西村寿行のレビュー一覧

  • 滅びの笛
    西村寿行の名前を聞かなくなって随分たつ。1980年代には.森村誠一、半村良と並び「三村」と呼ばれる人気作家だった。ハードロマン小説や動物小説で有名だが、同時にスケールの大きい災害小説にも腕を振るった。大量発生したねずみの群れが人間社会をパニックに陥れるという本作は、その系列の代表作だろう。イメージと...続きを読む
  • 魔笛が聴こえる(電子復刻版)
    何故なのだろう?一体誰が犯人なのだろう?と読み進めるのだが一向に分からないままクライマックスへと一気に突き進んでいく。
    ウラン鉱、国家権力の壮大な謀略。1986年7月に発売された小説が現代でも色褪せていない事に驚く。
  • 学歴のない犬(上)
    刑務所を脱走した4人の男たちが、追跡者(マンイーター)と闘いながらそれそれ別々に鹿児島を目指して逃亡する旅。4人の男にはそれぞれコードネームが付けられている。伊神はドール、一色はリカオン、拝郷はオオカミ、九能は学歴のない犬。国家権力により仕組まれた壮大なストーリーはお約束だけど、次々にマンイーターと...続きを読む
  • 学歴のない犬(下)
    凌辱シーンが多いのは寿行先生の味なんだろうが、自分的にはストーリー自体が面白いから要らないかなと思う。西村寿行作品の中では高ランクだと思う。
  • 垰

    亡くなった娘の辿った峠を巡る旅の道中、何故かいろんな輩に妨害される。ハードな長編ロードムービー的な作品だが、郷愁を感じる作品でもある。
  • 沈黙の渚
    元・海上保安庁特別警備官・関守充介の活躍を描いた「渚シリーズ」の3作目。1984年作品。
    北朝鮮から日本に密航した白人女性をめぐって、KGB、CIA、日本国家の秘密機関が暗躍する物語。
    白人女性をアメリカ大使館に護送するためだけに特別警備官に復帰させられた関守充介は、序盤早々物語の中心から退場。逃走...続きを読む
  • ふたたび渚に
    1981年の西村寿行作品。
    1979年の『遠い渚』から始まる渚シリーズの第2作。

    前作の主人公海上保安庁警備官・関守充介は引退警備官として再登場。前作ヒロイン根岸由紀もメイン・ヒロインとして再登場。ですが、サブヒロインとしてインドネシア人カスワティ、イギリス人サンドラを配置。
    沖縄本島南西約77海...続きを読む
  • 癌病船
    インパクトのあるタイトルで思わず手に取ったが、末期のがん患者を病院船に乗せて世界中を旅するというような話という出だしなのだが、男気に溢れた船長、潜入ミッションまでこなしてしまうカーペンターと呼ばれる乗組員らが活躍するハードボイルド調。最初の2つの話では、看護婦が凌辱されるシーンがあって、昔の大人向け...続きを読む
  • 黄金の犬(上)
    1977年から、「週刊アサヒ芸能」に連載された西村寿行作品。
    『君よ噴怒の河を渉れ』『犬笛』『化石の荒野』と共に、西村寿行作品の中でも代表作とされる作品。
    生き別れとなった犬と飼い主が、再会を果たそうとする途中で、巨大な陰謀に巻き込まれる、というパターンは、後の作品『旅券のない犬』でも使われます。
    ...続きを読む
  • 滅びの笛

    リアルさがある

    読んでて怖かった。より怖さを感じたのはネズミの暴走よりも人間の愚かさ。あとラストシーン、動物たちが颯爽と現れてネズミたちを捕食していくんだけどやっぱり消化不良でモヤモヤする感じの終わり方だと思った。
  • 去りなんいざ狂人の国を
    1977年から1978年にかけて小学館の若い男性向けの雑誌『GORO』に連載された西村寿行作品。
    『GORO』に連載された作品ではありますが、特に若者向けの内容ということもない、いつもの西村寿行作品になっています。
    毒ガスを使ったテロを発生させ、日本政府から五十億円を強請る犯人グループと、それに対す...続きを読む
  • 珍らしや蟾蜍、吐息す
    1985年に『週刊大衆』に連載された西村寿行作品。作家・西村寿行を主人公にした『黒猫の眸のほめき』の続編ですが、西村寿行は作品に登場せず、前作で西村寿行を誘拐した瀬田一家が主役となった作品。まあ、一番活躍するのは、前作では瀬田一家の敵、今作では瀬田一家の味方となった、超能力を使う荼吉尼婆ですけど。
    ...続きを読む
  • 異常者
    女性を誘拐し、奴隷とする異常者を追跡していた主人公千年は、事件解決後に妻の失踪を追い始めた。
    すると、その事件の裏には大きな犯罪があった。
    官能小説的ハードボイルド。
  • 去りなんいざ狂人の国を
    祖母の家にあった古い本。
    読み終わって、はて、自分の中でどういう位置におけばいいんだ?と思ったけど、誰もレビューしてないのね。
    前半は、次々起こる大量殺人の脅威、パニックになる群集に焦点があたり、矜持をかけて挑む警察物といった感じ。丸の内線霞ヶ関駅で青酸ガスによる事件も起きて、もしや約20年後のサリ...続きを読む
  • 死神(ザ・デス)
    息子を殺され妻を凌辱された刑事の凄絶な復讐劇......という、類型的なハードロマンと思いきや、後半からとんでもない展開に
  • ウルトラ・レッド 1
    右とか左とかよくわかんない
    ただのクライムアクションって感じ
    帯を鈴木央が書いてるのが一番テンションあがった
  • 蒼き海の伝説〈新装版〉
    生きる ということを拒絶した人々の話。

    瀬田 という人物は 生きる ことは
    権威 になることだと思っている。
    あとは、生きることに 閉ざされた人々であり
    なにゆえ 閉ざされているのか 不明に近い
    状況である。

    作者は そのことを物語にするが、
    生きることを閉ざしているのは、精神である
    といってい...続きを読む
  • 蘭菊の狐
    代々「狐憑き」の家として見なされた出雲家の少女・阿紫。村八分にし家族を残酷に奪い去った村の人間に対し独り復讐を挑む彼女のまで前に現れたのは、くたびれた3人の中年男だった。彼らは阿紫の復讐に手を貸すことに決める……。

    「狐憑き」がテーマということで時代物かと思いきや、舞台は昭和。もちろん、オカルト的...続きを読む
  • 学歴のない犬(上)
    ハードロマンって知らない時に読んで、

    想像したくないような描写で、

    読むのが辛かった作品。

    怖いもの見たさで一気に読んだけど

    今読んだらまた違った感覚かも。
  • 君よ憤怒の河を渉れ
    昭和40年代にモンスター級にヒットしたハードボイルド小説。高倉健主演で映画化もされたので上の年代には有名だが、さすがに私の世代だと知らない方も多いのでは。ちなみにこの映画、中国でも「10億人が見た」と言われる大ヒットだったらしいです。



    【あらすじ】

    「この人がうちに入った強盗です!」

    街中...続きを読む