奎斗はとある秘密を抱えていて、息を潜めるように生きてきた。
そんな奎斗も大学一年生になり、太智という信頼できる友人もでき、ミステリー研究部という少し得体の知れないサークルにも入った。
奎斗の大学のミステリー研究部は、ミステリー小説などの話をするのではなく、街に流れている民間伝承や、噂話を調べる
...続きを読むことを主としてやっていた。
そこに創立者兼OBとして未だにトップに立ち続けているのが、太智の従兄でもある賀津。
賀津はミス研の入部に試験を設けないといけないほどの人気がある。
そんな賀津が、「部屋が余っているから」という理由で太智と奎斗に同居を持ちかけてきた。
折りしも、奎斗は父親が自分を3つしか離れてない女性と再婚するのをきっかけに気まずさから家を出たいと考えていたが、そんなに他人に迷惑をかけてはいけない……と一旦は断るものの、太智と一緒なら、と最終的に了承をする。
賀津が出した条件と言うのは、家の中のことに慣れている奎斗に家事をしてほしいということだけ。
それならば元々父子家庭で育ってきた奎斗にとっては何の違和感もなく、受け入れることの条件で、こんなに至れりつくせりでいいのかと疑問に思うけれど、優しい賀津の眼差しにほだされるように次第に慣れていった。
ところがある日、奎斗が抱えている秘密について賀津が調べていると知り、奎斗は次第に不安になってくる。
そんなさなか、賀津が奎斗の身体を求めてきて、奎斗は拒みきれず……
という話でした。
ちょっとぼんやりさんだけど、とんでもない(といっても暴力沙汰なだけですが)秘密を持つ奎斗と。
優しくて甘々に見えて、実は鬼のように厳しい賀津との甘いお話でした。
ちょっとした「秘密」のアクセントはあったのですが、これは別になくてもよかったような気もしますが。
それで青くなったり白くなったりする奎斗を楽しむ賀津が悪趣味であることを強調できればよかったのかなー……? と勝手に考えてみたり。
最後はきちんと告白されてハッピーエンドでした。
個人的に不満が残る点としては、実は奎斗には「理央」という留学中の年上の幼馴染みがいるんですが、その彼がもうちょっと張り切っちゃったり、邪魔しにきてもよかったのかなー……と。
最後まで彼は、きちんと奎斗の保護者でした。残念。