佐川恭一のレビュー一覧

  • 舞踏会
    現代に現れた太宰治。

    拗らせた自意識。
    出口のない煩悶。
    人に言えぬ苦しみ。

    今どき流行らない、かと言って、いつかの時代ならポピュラーであったということもない、ひた隠しに隠したい思いを、思うさまぶちまける。

    素晴らしい。

    「この舞踏会から逃げ出すことはできない。出口はない。ダンスの優れた者だ...続きを読む
  • 清朝時代にタイムスリップしたので科挙ガチってみた
    くっだらない。
    笑えるほどくだらない。
    久しぶりにしょーもなくて笑えた。

    多分多くの男性は、物心ついてしばらく童貞で、程度の差こそあれ、拗らせていて。
    でも、そうでなくなったら、そんなことはほとんど忘れて毎日過ごしているものだと思うけど。
    いい年して、しっかりそこをほじくり返す筆者の力には刮目した...続きを読む
  • 舞踏会
    どれだけ、ネガティブな感情を吐き出しても辟易しないのが不思議です。
    これは根っこの部分での作者への信用の成せる技でしょう。可愛い女性からの承認はこの世界を生き抜く為の最強の鎧であるのですね笑 
  • 就活闘争 20XX
    荒唐無稽な就活小説かと思えば、後半の展開は前半にカリカチュアされた就職活動を社会の構図と重ね合わせ、中途半端な就活大学生を成長させていく。
    社会に多大な影響を与える超優良企業のZ社の就活は、ありえない方法で大学生たちを追い詰めていった。
    前半のありえない状況を読み超えると、後半には現在の就活が会社の...続きを読む
  • ゼッタイ! 芥川賞受賞宣言 ~新感覚文豪ゲームブック~
    目指せ芥川賞受賞!小説版ゲームブック。
    1章読むごとに提示される、主人公の次なる行動の選択肢。読者は選択肢の中から展開を選んで、指定された章へと読み進めていく。
    最短ルートで芥川賞を受賞できた場合、この本を読み終えたといえるのか心配したけど…、そんな心配は全く無用だった。
    痛恨のゲームオーバーを繰り...続きを読む
  • 清朝時代にタイムスリップしたので科挙ガチってみた
    変態ネタ多めの、と言うより9割変態のお話&感想が長くなりそうなので、こういう内容に耐性のある方はお付き合い下さい笑。
    ひたすら科挙の合格を目指す話かと思いきやまさかの短編集、しかも全て変態青春もの笑。
    下半身で物事を考えると幸せになれるのかも知れないと危ない方向へ洗脳されそうになりましたが、謎にどれ...続きを読む
  • 清朝時代にタイムスリップしたので科挙ガチってみた
    やばい9話の短編集。
    何がやばいって 1話目 表題作の「科挙ガチってみた」。レビュー何書いていいか分からない。と言うより何も書けない。1Qさんの言ってたとおりだ笑 これ問題作だ!エロだ!というより変態だ!変態小説だ!わたしが女性だからか、始めから心折れそうになる主人公の性癖 笑 ただ この1話目がか...続きを読む
  • 清朝時代にタイムスリップしたので科挙ガチってみた
    英俊の願いを叶えてやってと何故か応援してしまった。
    純粋で一途でいいじゃないか。

    他の話もエロのために頑張る男の子だちの馬鹿さが、くだらないながらに面白かった。
  • 清朝時代にタイムスリップしたので科挙ガチってみた
    (2023/07/11)

    漫画読むような感覚でサックサクとテンポよく読めるのが良い。

    酒呑めるひとは呑みながら読むのが良い。
    呑めない人は深夜に読むのが良い。

    とにかくおかしなテンションで読むのが良い。
    笑いながら読めるので最高に楽しい。
  • 清朝時代にタイムスリップしたので科挙ガチってみた
    タイトルにある「清朝時代にタイムスリップ~」が思った程でなかったので、途中で止めかけたが思いとどまった。
    「普通科高校の魔法使い」で、何だこれは!おもしれーとツボに嵌ってからは、最後の「東大A判定記念パーティ」まで一気に楽しんだ。

    「店員はまるで五歳にもならぬ幼児を勇気付けて保育園へ送り出す、模範...続きを読む
  • 舞踏会
    佐川恭一『舞踏会』(書肆侃侃房、2021年)は短編小説集。「愛の様式」は独白で成り立つ作品。マシンガンのように独白が続く。独白から構成される小説と言えば思索に沈んで物語が進まないパターンを連想するが、そうではない。視点人物は話し下手とされるが、独白ではお喋りである。話好きの女性というイメージを抱く。...続きを読む
  • 就活闘争 20XX
    私の一番好きな作家である佐川恭一氏。
    前作が意味不明で今作に対しては期待値爆上がりだったが就活がテーマの作品か…
    と、あまり興味のバロメータは上がらず。
    序盤、読み進めるのが億劫になるような、ありがちな展開。しかも佐川恭一節に切れ味が感じられない。物語も突拍子もなく、現実離れした内容に若干、辟易。ど...続きを読む
  • 就活闘争 20XX
    社会、組織というものへの違和感。
    その中の個の振る舞いの不可解さ。
    自らを振り返っても、そこに確固たる何かは見つからない。

    そうした、「生きづらさ」みたいなものを、劇画調にした「就活」を舞台に開陳した本。
    「舞踏会」と似た作品。
    (僕は舞踏会が好き)

    選考に漏れると死ぬ、という設定があまりにも極...続きを読む
  • ゼッタイ! 芥川賞受賞宣言 ~新感覚文豪ゲームブック~
    タイトルとシステムに惹かれて買ってしまい、作者がどんな人なのかを全く知らなかったのだけど…
    このぶっ飛んだ感じとエログロ(グロはそんなにないか)さは、他の作品もぜひ読んでみたくなりました笑
    ゲームブックガチ勢ではなかったので、行きつ戻りつ、全部のパターンを読み切ったけど、ハッピーエンドに辿り着くまで...続きを読む
  • 清朝時代にタイムスリップしたので科挙ガチってみた
    9作の短編。佐川恭一お得意の知性の中のエロスと哲学。またビッチでおっさんな女達。罪の意識があるのかないのか、サークルクラッシャーな女性を描かせたら右に出るモノなし。実際いるんだよなぁ。
    次回作に期待。