鵜飼哲夫のレビュー一覧

  • なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた
    養老先生の本は今まで色々読んできたが、いつ読んでも心に響く。「脳化」した世界で、自然じゃないことにも気づかず、色々な物事をきちんと処理しようとアクセクしてしまう自分には、時々養老孟司の本が必要かも。養老先生の自伝の部分も、Q &Aの部分も、とても興味深く、共鳴するところがある。
    養老ファンにも、養老...続きを読む
  • なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた
    有名な解剖学者で虫好きな養老先生。よくものを考える人なんだなと思った。人が作った人工物ばかりに囲まれていないで、もっと自然と触れ合うといいというメッセージが強烈だった。読書好きが高じて、私もこの頃少しはものをよく考えられるようになったので、ちょっと嬉しい。
  • なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた
    『今思うと、臨床には本気になれなかったんでしょうね。昆虫採集で野山を歩き回っていた子どもの頃から、自然はなるようになるもので、人間ができるのは手入れだと思ってきた。患者の身体も自然だからそれと同じ。医者は病気を治すと思っているけれど、患者は治るときにはひとりでに治る』―『Ⅲ 解剖学者の奮闘』

    養老...続きを読む
  • なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた
    養老先生の自伝本、これまでの先生の生い立ちがコンパクトに描かれていました。まるへの思いは切なかった。養老先生いつまでもお元気で、バカの壁を超えられない我々に教えをお願いします
  • なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた
    昨日たまたま読んだPresidentで、ホリエモンが「1番運がいいと思うのは養老先生」のような事を言っていたことを思い出し、手に取った。
    なるようになる、この考え方が本当に素敵だし、大事なものだと感じた。
    特に印象に残ってるのは、最後のQAコーナー。
    個性がなく、自分のことをone of themだ...続きを読む
  • なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた
    当たり前のことを当たり前のように話してくれる人が少なくなったと思う。自分が年齢を重ねて分かってきた事だけど。若い人たちに読んでもらいたい。そして自由に生きてほしい。
  • 芥川賞の謎を解く 全選評完全読破
    芥川賞というあまりにも有名なために、本当はそれが何なのか知らなかったことが分かりました。どのように創設されたのか、その歴史がどのようなものだったのか。それに関わった人たちの姿を、主として選評を読むことで知ろうという試みが大成功だったと思います。退屈さなど一切なく、面白く読ませていただきました。著名な...続きを読む
  • 芥川賞の謎を解く 全選評完全読破
    非常に読みやすく、面白過ぎた。
    そもそも選評自体面白いってのもあるけど、芥川賞というものが選考委員の文学感の対立のある中で新しい文学を探ってきたことがよくわかった。
  • なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた
    直あそこまでやったなと思う人は、アフガニスタンに貢献した中村哲さん、中村さんこそ国葬にしてよかった人だと思う。
    死について、自分にとって自分の死はないと同じ、自分で実証的に確認できないから。考えたって意味は無い。
    孫悟空とお釈迦様の手のひらの関係みたいだある。
  • なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた
    若い頃は「なせばなる!」って思っていたけど、今は「なるようになる!」そう思うとほとんどのことが解決するような気がする。
  • なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた
    本書は養老先生の初の自伝である。唐突だがこの本を読んで、木田元先生の『哲学は人生の役に立つのか』(PHP新書)という本を思い出した。題名だけを見ると哲学の有用性を説いた本のように思ってしまうが、内容は木田さんの自伝である。つまり、哲学が自分にどのように影響したかという視点から、ご自身の半生を語ってい...続きを読む
  • 芥川賞候補傑作選 平成編(1)
    稲葉真弓の琥珀の町は視覚表現に長けている
    村上政彦の量子のベルカントは音を主題にしたきれいな構造物
    車谷の漂流物はとわずがたりへの導入が意図せざるかの設計を感じさせた

    この時代の表現は五感を潤す技術の切磋琢磨につきるのではとかんじる
  • 芥川賞の謎を解く 全選評完全読破

    タイトルはちょっと違うかな

    正直、芥川賞は受賞作よりも選評の方が面白い。
    川端康成・宇野浩二が鋭い評価をし、「乙女の密告」が受賞したときは、池澤夏樹・小川洋子の選評が良かった。受賞作・候補作に限らず、最近の小説のつまらなさはどうだ。五年も経てば忘れられるものが殆どではないか。
  • 芥川賞の謎を解く 全選評完全読破
    文学賞界隈の論考は、それだけである程度、自分的には楽しめることが約束されている分野。これも例外ではなかった。川端とか三島とか、自殺直前に参加した選考委員会の様子なんて、かなり興味深かったし。トヨザキ社長の調子に慣れた身にとって、本作者の芥川賞に対する絶対的信頼は新鮮に感じられて、石原に対する好意的解...続きを読む
  • 芥川賞の謎を解く 全選評完全読破
    後藤明生「千円札小説論:あらゆる作家は小説を読み、小説を書く、どちらを欠いても文学は成り立たない」
    文芸春秋創刊者、菊池寛の発案。昭和10年芥川賞、石川達三の蒼ぼう。直木賞、川口松太郎。太宰と川端康成の確執。芥川賞事件。第一回から運の良し悪しで受賞が決まった。「ナンセンスの情熱みたいなものに取りつか...続きを読む
  • 芥川賞の謎を解く 全選評完全読破
    日本文学の主流についておおよその印象を持つことが出来る。芥川賞がどのような歩みを経てきたかについて物心ついて以降の印象しかない。昔といえば、村上、石原の作品のセンセーショナルさくらいで、なんにんかの文豪が獲り損ねてるとか。そういう程度で。そういったことも踏まえつつ、評価軸の変化や文学観の変化、選考の...続きを読む
  • 芥川賞の謎を解く 全選評完全読破
    芥川賞の謎を解くと言うよりも、芥川賞の裏側と言ったほうが良いかな。
    なぜ私の世代では現代の受賞作があまり評価出来ない理由がわかったような気がする。時代に合った作品に我々の世代は追い付けないと言うことか。
    私が芥川賞の中で好きな作品は、『僕ってなに』だったな。学生運動の終焉の中でほろ苦さを感じさせるも...続きを読む
  • 芥川賞の謎を解く 全選評完全読破
    芥川賞は人を狂わせる。
    その最たる例が、太宰治でしょう。
    選考委員の佐藤春夫に芥川賞を懇願する書簡を送ったのは有名な話。
    文面は、まさに恥も外聞もないといった体です。
    さらには自分を落とした選考委員を逆恨みし、「刺す!」とまで言い放ったのですから、その才能とは異なる意味で「太宰、恐るべし!」です。
    ...続きを読む
  • 芥川賞の謎を解く 全選評完全読破
    芥川賞の選考とその歴史、受賞した作家それぞれのエピソード自体が作品ともいえる、話のタネ満載の本。
    選評から、受賞作はもちろん、受賞を逃した曰く因縁付きの作品も読みたくさせる。
    こうも面白そうな作品があると教えられると、生きているうちに読破するのはとても難しそうだ。
  • 芥川賞の謎を解く 全選評完全読破
    個々の(今では小説マニア以外は覚えていないくらいの)マイナー作家についての妙なエピソードの紹介が、ガラクタのように詰め込まれている感じもあり、新聞記者風の大げさでチラチラ切り替わる文体はうっとうしい。
    けれども、菊池寛の企画としての芥川賞は、日本独自の文学の系譜を作るという意味では優れたものであった...続きを読む