深水黎一郎のレビュー一覧
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問題作ですなぁ。
メフィスト賞系が好みな私としては、まあ「あり」な作品。(けっこうぎりぎりだけども。)
本格ミステリ好きには、噴飯ものでしょうね。
トリックばかりに注目してみてしまうけど、香坂の私小説(作品内小説)も結構心に残って好きです。
究極のトリックか。。。
WEBで似たようなことでき...続きを読むPosted by ブクログ -
力技すぎる物理トリックはどうかと思いますが、とにかくテキストが(いろんな意味で)実験的なのが面白い。聖堂のもたらす酩酊感を表現しようとしていたとは恐れ入ります。Posted by ブクログ
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物語に美術史論が差し込まれて交錯する。
美術史論部分と物語の雰囲気のギャップ
に感じた違和感は、最後まで拭えず…。
ですが、中盤以降は面白く読めました。
世界を股にかけるフリーター素人探偵が
活躍する別の話の方に興味が湧きました。Posted by ブクログ -
最近の好きな作家の一人が深水黎一郎。で、期待して読んでみた。
なかなか実験的な推理小説。物語の中に別の物語があるという「作中作」の手法を使い、その「作中作」ではカタカナを一切使わないという実験的な試みも行っている。作者は他の著書のあとがきで述べているが、このカタカカナを使わない手法と言うのは、推理小...続きを読むPosted by ブクログ -
読者が犯人に挑戦したミステリー。面白いが、犯人が読者が成立しているかは読み手次第だろうと思います。
理由は死因。作者の設定する前提条件に納得できるか。『読者』に適合しない可能性が有り得る(例えば、通常の慣習に従わないで後ろから本を読む人)などなど。
私は著さの前提条件に合致しなかったので自動的に...続きを読むPosted by ブクログ -
読者への挑戦状も付いてて、久しぶりに血がたぎったんですが、うーん…これはちょっとアンフェアくさいぞ(笑)。
肝心のミステリーも「芸術蘊蓄」に比べると、地味さが際立って消化不良。脇役な筈の警部の灰汁が強すぎて、キャラは弱くない筈の主人公が霞んでしまったのも残念。
メフィスト作家の描く主人公って、どこ...続きを読むPosted by ブクログ -
"読者が犯人"このトリックの真相とは。
語り口が軽妙でぐいぐい読まされる。大真面目なようで人を食った展開。
面白かったです。わざとミステリ部分とトーンを変えた「覚書」のところ、不器用な少年のエピソードにしんみりした。
以下ネタバレあり。
「覚書」に出てくる少年の症状は、発達障害の一部として...続きを読むPosted by ブクログ -
メフィスト賞受賞作家のシリーズ作、芸術探偵シリーズの
第一弾作品。1920年代、フランスのパリで悲劇的な生涯を
送った画家達...エコール・ド・パリを主軸にしながら、その
画家達の生き様と作品を、単純に知的好奇心を満足させる
作品としての側面と、その作中作とも言える、「呪われた
芸儒家たち」の章を伏...続きを読むPosted by ブクログ -
ミステリとして読み進めた自分としては、
そりゃないよ!
です。
でも、伏線はきちんとはってあって、論理は破たんしていない。
だけどちょっと、ぎりぎりです。。Posted by ブクログ -
◆五声のリチェルカーレ・・・家裁調査官の森本は困り果てていた。目の前にいる14歳の少年はクラスメイトを2人刺したが、その動機を決して語らないばかりか、「生きていたから殺した」などという、無差別殺人ともとれるような発言すらする。昆虫好きでおとなしいと評判だった少年の心の中は一体どうなっているのか。
◆...続きを読むPosted by ブクログ -
少年犯罪(或いは子ども社会)をテーマに昆虫の擬態や生物の進化、そしてバッハと絡めて描かれる本作。…いやしかし完全に嵌められた。やられた。再読せねば。油断を誘う見事な構成力に完敗。
短編「シンリガクの実験」は、遠い記憶をくすぐられつつ素直に楽しめた。デザートとして申し分ない。Posted by ブクログ -
犯人はあなただ!
なーんて言われちゃったら、ミステリマニアは読むしかないでしょう。
ミステリー作家のもとに届けられた一通の手紙。
そこには前代未聞のトリックを一億で売買しましょうという内容の提示が。
悩みつつも興味をもつミステリー作家。
その後も謎の人物からの手紙は届いてきて・・・とい...続きを読むPosted by ブクログ -
キワモノ系です。でも思ったほど文章は
悪くないので、キワモノ系でなくても
十分通用するはず。
トリックはいわゆる反則系です。
と言うかこのレーベル反則系のトリック
多くないですか?
まあ某賞とつながっているからなぁ…
悪いのはトリックのみで
道中とかには悪い描写は
見られません。
それさえなけれ...続きを読むPosted by ブクログ -
「ウルチモ・トルッコ~」を当時読んで以来だなー。
思ったほどトリッキーな作品じゃなくて意外と拍子抜け。
被害者も動機も明かさないまま、容疑者である少年と
家裁調査官とのやりとり、そして少年の辛い日々の
回想...という2つの場面が交互で展開され、
ラストには予想しなかった結末が...。という
全体像...続きを読むPosted by ブクログ -
とある作家の元に届いた一通の手紙。差出人の名は香坂誠一、記憶にない人物で住所は記されていない。これまでのミステリで提示された数々の「意外な犯人」…語り手が犯人、探偵が犯人、動物が犯人、自然現象が犯人…。そして過去の作品が未だ実現していない最後の不可能トリック、究極の「意外な犯人」…それは「読者が犯人...続きを読むPosted by ブクログ
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「ウルチモ トルッコ 犯人はあなただ!」の作者だと知ってたら借りなかったかも。表題長編に短編を併録。表題作については最後まで明らかにされない動機がカギになるんですけど、それについてはちょっと弱かったか。ただ「ウルチモ…」みたいなでたらめさはなかったので○。短編「シンリガクの実験」は◎。こういう結末は...続きを読むPosted by ブクログ
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ミステリと芸術論の融合はさらに磨きがかかっている。
芸術的なものの観光地化や、伝統的なもの、伝統的な芸術と現代芸術との対立、そしてそれを語る一人の老学者と主人公の語り合いが非常に魅力的であり、どちらの意見にもうなずけるものがある。
そして、それを描くために事件が用意されたように思える。
(これに関し...続きを読むPosted by ブクログ -
第36回メフィスト賞受賞作。
読者が犯人という最後の不可能トリックに挑戦した作品。
伏線の張り方や物語の進め方はやや拙く、トリック自体も成功したかどうかは、賛否が分かれるところだろうが、なるほどといえるものであり、挑戦した事自体が素晴らしい。Posted by ブクログ