『源氏物語』に描かれる「逢瀬」の場面に焦点を当てることで、平安時代の男女の関係の機微に迫った本です。
源氏と彼を取り巻く女たちに比べると、「宇治十帖」に登場する男女はいずれもやや人物像に厚みがないようにも感じられるのですが、「逢瀬」に焦点を当てると語るべきことが多いということに改めて気づかされまし
...続きを読むた。薫も匂宮も現代的な観点から見ると、ときおり滑稽に思える振る舞いに及ぶことがあるのですが、「逢瀬」を中心とする彼らのそうした振る舞いを通じて平安時代における男女の関係のありようが鋭くあぶり出されているところに、「宇治十帖」の魅力があるのかもしれません。