主人公のケイゾウさんは幼稚園で飼われている鶏です。
話はケイゾウさんの目線で描かれています。
「ケイゾウさんは四月がきらいです。」という章からはじまり、3月までの幼稚園の子どもたちとのやり取りが面白く描かれています。
ケイゾウさんの口調はちょっとおじさん。そこに4月、ウサギのミミが仲間入りします。同
...続きを読むじ小屋に暮らす事になりますがあまり仲良くありません。
「ケイゾウさんは遠足がきらいです。」「ケイゾウさんはサーフィンがきらいです。」「ケイゾウさんは飛ぶのがきらいです。」「ケイゾウさんは工事がきらいです。」「ケイゾウさんは朝ねぼうがきらいです。」「ケイゾウさんはかけっこがきらいです。」「ケイゾウさんはどんぐりがきらいです。」「ケイゾウさんは寒いのがきらいです。」「ケイゾウさんは三月がきらいです。」
と章のタイトルはみんな「ケイゾウさんは~きらいです。」なのです。
ケイゾウさんとミミは言葉が通じますが、人間とは通じません。子どもたちが良かれと思いケイゾウさんを飛ばそうと木の上から落とそうとしたとき「(コケコッコー)やだ~」と言ったからと、やめてはくれません。
子どもと一緒に遠足に連れていかれて、子どもが道路に飛び出しそうになったのを止めるためにつつくと、ケイゾウさんが反対に怒られてしまいます。
こんな感じで、子どもたちとのわかりあえない(?)、ふれあいが描かれています。
ケイゾウさんは「~きらいです。」と言っていますが、きっと幼稚園の子どもたちが心配だし好きなのだと思います。3月になると卒園していく子どもたちを見送るのはさびしのでしょうね。
とても面白かったです。
自分が子どものころを思い出しました。わたしも飼っていたウサギと遊びたくて、公園に連れて行き滑り台を滑らせたことがあります。今思うと、なんと残酷な事をしたのだろうと思いますが、当時は真剣に遊んでいるつもりだったのです。
このお話の中に出てくる、子どもたちも一緒です。でも、実は鶏やウサギはこう思っているのかな、と思ってしまう位でした。
幼稚園の子ども達の行動も「そう、そう」と思える感じで面白かったです。