荒谷大輔のレビュー一覧

  • 使える哲学 私たちを駆り立てる五つの欲望はどこから来たのか
    著名な思想家が、それぞれの時代の宗教や文化に「引っ張られている」ことが浮き彫りになった。自分自身の思考も、現代特有のクセがついていることを自覚させられた。
  • 資本主義に出口はあるか
    右とか左とかよくわからないと思っていましたが、本書を読み現状がねじれの状態にあることを含め、基本的な整理ができるようになりました。
  • 資本主義に出口はあるか
    右/左という対立軸をロック/ルソーという思想的対立に読み替えながら、現代に至るまでの資本主義を概観する快作。軸を読み替えただけで、ここまで鮮やかにわかりやすくなるのかと、感銘を受けた。
    最終章に関しては、そういうオチにならざるを得ないのだろうと思いつつ、やはり現実的な話にはなりえないなとも思ってしま...続きを読む
  • 資本主義に出口はあるか
    題名だけをみると、リーマンショック後に多く出版された資本主義批判本が連想され、ある点では実際にその通りではある。しかし、本書は他書のように富の偏在に直接焦点を当てるのではなく、現在の特に旧西側自由主義国家に見られる混乱の原因がその思想的根幹をなす「自由」と「平等」が全く異なる仕方で人々に諒解されてい...続きを読む
  • 資本主義に出口はあるか
    インパク知9・9
    かかった時間120〜150分

    めっっっっちゃおもしろい!!!

    個人的にはサピエンス全史と同じ種類のおもしろさ。帯に書いてあるのだが「ロックとルソー」で近代以降の社会を説明しきっている。

    ロックが、あくまで労働者としての個人の意思決定に委ねた自由な経済活動を肯定する立場なのに対...続きを読む
  • 資本主義に出口はあるか
    古典派経済学のアダム・スミスの道徳感情論と国富論の関係について述べている点は評価できるが、その解釈が蜂の寓話的であり疑問。読者に誤った認識を与えるものとなっているのではないか。
    きちんと解釈すれば、古典派経済学の自由はロック的よりはルソー的、またはその中間というか止揚的となると思う。
  • 資本主義に出口はあるか
    荒谷大輔(1974年~)氏は、東大文学部卒、東大大学院倫理学科博士課程単位取得退学の哲学者。江戸川大学基礎・教養教育センター長兼社会学部人間心理学科教授。
    本書は、前半で、18~21世紀の様々な社会思想の展開を、ジョン・ロック(1632~1704年)とジャン=ジャック・ルソー(1712~1778年)...続きを読む
  • 資本主義に出口はあるか
    ロックとルソーは、それぞれに王政に代わる近代的な社会システムを構想したが、この二人の社会契約論の著者の対立は、右/左が問題になる最初の場面での軸となった。ロベスピエールは、ルソーのように生きることを誓ってフランス革命をテロリズムに導いた。より穏健な改革を求めた人々は、ロックの名誉革命を範にブルジョワ...続きを読む
  • 資本主義に出口はあるか
    これはいい。こういう試みこそもっと活性化させるべきなんだろう。ロックとルソーが描いた自由と平等をベースに、これからの社会のあり方を人文科学の観点から探ろうとする。もちろんここで提言されていることが正解というわけではない。だけど今とは違う社会システムを模索する議論がもっと沸き起こっていいはずなんだ。今...続きを読む
  • ラカンの哲学 哲学の実践としての精神分析
    ラカンのテクストを年代順にとりあげ、その哲学的な意義を解明する試みです。精神分析の実践の場面からラカンのテクストを読み解くのではなく、あくまでテクストに内在的な解釈をおこなっているところに、本書のもっとも大きな特徴があります。

    ラッセルのパラドクスやうそつきのパラドクスに対するラカンの考えを整理し...続きを読む
  • 資本主義に出口はあるか
    以前より英米系の自由と仏独系の自由ってだいぶちがうよなあ~って思っていた所へ、ロック/ルソーの違いから説き起こしてる本書に出会ってので読んでみることにした~
  • 使える哲学 私たちを駆り立てる五つの欲望はどこから来たのか
    難しいけど実社会のつながりと合わせて論が進んでいったので、哲学の現代の見方みたいなものが自分の中で一歩進んだ気がする。小さな一歩だけど。
  • 資本主義に出口はあるか
    特別あたらしい知見や、著者なりの鋭い洞察があるわけではなく、常識的な教養を要領よく整理してみせた教科書みたいなものかな。