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ネオ・リベラリズムがもたらす現代の苦悩……本当に「この社会しかありえない」のだろうか?「右/左」に替え、「ロック/ルソー」の対立で歴史を読み解けば、この社会の構造がよくわかる。気鋭の「哲学者」が大胆に描く、歴史の隠された法則と「新しい社会」への道標。 * * *[目次]序 この社会って、こういうもの?――ゼロから社会を見直すこと第一章 この社会はどんな社会なのか――「右/左」の対立の本質第二章 いまはどんな時代なのか――「ロック/ルソー」で辿る近現代史第三章 いま社会で何が起きているのか――ネオ・リベラリズムの「必然性」第四章 資本主義の「マトリックス」を超えて
...続きを読むPosted by ブクログ 2020年05月11日
右/左という対立軸をロック/ルソーという思想的対立に読み替えながら、現代に至るまでの資本主義を概観する快作。軸を読み替えただけで、ここまで鮮やかにわかりやすくなるのかと、感銘を受けた。
最終章に関しては、そういうオチにならざるを得ないのだろうと思いつつ、やはり現実的な話にはなりえないなとも思ってしま...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年01月13日
題名だけをみると、リーマンショック後に多く出版された資本主義批判本が連想され、ある点では実際にその通りではある。しかし、本書は他書のように富の偏在に直接焦点を当てるのではなく、現在の特に旧西側自由主義国家に見られる混乱の原因がその思想的根幹をなす「自由」と「平等」が全く異なる仕方で人々に諒解されてい...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年10月20日
インパク知9・9
かかった時間120〜150分
めっっっっちゃおもしろい!!!
個人的にはサピエンス全史と同じ種類のおもしろさ。帯に書いてあるのだが「ロックとルソー」で近代以降の社会を説明しきっている。
ロックが、あくまで労働者としての個人の意思決定に委ねた自由な経済活動を肯定する立場なのに対...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年10月28日
荒谷大輔(1974年~)氏は、東大文学部卒、東大大学院倫理学科博士課程単位取得退学の哲学者。江戸川大学基礎・教養教育センター長兼社会学部人間心理学科教授。
本書は、前半で、18~21世紀の様々な社会思想の展開を、ジョン・ロック(1632~1704年)とジャン=ジャック・ルソー(1712~1778年)...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年02月07日
ロックとルソーは、それぞれに王政に代わる近代的な社会システムを構想したが、この二人の社会契約論の著者の対立は、右/左が問題になる最初の場面での軸となった。ロベスピエールは、ルソーのように生きることを誓ってフランス革命をテロリズムに導いた。より穏健な改革を求めた人々は、ロックの名誉革命を範にブルジョワ...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年01月13日
これはいい。こういう試みこそもっと活性化させるべきなんだろう。ロックとルソーが描いた自由と平等をベースに、これからの社会のあり方を人文科学の観点から探ろうとする。もちろんここで提言されていることが正解というわけではない。だけど今とは違う社会システムを模索する議論がもっと沸き起こっていいはずなんだ。今...続きを読む
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