小田嶋由美子のレビュー一覧

  • 依存症と人類――われわれはアルコール・薬物と共存できるのか
    アルコールと煙草漬けの両親に育てられ、自身もアルコール依存症のリハビリを受けたことのある精神科医が、経験談を交えながら酒や薬物に依存する人びとと社会の歴史を辿っていく。


    依存症の経験を持つ医師が依存症治療の歴史をまとめた、いわゆる当事者研究というやつで、まずいきなり結構ヘビーな著者フィッシャーの...続きを読む
  • 依存症と人類――われわれはアルコール・薬物と共存できるのか
    アルコール・薬物の依存症対策史。著者自身が重度のアルコール依存であった過去を持ち、時折そのエピソードが挿入されます。欧米の対策や依存症への差別などかなりしっかりとした内容が紹介されています。読み応えありますがエピソードがふんだんに盛り込まれており読みやすい。
  • 依存症と人類――われわれはアルコール・薬物と共存できるのか
    依存症当事者の精神科医著。
    自身の体験も絡めつつ、依存症を取り巻く治療の変遷、政策と問題点、依存症に対する社会的な価値観とそれらがどう作られてきたのかまで深く掘り下げて書かれていてとても面白かった。

    ↓特に好きだった所
    「依存症供給産業」が安全だと信じこませるために、その悪影響への疑いを持たせる。...続きを読む
  • ワクチンの噂――どう広まり、なぜいつまでも消えないのか
     「ワクチンは打たれる側にとってはわけのわからない液体である。自分の体に入ってゆく液体がただの生理食塩水か、劇薬か、それとも未来の自分と他者を守る液体かを確かめるすべはない。自分がある病気に罹らなかったのはワクチンのせいなのか、単に運がよかったからなのかを確かめるすべもない。そのような不確かな状況に...続きを読む
  • 意識と感覚のない世界――実のところ、麻酔科医は何をしているのか
    【麻酔薬を投与するとき、私はいつも患者に「一〇〇からカウントダウンしてください」と言う。私の経験では、九〇より先まで数える患者は一人もいない】(文中より引用)

    もはや現代の医療に欠かすことのできなくなった麻酔。その発明に至るまでの歴史を振り返りつつ、麻酔科医がどのような問題意識を抱えながら職務に臨...続きを読む
  • 依存症と人類――われわれはアルコール・薬物と共存できるのか
    現象をよりよく理解するためには科学が役立つが、しばしば脳を超えたあらゆるものが万事を決定するということを理解する謙虚さが必要なことも肝に銘じなければならない。
    これに尽きる。

    良書でした。
  • 依存症と人類――われわれはアルコール・薬物と共存できるのか
    アルコールと薬物依存症から回復した精神科医の著者の経験と依存症の歴史について書かれている。
    著者の体験は生々しく、一歩間違えば誰にでも起こり得ると感じた。
    酒、タバコ、カフェイン、スマホ、薬、ジャンクフード、砂糖など合法でも依存性のあるものが身の回りに溢れているので付き合い方を考えるきっかけになった...続きを読む
  • ワクチンの噂――どう広まり、なぜいつまでも消えないのか
    現在のコロナ禍は2年以上が過ぎ、やや落ち着いてきた印象もあるが、なお完全終息からは遠そうだ。
    終息に向け、ワクチン接種が推奨され、3回目の接種も進みつつはあるが、一方で、ワクチンについては強く反対する人も一定数存在し続けている。

    本書は、コロナ禍に合わせて刊行されたかのようなタイトルだが、実は原著...続きを読む
  • 意識と感覚のない世界――実のところ、麻酔科医は何をしているのか
    下北沢B&Bにて購入。麻酔科医は何をしているのか?という副題はちょっとミスリーディングかもしれないと感じた。これは、プロフェッショナルがプロフェッショナルとして何を行動規範としているのか?ということに関しての文書であって、その題材が、たまたま麻酔科医であるということなのだと思った。このプロフェッショ...続きを読む
  • 意識と感覚のない世界――実のところ、麻酔科医は何をしているのか
    タイトルからして、麻酔中の意識がどのようになっているのか、とか何か盛り上がって脳科学的な話かと思っていたら、全然違いました。
    が、麻酔科医の独白で、医師としての喜びや葛藤が綴られていて、私は素直に感動してしまいました。
    脳外科マーシュの告白とよくにた雰囲気です。
  • 意識と感覚のない世界――実のところ、麻酔科医は何をしているのか
    麻酔科医は、黒子であるが、常にスタンバッテいないといけない。症状に合わせた施術を行わなければならなく、患者のことを主治医同様に知っていないといけない。麻酔の聴く仕組みは本当にはよくわかっていない。新しく麻酔科医に広まった薬はここ20年くらい出ていない。
  • 残された時間――脳外科医マーシュ、がんと生きる
    前著『医師が死を語るとき』では、脳外科医としての日々の医療や、友人医師を助けるためのネパールでの奮闘やウクライナにおける活動といった、医師としての著者がどのようなことを感じ、考え、治療に当たってきたかが第一の読みどころであったが、気に入って購入したオックスフォード運河沿いのコテージのリフォーム作業に...続きを読む