小野木明恵のレビュー一覧

  • コード・ガールズ――日独の暗号を解き明かした女性たち
    【ドット・ブレーデンはこれから船を沈めるのだ】(文中より引用)

    第二次世界大戦中に枢軸国側の暗号を解き明かすべく、密かに集められた女性たちの物語。これまで軍務に携わったことがなかった女性たちは、どのようにして世界最強と謳われる暗号の数々を打ち破るようになったのか・・・。著者は、「ワシントン・ポスト...続きを読む
  • コード・ガールズ――日独の暗号を解き明かした女性たち
    かなり長い本であり、話の山谷もあまりなく、そういった意味では少し読みにくい本だった。
    が、第二次世界大戦について、新たな視点から考え直す機会を得た。
    とは言うものの、日本人として、女性として、複雑な読後感ではあるなぁ…
  • コード・ガールズ――日独の暗号を解き明かした女性たち
    知られざる女性暗号解読者たちを描いたノンフィクション。男女差別がある中で、能力によって道を切り拓いた女性たちの物語として、面白く読めた。日本の艦船がコード・ガールズの活躍によって間接的に沈められたのは事実だが、あくまで戦争中の出来事であり、恨むような気持ちは湧いてこなかった。
    暗号そのものについて考...続きを読む
  • 人はなぜ憎しみあうのか  「群れ」の生物学 下
    国家という形の社会は永続的なものだ、と錯覚してしまうのは、私が日本という国にアイデンティティがあるからなのかもしれない。本書を読んでいてそのように思い至った。
    世界に目を向ければ、「国」というものは決して安定していないということがわかる。国を連帯させたもの、たとえばEUなどはなおさらだ。
    長い目で見...続きを読む
  • 人はなぜ憎しみあうのか  「群れ」の生物学 上
    人間だからこその産物、と思いこんでいた「社会」というものは、実は他にも形成している生物がいるというだけでもまず驚きだった。そして、社会という観点では人間よりも進んでいる種がある、ということも。
    上巻の終盤はいささか気が滅入る内容だが、それにしてもエキサイティングな本だ。
    人間の外側から人間を知る、と...続きを読む
  • ペルシア王は「天ぷら」がお好き?
    食べものの語源を調べるだけなら、まあ、割りとよくあることなのではないかと思うけど、この本はスケールが違う。
    語源から、異文化交流を重ねてきた人類の、文明の、食への情熱の歴史が、これでもかと綴られる。

    メニューを見るだけで、高級レストランかカジュアルレストランかがわかる。
    高級レストランはメニュー数...続きを読む
  • ペルシア王は「天ぷら」がお好き?
    膨大な古今の言語の海から、食事に関する言葉を辿る旅。先進国だったペルシア・中国から、ヨーロッパを経由して世界中に食べ物が広がっていく様子がわかった。また言葉と価格の相関関係も興味深い。ただ、書名はこれで良いのだろうか?あまりにも内容の一面だけを切り取り過ぎなのではないかと思うが。
  • ペルシア王は「天ぷら」がお好き?
    計量言語学を料理の研究に適用した章と、歴史的な料理に関する言語の変遷を追う章があって、自分の関心は前者によっているのでそっちの方が面白い。
    メニュー中の言語と価格の分析とか、レビュー中に出現する単語の傾向分析とか。こういうの楽しそう。
  • ペルシア王は「天ぷら」がお好き?
    今年読んだノンフィクションの中で一番良いと思った。
    著者はスタンフォード大の言語学とコンピュータサイエンスの教授。
    料理、食材、食品の語源にまつわる考察だけでなく、レストランのメニュー6500件内にある65万種類の料理全てをの価格を調べ、統計的手法で分析した結果、料理の説明に長い単語を使うほど、その...続きを読む
  • コード・ガールズ――日独の暗号を解き明かした女性たち
     ようやく読み終わった『コード・ガールズ』。日独の暗号を解き明かした女性たちのノンフィクションである。太平洋戦争ではアメリカは1万人以上の女性が暗号解読作業に従事し、日本の難暗号を見事に解読していたことが詳細に記されている。山本五十六長官の行動スケジュール情報を解読し、容易に撃墜できたことや、ヒトラ...続きを読む
  • ペルシア王は「天ぷら」がお好き?
    食事、食べ物、単語と文法、お互いに絡み合う。
    言語学の歴史から分かる食べ物からの教えがたくさんあります。
  • コード・ガールズ――日独の暗号を解き明かした女性たち
    流石米国。民間人だった暗号解読従事者を士官に迄昇進させる。合理的で自由な発想が可能にするのだろう。当時の日本の現状を考えると進み過ぎ。羨ましい。
  • コード・ガールズ――日独の暗号を解き明かした女性たち
    「コード・ガールズ」
    それは第二次大戦下の米国において、ドイツや日本の暗号解読に従事した女性たちのこと。
    ナチス・ドイツの暗号「エニグマ」を解読する為にイギリスのブレッチリー・パークでアラン・チューリングなどの科学者が奮闘した話は映画「イミテーション・ゲーム」などでも取り上げられた。
    開戦当初、暗号...続きを読む
  • ペルシア王は「天ぷら」がお好き?
    ベストセラーになるべき。オススメ。内容が濃い。
    邦題で改題する本って基本的に好きではないのだが、これは例外。
    今まで食べてきた色んなものの知識が色々と繋がっていくのが面白い。
    世界史が苦手だが各国料理と言語学に興味のある人にオススメ。色んな国の色んなもの食べてきた人の方が刺さると思う。
    色んな国の言...続きを読む
  • コード・ガールズ――日独の暗号を解き明かした女性たち
    第二次世界大戦前後で暗号化された通信を解読した現場の女性のドキュメント。米国が戦時中の暗号解読作業についての機密を解除し、戦況を左右した情報戦の詳細が詳らかになった。本書で分かったことは、暗号解読そのものよりも、なぜ女性が暗号解読の仕事に就いたかだろう。当時の米国でも女性が受けてきたジェンダーや教育...続きを読む
  • 人はなぜ憎しみあうのか  「群れ」の生物学 下
    ユヴァルノアハラリのサピエンス全史と重ね合わせるように読み進めていった。
    ハラリは、人間の特殊性を「虚構を信じる力」にあるとし、これによって種として圧倒的繁栄を実現したことを論じつつ、個体としての幸せは種としての繁栄とは連動しないと説く。そして、虚構は繁栄と幸福のための極めて有意義な手段であって、虚...続きを読む
  • ペルシア王は「天ぷら」がお好き?
    タイトルに惹かれて購読。

    序章からいきなり興味をそそられる事実が羅列されている。
    例えば、

    ケチャップはもともと魚を発行させた中国のソースだった。
    フィッシュ・アンド・チップスは6世紀のペルシャの王たちが好んだ甘酸っぱい煮込み料理に由来する。
    乾杯を意味するtohstはトーストしたパンにまつわる...続きを読む
  • ペルシア王は「天ぷら」がお好き?
    2017年3月

    日本人が食べる、天ぷらがペルシアの王が好きだった、肉を酸っぱく煮たシクバージだった。などのあらゆる食べ物に関しての一冊
  • ペルシア王は「天ぷら」がお好き?
    様々な「食」を言語学の観点から紐解いた本。
    作り方さえ知っていればどこまでも広がっていく。そして独自のアレンジが加えられてその土地の食べ物になって、さらに伝播が続いていく。つくづくレシピってのは凄いなぁと感心させられます。そんな歴史を色々なエピソードから描いた本です。
    他にも、高いレストランと安いレ...続きを読む
  • ペルシア王は「天ぷら」がお好き?
    世界の料理のルーツと変遷を言語学の手法で解き明かす。著者はスタンフォード大学の言語学の教授、インターネットで入手した膨大な文献を統計的に分析している。高級レストランと安店のメニューの統計的特徴、邦題にあるテンプラのルーツが6世紀ペルシアにあること、ケチャップはなぜトマトケチャップなのか、そして鮨との...続きを読む