ブルガーコフのレビュー一覧
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第一章の「見知らぬ人と口を聞くべからず」という題は個人的に好きで、本書が良い本である気配がして安心して読み進められた。
ビブリカルな話を持ってきたりするのは典型的だが、ピラトをトピックに選ぶのは珍しく、興味深い。本書は第一部(上巻)だが、第二部(下巻)に向けての結びの言葉、トランジションも素晴らし...続きを読むPosted by ブクログ -
某氏がTwetterで絶賛していたので,読んでみた.
奇想天外なお話だが,あとがきを読んで,なーるほど,と納得.これは執筆当時のソ連の芸術弾圧,検閲を揶揄しているのね.Posted by ブクログ -
こんなときだから読むというのもどうかと思うけど、ちょうど積んでいたので。とはいえ内容としてはウクライナというよりロシア文学なはず。
さて、内容だけど、傑作。悪魔が主要登場人物であるだけにキリスト教への理解があった方がより深い読みができるとは思うけど、奇想天外な登場人物や出来事が次々と起こるのを追って...続きを読むPosted by ブクログ -
悪があるから善があるように、悪魔たるヴォランドが悪魔であるためには神と宗教が必要である。イエスを処刑したことを悔やむピラトゥスが救済されるように画策し、他方でヴォランドとその仲間たちは無茶苦茶に暴れ回る。ある意味とても悪魔らしい。
小説の続きを書くことでピラトゥスを救済したように小説に内在する...続きを読むPosted by ブクログ -
ブルガーコフの作品が好きで手に取りましたが、とても面白い!
悪魔たちがモスクワを支配し、人々が次々と精神科へ送られる。
巨匠が誰なのかとずっと気になってましたが、ヨシュア(イエス)と、悪魔たちの関係もとても気になります。Posted by ブクログ -
まず、あらすじが素晴らしいです。
「首は転がり、黒猫はしゃべり、ルーブル札が雨と降る……私につづけ、読者よ」
まさに、息つく暇もなく行きついた先に待ち受けるのは、理解を越えた奇想天外な物語たち。
読者の頭が変になったのか、書いてる作者が変なのかのどちらかです。
本を閉じて現実にもどったとき、ちょっと...続きを読むPosted by ブクログ -
巨匠の書いた作品であるため、2,000年以上前のピラトゥスとヨシュア(イエスがモチーフ)の話も頻繁に挿入されるため、しっかりと時系列、人間関係、幻想なのか現実なのかを押さえながら読み進める必要がある。
訳者の水野氏の力なのか、はたまたオリジナルのブルガーコフの言葉選びがうますぎるのかはわからないの...続きを読むPosted by ブクログ -
トランプが舞い、血しぶきが飛び、恋する乙女は夜空を翔ける。
嗚呼、悪魔が主催する真夜中のサーカス!!
って感じ。イマジネーションここに極まれり。
というわけでみんなで言おう!
「私に続け、読者よ」Posted by ブクログ -
既読本の印象→醜いアヒルの子の子供時代。暗い鬱々。
ある日突然白鳥に変身したかのように陽気で明るいトーンにまごつく。しかし持ち味の1つと思っている混沌さは濃縮増量中。時にグロテスク、不条理、煙に巻く、といったバタバタ感が、やっぱり自分にはディヴィット・リンチの映像作品に似てると思うんだよー。13章で...続きを読むPosted by ブクログ