白尾悠のレビュー一覧

  • サード・キッチン
    海外留学した事のある人なら、共感できるところがたくさんあると思う。うまく外国語が話せないもどかしさ、相手にめんどくさそうな顔された時に傷ついたり、簡単な言葉しか使えないから、子供扱いされたり… 自分でも無自覚な、差別と偏見。それに向き合い、考え続ける事の大切さを改めて考えさせられた。
  • サード・キッチン
    少しも上達しない英語の勉強も、答えのない差別や人間関係の問題を考え続けることも、諦めないで頑張りたい。励まされました。
  • いまは、空しか見えない(新潮文庫)
    ぜったいにつらいのに、どうして何度も闘う物語に手を伸ばしてしまうのだろう。それはきっと、いつかのじぶんを救いたいからだ。繰り返し立ち上ってくる恐怖と暴力に、なんどでも立ち向かわなければならないからだ。こんな理不尽なことはない、膝をついてもう立ち上がれないと涙も渇れるとき。それでもおもいだすため。ひと...続きを読む
  • サード・キッチン
    どこからどこまでを差別とするか難しいと感じた。違う扱い受けたらそれは差別なのか。サードキッチンに白人生徒が許可なく入った件がきっかけでなおみと白人学生の議論からもおもったこと。皆が人種性別国籍等問わず心地よく過ごすための是正措置としてなら、簡単に差別と言ってしまっていいのかなって思いました
  • サード・キッチン
    1990年代、アメリカに留学した主人公がマイノリティの集う学生食堂で交流しながら偏見、差別、さらにそれを自らが持っていることに気づいていく

    まず、主人公が留学当初ルームメイトと性格が合わなかったりうまく話せずに疎外感を感じる場面で、自分は留学に行ったことがないのにこの経験あるな、留学したら確実にこ...続きを読む
  • サード・キッチン
    主人公の変容していく様子にとても心を動かされました。孤独感を抱えながらも、周りの人と関わりを持ち、前に進んでいこうとする気持ち、無知であっても相手のことを理解したい、わからなくても考えたい、そう思えることは素晴らしいことだなと思いました。ナオミが歩み寄ることで、なんとなく感じていた苦手意識や誤解もな...続きを読む
  • サード・キッチン
    留学先で徐々に友達を増やしていく青春小説。
    と、侮るなかれ。
    現代の抱える様々な問題、差別、戦争、貧富などから、個々人が抱える悩み、葛藤、さみしさなども丁寧に織り込まれたとても大きな小説だった。
    主人公の造形、描写も細やか。
    少しずつ少しずつ開かれ、成長していく様は自然に感情を添わせて応援したくなる...続きを読む
  • ゴールドサンセット
    『無意識のハラスメント、その先に見出す希望の光』

    中高年限定の劇団に関わる人達の人生の機微を丁寧に描いた、心に刺さる作品。何かに囚われ、無意識のうちにハラスメントをする人、受ける人。各章ごとに様々な異なる感情を感じさせられ、心揺さぶられる良作。
  • いまは、空しか見えない(新潮文庫)
    父親からDVを受けている智佳と、過去のレイプ体験に怯える優亜の二人を主人公に据えたお話で、有り体に言えばつらい体験を克服していくお話。つらい過去のお話は読んでいても辛いのだが、希望を持って生きようとする姿は読んでいて応援したくなる。良作。
  • アンソロジー 舞台!
    舞台をテーマにした5作の短編。
    舞台を見る人なら、いろいろとわかる!と思うことあって楽しく読めると思う。

    『ここにいるぼくら』
    2.5次元舞台に出演することになった主人公。しかし、その役はシリーズもので、彼はいわゆるキャス変だった。
    いやー、2.5のキャス変は私も経験あるからわかるなー。(見る側だ...続きを読む
  • サード・キッチン
    単に、留学先でいろんな国のご飯の話かと思って読み始めたので、内容、重かった。
    留学さえしたことがない私には、差別は頭の中で考えてるだけのことなのか、、、しっかり勉強しなくてはと思う。一方で永遠と身につくことがないことではないかとも、思ってしまう。
    他人の立場になって、行動するのは、なんて難しいことな...続きを読む
  • サード・キッチン
    差別ってなんだろう。
    ノーマルではなくマジョリティ。
    日本にいるとわからない部分がたくさん。肌の色とか、国々の歴史的な背景とかではなく、その人個人個人を大事にしたい。

    自由のために、自立して考えて知性を育てる。先入観とか思い込みとかをなくして世界を見てみよう。
  • サード・キッチン
    足長おばあさんに助けられアメリカの大学に留学した尚美の成長物語。
    始めはままならない英語力と引っ込み思案のため友達もできずただ勉強する毎日。ところが大学内のコープサードキッチンを知ってどんどん世界が広がると共にマイノリティの問題、差別、逆差別に気付いていく。涙あり笑いありまた涙ありで最後までぐいぐい...続きを読む
  • ゴールドサンセット
    こんなん読んじゃったら、自分で自分を大切にして死を迎えるその時まで毎日をちゃんと生きなきゃって思っちゃったよね。
  • サード・キッチン
    なおみの心の中のモヤモヤやプラスではない感情に、あーこういう気持ちになることってあるよなと、自分の中で見え隠れするものを実感すると共に人と繋がることの温もりも感じた。そして差別や歴史など新しい見方や考え方を知ることができ、明日からは世界が少し違うように見えるかも知れないと思った。
  • ゴールドサンセット
    シニア劇団で演じる老人と関わる人々のそれぞれの悩み、葛藤を1章ごとに主役を変えながら、ラストは公演シーンと、皆の話が全てまとまるという構成もストーリーもすごくよかった!
    男尊女卑な昭和的場面も多々あり。でもこれは決して小説の中だけでなく現実にあることだったんだろうなぁ…
    現代の男女平等もパーフェクト...続きを読む
  • ゴールドサンセット
    『いまは、空しか見えない』で嵌った白尾悠さん。
    本作も刺さる。

    中高年限定の劇団をモチーフに、其々の順風満帆とは言えない人生を丁寧に掬い上げた作品。

    「この世界から消えるべき理由」を数える女子中学生、突然解雇を言い渡された40代独身女性、傲慢を絵に描いた様な中高年男性など登場人物は皆、私達の身近...続きを読む
  • いまは、空しか見えない(新潮文庫)
    最後智佳が父親に電話するシーンかっこよかった
    無茶苦茶な人間に何を言ってもこちらの声なんて届くことはないけど、智佳の最後まで貫き通して冷静に話す言葉。父親は支配出来なかったことに絶望を覚える。最高の復讐。

    あと智佳の母の回が個人的に1番好きだった。
    望まれず産まれた 無関心な母親の元で育った雪子
    ...続きを読む
  • いまは、空しか見えない(新潮文庫)
    何のために頑張っているのか、
    頑張った先に何が待っているのか。

    誰しも漠然とした将来への不安を抱えたことがあるのではないでしょうか

    人は生きている限り悩み、苦しむ運命にあるんだと生々しい現実が描写されるとともに、そっと背中を押してくれる、そんな応援メッセージのような小説です。

    個人的には解説の...続きを読む
  • サード・キッチン
    多様性を考える 十人十色わかりあいたくて伝えたくて言語を学び歴史を考える 差別を感じ心のこもった料理に癒やされる 読んでる私も主人公と共に考えた。