、インドネシアからの留学生デフィンと一緒に暮らし始めると、パパとママと暮らしていた時
...続きを読むとはまったく違った生活が待っていた。
作者は鳥が好きなのだと思う。(私もです)
そこをうまく絡めて物語を作っているけれど、物語の中心はそこではない。同じような設定で少女が自立していく話、高楼方子さんの『十一月の扉』を思い出しました。
小学生でも読める物語なので、重厚ではないけれど、分かりやすいお話にはなっていると思います。
バードウォッチングがパパをこんなにも変えてしまうのは不自然、と思われるかもしれないが、鳥が好きになると病みつきになるのは、鳥好きでないと、ちょっと理解できないかもしれない。私の周りにも、奥さんに付き合って始めただけなのに、なぜか夫の方が夢中になった、という例はある。そこをわかってもらうのは難しいので、不自然に思われても仕方ないですね。鳥好きならでは設定と割り切って、あきらめましょう(笑)