屋代通子のレビュー一覧

  • 数の発明――私たちは数をつくり、数につくられた
    数を持たない文化もある、そもそも人間は数をどう認識しているのか、なぜそれが必要だったか、どう生まれたのかを言語人類学、認知心理学、考古学、大脳生理学、動物行動学といった分野の知見を横断して書かれた、知的好奇心に溢れた本。
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観

    ピダハンの人々のエピソードが魅

    人生をかけてピダハンの文化と言語の研究に取り組む言語学者の著作。読んでいるとジャングルの光景が目の前に広がる。言語が文化といかに密接に関係しているかが分かる。終章は特に示唆に富む。筆者の主張の根拠として各所に紹介されるピダハンの人々のエピソードも魅力的。信仰がなくなってしまったことも著者が非常にピダ...続きを読む
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    ・ピダハン→ブラジルの先住民
    ・ピダハン語以外を使う気がない。
    ・赤ちゃん言葉がない→大人も子供も対等、メンバーとして責任を負う。
    ・抑うつ、疲労、不安、パニック障害等がない→心配という言葉がない。
    ・苦しみ、死が当たり前→悲しんでも誰も狩りを代わってくれない。
    ・未来より今を楽しむ→食料や道具の保...続きを読む
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    同じ言語でもその人の見てきたものや置かれている環境によって、言葉に内包された意味やイメージは変わってくる。今まで経験した会話の中にも危ういものがないか反芻する機会を得た。定説を再考察する言語学として、また作者の冒険記として(どんでん返しあり)の読み応えもあった。

    ※追記
    筆者がピダハンと共に過ごし...続きを読む
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    左右の概念、数字の概念がない民族に興味を持ち読んでいたが、想像以上に興味深かった。ピダハンが重んじるのは現在の直接体験のみであり、見えないものやわからないものについてあれこれと心配をしない。その結果なのか鬱や自殺といった精神的な疾患が見られない、というのは興味深い。
    過去や未来に捉われず、今見えてい...続きを読む
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    傑作だが何度も挫折した。冒険譚を期待していたので言語学の部分がミスマッチになっていたと思われる。とはいえ言語学の部分もめちゃくちゃ面白く、なぜ挫折するのか自分でも疑問だった。モチベーションの立て方を間違えなければすんなり読めただろうに。
  • 数の発明――私たちは数をつくり、数につくられた
    人類はいつごろから「数」を数え、「数字」を使い始めたのか。数を数え、操ることは私たちにとって当たり前のことで、それなしに日時用生活は送れない。いったい、なぜ?いつから?この本は「数と人類」の驚くべき出会いと、付き合いの長さ、奥深さを教えてくれる。
    読み易くとてもくだけた日本語訳で、この未知の領域の問...続きを読む
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    30年以上にわたってピダハンの村に出入りした経験にもとづいている。ライフワークを一冊の本に凝縮しているわけで読み応えあり。単純にちょっとした冒険譚・異文化見聞録としてすでに面白い。それに、われわれとかなり隔たった文化・価値観を持ったピダハンの人々についての深い観察が加わる。

    もともと言語学者として...続きを読む
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    まず、この本が生まれたことに感謝。
    日本語で読めることもありがたすぎる。
    自分がいかに小さな世界で枠にとらわれて生きているか気付かされる。
    より良く生きるとは、幸せとは…
    素晴らしい体験だった。
  • 数の発明――私たちは数をつくり、数につくられた
    タイトル通り、数を表現する言葉の成り立ちと、その人間の思考への影響を大いに語ってくれる一冊。動物が生得的に把握できる「きっちり数」は2(と、1+2=3)までで、「ざっくり数」となる4以上の数は言葉なしに判別できないとか、だから「双」「両」など2までを表す語はあっても3以上はほぼないとか4を「2+2」...続きを読む
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    ゆる言語学ラジオの紹介から

    未知の言語の理解のプロセス、その中で体得したピダハン文化への理解、他の言語論との衝突、衝撃の終章
    まさに目から鱗の連続だった。
    文明文化への適応が人の悩みの源泉ではという著者の指摘はすごく納得するけれど、おいそれとその枠から出る勇気のない自分にとっての解はどこにあるのか...続きを読む
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    民族と言語とは切っても切れない関係がある。そして、その言語はその民族の文化と密接な関係がある。わかりきったことのようだが、筆者はそれを現地でピダハンたちと生活を共にする中で、一つ一つのピダハン語を採集する帰納的な方法論で、人類の言語本能論唱えるチョムスキーの演繹的理論に異を唱える。豊富な現地での体験...続きを読む
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    現代社会とはまた違う興味深い価値観や文化が描かれているのだけれど、筆者の書き方が非常にユーモラスで読みやすい。
    好きな時に好きな分寝て、好きな時に食べ、好きな時に働くのいいな。
    夢と現実に体験したことは同列というのもおもしろい。寝るのがより楽しくなりそう。
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    ゆる言語学ラジオで紹介されていたのをきっかけに手に取った。
    誰にでも読みやすいタイプの本ではないと思うが、独自色の強いピダハンの世界に触れることは、新しい視点に気付かされることに繋がると思う。
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    過去や将来を考えない。その日一日を生き延びていく生活。独立した一人でありながら、集団の中の仲間意識は強い。
    美しくて、優しい自然と人に囲まれているから充足していて、神話も民話も必要がない。
    だから、不安や心配はない。
    必要のないものを無理に取り入れない。発展せず、程よいところで維持するということこそ...続きを読む
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    ○ピダハンには左右を表す単語がない。位置は上流下流で表す。
    ○裏表紙のコメント読めば中身読まなくてもいいような気がする。
  • 数の発明――私たちは数をつくり、数につくられた
    名著「ピダハン」の著者の子息が書いた本ということで手に取った.

    普段我々は数の概念をなんなく使いこなしており,この能力は人間のような知的に高度な進化を遂げた生物には生来備わっているものではないかと思っていたが,実はそれは違うということ.
    つまり,数とは車輪や白熱電球のように人間によって発明された数...続きを読む
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    ゆる言語学ラジオで紹介された回がすごく面白かったので、本も読んでみた。
    前半は、ピダハンの言葉や文化、筆者がピダハンの村に住んでいた時のエピソードが紹介されている。
    後半は、ピダハン語から考える言語学について説明されている。
    前半は面白かったが、後半はある程度の言語学の知識が求められ、私にとっては少...続きを読む
  • 数の発明――私たちは数をつくり、数につくられた
    人類がどのようにして数という概念を生み出し、使いこなすようなったのかを、言語人類学、考古学、大脳生理学といった幅広い観点からの分析により解き明かした一冊。

    著者は、人間が生来、概ね1〜3程度の少ない数を正確に認識する「きっちり感覚」と、”17個の木の実は8個よりも多く見える”といった量の規模感を把...続きを読む
  • 数の発明――私たちは数をつくり、数につくられた
    私たちの生活において、「数」は非常に重要だ。
    今日は何日? あなたはいくつ? この品物はいくら? これは何グラム?
    多くのものが「数」によって描写され、規定される。数がない暮らしはちょっと想像しにくいほどだ。
    だが、世界には、実際に「数」を理解しない文化がある。身長はどのくらい? お給料はいくら? ...続きを読む