有吉玉青のレビュー一覧

  • 恋するフェルメール 37作品への旅
    フェルメール版の「三国志男」といったら失礼にあたるだろうか.
    私自身にはそういう位置づけの書籍である.

    フェルメール愛する著者がフェルメールを求めて旅をする.その旅で起こった出来事,感じたことをつづったエッセイです.

    フェルメールを観に最初に訪れた美術館では,絵は盗難されていてフェルメール作品に...続きを読む
  • ルコネサンス
    有吉佐和子の娘・有吉玉青による、おそらく自伝的要素もある小説。
    産まれて間もなく両親が離婚し父親を知らなかった主人公の珠絵が、祖母と母亡きあと、26年の時を経て父親と再会する。
    ただそれは父娘としての再会ではなく珠絵が図ったもので、珠絵は父親(=陣さん)に恋心にも似た感情を抱く。
    長く交際してきた同...続きを読む
  • 月とシャンパン
    そうか、人生はやり直しがきくというのは、過去を取り戻せるのではなく1から始められるということなのか…というのに気付けた短編集でした。
    恋愛小説だし、ほとんど不倫や浮気…それも過去の恋人と、というお話が多い中で思うことじゃないのかもしれないけれど。
    自ら辞める女性もいれば、男性がブレーキかけるお話もあ...続きを読む
  • ルコネサンス
    28年会わなかった父親との再会を軸に家族というものを読み解き、創造する物語。
    主人公の中でどんどん塗り替えられる父親像が、家族の関係性の変化とともに面白かった。最後まで父親が母のもとに戻らなかった理由が明かされないのが少々残念。
  • 美しき一日の終わり
    タイトルに惹かれて読んだ。
    異母姉弟として出会い、お互いが家庭を持ちそれでもなおずっと想い合っている。
    何十年という時を越えて、最後に一緒に過ごす1日。早起きしてお弁当を作る描写が、美味しそうだし、文章が綺麗で好きな作品。
  • お茶席の冒険
    読み終わりました。
    やはり、お茶のエッセイと言うものは、色々と共感できることがたくさんある。
    所謂、お茶の先生の書いたものとは違った親しみ感がある。
    森下さんのエッセイと続けて読んだのだけれど、私は森下さんの方に近い心境。
    有吉さんは、色々と普通の人とは違った世界や感覚をお持ちなのだろう。
    簡単に言...続きを読む
  • 恋するフェルメール 37作品への旅
    特にフェルメールに興味があったわけではないが、西洋美術に興味があるので本書を手に取った。
    期待以上に面白く、フェルメールについてなにも知らなくても十分に楽しめる。
    著者のフェルメール愛に、こちらまで顔がほころぶ。
    有吉佐和子氏の娘というだけあって、とても読みやすい文章で、素敵なエピソードが綴られてい...続きを読む
  • 美しき一日の終わり
    読み終わるまで有吉佐和子の娘の作品と気づきませんでした。びっくり。

    美妙と秋雨は異母兄弟として出会った。辛い幼少期を送る秋雨を哀れに思う美妙は、なにくれと秋雨の世話をするが、いつしか姉弟としての感情以上のものを抱くようになる。お互い姉弟としての領分を超えることなく年を重ねて行った。
    55年の年月が...続きを読む
  • 美しき一日の終わり
    時に無力と無知は、残酷。
    あの時代女性にはなんの力もないのだけど。
    互いに思慕の情を抱き、儚い一日を淡い想いが交差する。
    「美しき一日の終わり」
    タイトル通り、美しい余韻が残る。
  • 月とシャンパン
    20代から40代の女性を主人公にした6編の短編集。
    相手役の造形にまったく感情移入出来ず。
    そういう意味で新鮮で面白かった。
  • お茶席の冒険
    お茶のたて方が詳しく載っているいるのかな、と思いきや作者のお茶への思いがほんわかと語られている本でした。
    お茶を始める理由が人それぞれとのこと。和菓子が好きで始める人もいるらしいので、私も一瞬やってみようかと思いましたが、きっと無理だなぁー。
  • 恋するフェルメール 37作品への旅
    玉青さんのフェルメールへの愛がひしひしと伝わってきます。美術に関してなんの知識も無くても、美術館に行っても良いんだよ、と思わせてくれました。
  • 恋するフェルメール 37作品への旅
    フェルメール展を観にいく前に読んだ一冊。
    この本で私のフェルメールを見る目は大きく変わった。

    フェルメールの全作品を見るために世界を旅する人々がいる。作者もその1人。
    フェルメールへの溢れんばかりの愛をこの1冊から感じることができる。
  • 恋するフェルメール 37作品への旅
    フェルメールと言えば、真珠の耳飾りの少女(著者も言うようにあの瞳!)と、レースを編む女(やっぱりあの小ささに最初はびっくり)しか知らなかったのですが、著者のフェルメール愛にやられてしまいました。これを読んだ直後、今年地理学者とデフルト展があることを知り、ぜひ行ってみようと思いました。
    絵の写真が中ほ...続きを読む
  • お茶席の冒険
    茶道を習っていたので、読んでいてとても楽しかった。
    玉青さんの軽やかで爽やかな語り口も大好き。
    また茶道を始めたくなった。
  • 車掌さんの恋
    電車にまつわる短編5作。
    ふんわりとした中にピリッとした味わいが程よい感じ。
    中でも「あみだなの上」はなんとも切なく、ああ、そうなんだよねとまだ人生の終焉をっ迎えるには早いのだけど、しみじみ痛切に感じてしまった。
  • キャベツの新生活
    思い出す
    記憶の反芻

    キャベツは死者
    キウイは半死者
    夏帆は生者
    幽霊たちの、晩餐

    小説世界は整合しすぎているかのように透明で、無菌室的な雰囲気
    それが何か不安にさせる
    不安定な雰囲気を醸す

    これは恋愛小説ではない
    生きる意味とは何なのか、その物語だと思う

    自分の生きた意味なんて、死んだ後に...続きを読む
  • 車掌さんの恋
    初めて読む人だしハズレも覚悟してましたが、
    不思議な感じで流れていく話が多くて好きでした。
    短編集だと話によって好き嫌い分かれたりもしますが、
    私はどれも好きでした。
    全て電車に関するお話で、
    日頃何気なく乗ってる電車にストーリーを感じました。
  • キャベツの新生活
    うーん、とにかくびっくりしました。
    おもしろかったけど、最後の最後にあんな結末になるとは思ってなくて、その衝撃ばかりが心に残りました。
    でも終盤のキャベツの語りは感動したなぁ。

    『愛されたこと、忘れる奴はいないよ。』
  • キャベツの新生活
    この本は結構好きです☆何もない部屋に、物を増やそうとする男女の物語と思いきや、最後にびっくりなしかけがあってびっくりしました(*^_^*)