メルヴィルのレビュー一覧

  • 白鯨 下
    傑作、というよりは力作、大作の部類。
    直すべき点がどこにもない完璧な作品ではなく、そんな点は数え切れないほどあるがそんなことはどうでもよくなる作品。
  • 白鯨 中
    鯨を仕留め、解体しながら鯨の体の解剖学的知識や鯨の生態まで鯨学が述べられる。
    鯨には顔がないためまるで無貌の神のようだ。西洋人は鯨油と鯨骨だけ取り肉は鮫にくれてやっていたらしい。もったいない話だ。
  • 白鯨 上
    何度読んでもよくわかりませんが、なにかは学べます。

    古い本なので読みにくいことこの上なしですが、ぜひご一読をお勧めします。

    ちなみにスターバックスコーヒーの名前はこの小説の登場人物から取られてます。(脇役ですけど)
  • 白鯨 上
    パトスとロゴスごたまぜで、たっぷり大盛りいっちょうあがり! キャラ立ちすごい。流れだけでなくうんちくも面白い。
  • 白鯨 中
    読んでいる時の面白さは勿論として、読むことで知ったこと(知識)や感じたこと(感情)を記録し、纏めて整理するために考える(思考)、その過程や結果の記録として、記憶に残すためにこの文章(書評)を書いている。そしてこれを書くことの意味を強く感じる。
    この小説は鯨や鯨漁ついてあらゆる角度から分析されていてそ...続きを読む
  • 白鯨 (下)
    冗長さが全体のクオリティを下げているような気がするが,書記を疑わせるような記述は現代にも繋がっていると思う。
  • 白鯨 (上)
    冗長さが全体のクオリティを下げているような気がするが,書記を疑わせるような記述は現代にも繋がっていると思う。
  • 白鯨 (下)
    大好きな歴史漫画『風雲児たち』にて、漂流していたジョン万次郎一行を救出した捕鯨船のことをふと思い出した。作者のみなもと太郎氏曰く、欧米のクジラ漁は燃料に使われる鯨油(げいゆ)確保のためだけで、日本のような肉目的ではなかったという。
    今ではその史実を棚上げ、わが国の捕鯨を批判する傍らで本書を米文学の名...続きを読む
  • 白鯨 中
    捕鯨にさほど興味がない人には結構しんどい中巻。腹一杯のところに容赦なく詰め込まれる鯨知識の数々。読み進めるコツは多少わからなくても我慢して進めること、巻頭の船の解説図をよく見返すこと、そして何より蘊蓄の内容よりもメルヴィルの語り口に着目すること。そうすれば知らぬ間に沼(舞台は海だけど)にはまり込んで...続きを読む
  • 書記バートルビー/漂流船
    バートルビーは、主人公の心の広さや葛藤が細やかに描かれており、感情移入ができます。結果のところバートルビーがなぜ頑なのかはわからないままではあるが、読み手の感情を揺さぶる人物であることは間違いなく、作者の意図にまんまとかかってしまいます。
    漂流船は、なんだか方向感がない展開でめんどくさくなって読み飛...続きを読む
  • 白鯨 (上)
    昔から有名な文学作品の1冊ですがどちらかと言うと翻訳が分かりづらく意味不明な部分も結構あるが船乗りの勇猛果敢な物語と言う感じです。またキリスト教的な考え方と物語のストーリーが交差していて、味わい深く一度は文学作品として読んでみると良いでしょう。
  • 白鯨 下
    鯨のことを知ることはできた。
    その他には人種や宗教に関する尊重というのか受け入れというのか。
    しかし全体としてこの小説と言えばいいのか語りと言うのかをどう捉えたらいいものか分かりかねている。
  • 白鯨 上
    序盤以外は語り手が定まらず、視点がふわふわと漂って海の上に浮かんでいるように感じる。その頃には物語も海の上で、うまい具合に誘導されていると感じた。聖書や歴史からの引用や比喩がふんだんで、わかりにくいことも多いが、それがかえって丁寧に読ませる。もっと冒険物語かと思ったが、人間の内面を掘り下げたり哲学的...続きを読む
  • 白鯨 下
    ようやく読み終わりました。いやー、長かった…
    …というか、これ、名作なんですかね??正直よく分かりません。もちろん、背景には宗教的な含意があったり、また、白鯨はまさに「白人」の集合的象徴であり、船の乗組員たちは「アメリカ合衆国」の縮図的象徴である等、色々な解釈があり得、深読みができるようですが、体裁...続きを読む
  • 白鯨 上
    上巻のみの感想を記すとすると,これはかなり難易度の高い小説。

    比喩表現がふんだんに盛り込まれており,その情景を詳細に現しているが,想像が追いつくかは読者に依る。

    まだ出航して間もない段階なので,これからの展開に期待したい。

    抹香鯨←マッコウクジラってこう書くんやね。漢字の勉強にもなりました。笑
  • 白鯨 下
    クジラが好きになるような方向性はないとは思うけど、クジラの柄のついた手ぬぐいとか見たら、買おうかしらと思ってしまう。

    クジラ、船、捕鯨の知識、幾人かの登場人物についてピックアップしたエピソード。
    話があっちこっち飛んで、「このトークいる〜?」っていうのも多かったけど、全体的には楽しめた。

    エイハ...続きを読む
  • ビリー・バッド
    國分功一郎の『中動態の世界』において、中動態の概念の事例として用いられていたことから興味を覚えた。中動態~の中であらすじは語られてしまっていたので、淡々と読み進めた感じだったが、國分の主張と含めて、人間の意志と決断、そして責任についてあたらためて考えるようになった。なにげにメルヴィルは初めてだったの...続きを読む
  • 白鯨 (下)
    非常に読みづらかった。ほとんどが本筋と直接関係がない鯨や捕鯨についての薀蓄となっており肝心の白鯨との対決は最後のわずか三章のみ。
    どこかでこの作品が世界文学の名作の1つに挙げられている理由が、文字通り世界規模のスケールで物語が展開しているからだという評を見たことがあるが、たしかに多数の人種と国、地域...続きを読む
  • 白鯨 (下)
    銛手のカッコ良さが際立つ。
    危険を背に生きる姿は現代で言うところの
    戦闘機乗りのようだ。
    また、異戦士としての魅力もある。
    侍、忍者、インディアン。
    独自の世界観、倫理感。良いです。
    本として内容の伝わりづらさがあるので
    挿絵が少しでもあると良いのだが。
    マッコウ鯨、セミクジラの姿かたちを
    文章で読...続きを読む
  • 白鯨 下
    白鯨が姿を現し、エイハブ船長以下乗組員と壮絶な格闘シーンがこれでもかと言うほど続くものと期待していた私にとっては正直物足りないクライマックスでした。前置きが長すぎて、肩透かしにあった感じ。巻末の解説の物語学的構造にはびっくり。テキストとしてそれ程の魅力を内包しているのだろうか、私にはこのような読解は...続きを読む