高橋泰邦のレビュー一覧

  • 毒入りチョコレート事件
    クリスティのミス・マープル・シリーズを読み返している関係で、同時代のクラシックをもう一冊と思って読み返す。1964年「カリブ海の殺人」がキャラクター造詣も鮮やかで一編の小説としても十分に読めるのに対し、1930年「牧師館の殺人」はそれほどでもなかった。ほぼ同時代に発表された1929年「毒入りチョコレ...続きを読む
  • 毒入りチョコレート事件
    内容は面白いしキャラクターもはっきりしていて完成度が高く、名作と言われるだけあると思う。多重推理という構成も好み。
    ただし昔のイギリスミステリー翻訳によくある、言い回しの冗長さだけはどうしても読みにくく、好きになれない。
  • 電話魔

    固定電話ありきの

    脅迫電話から、やがて、銀行強盗とアイソラ全体を巻き込む大事件となる、ただ、いつものワクワク感がなく、珍しく期待外れでだった。あとがきが毎回、面白い。古い話のようだが、当時の編集さんの苦労が感じられた。シリーズ12作目。
  • 毒入りチョコレート事件
    一つの事件の謎に複数の探偵が推理を披露する「多重解決」型のミステリー。なかなか興味深いつくりだったが、作中の探偵たちの「男/女はAだからBである/ではない」といった発想には辟易した。
  • 毒入りチョコレート事件
     毒の仕込まれたチョコレート製品を食べてしまった夫妻。夫は一命を取り止めるも夫人は死亡、しかもそのチョコレートは夫妻とは違う人物に贈られた代物だった。迷宮入り寸前警察が助けを求めたのは「犯罪研究会」の面々、斯くして風変わりな面々の推理合戦が始まった。


     推理合戦ものの祖という古典中の古典。推理合...続きを読む
  • 毒入りチョコレート事件
    1つの事件を複数の登場人物が推理するっていう、古典部シリーズや漫画のQEDでも似たような話があったけどその辺の元ネタ。

    翻訳がイマイチで読みにくいしトリックが凄い作品でもないけれど、オチが上手い。面白かった。
  • 毒入りチョコレート事件
    毒入りのチョコレートを食べて死亡するという一見シンプルな事件について、「犯罪研究会」の6人が調査、推理をして順番に発表していく。発表されるたびに新たな事実が発覚し、事件の様相が変わっていく。

    最後には犯人(と思しく人物)は判明するが、明記はされていないので、まだ他の解釈をする余地も残されている。実...続きを読む
  • 毒入りチョコレート事件
    6人の人物が各々の推理を発表していく。そしてその推理は各々の特徴を持ち、犯人も違っている。この手法を発明したのはミステリ界においても衝撃だったのではないか。
  • 毒入りチョコレート事件
    クラブの顔見知り、ユーステス・ペンファーザー卿に届いた箱入りチョコを偶然譲り受けたベンディックス氏。 ところが、大量に食べた彼の妻は死亡し、数粒食べたベンディックス氏はなんとか一命をとりとめる重体に。
    チョコレートにはニトロベンゼンが混入されていた。
    ベストセラー作家のロジャーは名探偵的人物だけで組...続きを読む
  • 毒入りチョコレート事件
    犯罪研究会の6人が順番に毒入チョコレート殺人事件の犯人を推理していく。訳が私にはまわりくどく感じて、なかなか話に入り込めず、読み終えるのに1週間くらいかかってしまった。一晩に1人ずつ推理を披露していくうちに、だんだんと真相に近づいていき、ドキドキ感はあったものの、面白かった!まではいかず。もし今後別...続きを読む
  • 毒入りチョコレート事件
    バレンタイン前に読めた!
    ブラッドレー笑
    前の人の推理がどんどん覆されるから、最後に示された推理も真実なのか疑ってしまうよう。なんとも不気味な終わり方。

    「なるほど、これが『毒入りチョコレート事件』なのか」
  • 毒入りチョコレート事件
    『真実はいつも一つ』と言う探偵がいる一方で、自分の高校時代の恩師は『事実は一つでも、真実は人の数だけある』と話していました。現実世界の真実と、ミステリという虚構の中の真実は、言葉は同じでも似て非なるものなのだなあ、と思った記憶があります。

    『毒入りチョコレート事件』に登場する「犯罪研究会」の面々が...続きを読む
  • 毒入りチョコレート事件
    なるほど、本書をモチーフとしたであろう現代の小説がいくつも頭に浮かぶように、約90年前に書かれたこの作品の”古典”たる所以がよく分かった。
    ただ、今でこそクラシックとして語り継がれているが、出版された当時は、それまでの王道たるミステリーたちをある意味で徹底的に皮肉ったとも言える本書は、充分革新的かつ...続きを読む
  • 海底牧場
    食糧(ほか様々な必要物質)の提供者として鯨が飼育されている未来の地球で、宇宙飛行士としてトラブルが起きて精神的に深い傷を負ったフランクリンが立ち直り、いろんな事件を乗り越えて生きてゆく物語。
  • 毒入りチョコレート事件
    そのうち読みたいと思ってた作品の一つ。読みにくいですが、短篇のミステリーを何冊も読んだような読後感です。
  • 毒入りチョコレート事件
    英国古典ミステリの名作とも言われる作品。
    毒入りチョコレートを食べた夫婦のうち、夫は一命を取り留め、妻は死亡するという事件が起きた。“犯罪研究会”のメンバー6人が、自らの推理を順に披露する。
    それぞれ完璧と思う自説を披露し、それが次のメンバーによって覆されていく。後になればなるほど推理の完成度が上が...続きを読む
  • 毒入りチョコレート事件
    未解決事件の概要を刑事から聞き出して、それを参加メンバーが調査・考察した上で、その推理結果を披露するという、この多重推理、多重解決のスタイルは、あからさまに言えば、犯人を一人に絞るだけの十分な手掛かりが示されていない段階で、ああだ、こうだと言い合っているだけにすぎない。
    刑事の事前説明を読んだ時点で...続きを読む
  • 海底牧場
    フロンティアを宇宙ではなく海に求めた作品。クジラを食料とすべく海を牧場として育てている。現在から見ると複雑な気分になるが、この事の是非が問われることになる。また、クジラを守るための調査過程で現れる、正体不明の巨大海洋生物の謎が加わる。挫折した元宇宙航空士の再生と、彼の同僚であり親友の死などのドラマも...続きを読む
  • 毒入りチョコレート事件

    僕も大したミステリ読みではありませんが、確かにこれは斬新。初めて経験する感覚でした。
    名探偵全盛時代の作品でありながら、明確な主役が不在のまま進む展開には驚きを禁じ得ませんでしたが、読み終えてみると、仮説と反証の丁寧な繰り返しは謎解きにかかる模範的思考実験の流れのよう。
    あたかもこの一冊が名探偵...続きを読む
  • 毒入りチョコレート事件
    恐らく色んなパロディされているものの、大本!

    チョコレートを食べて亡くなったユーステス卿事件の犯人を7人でめいめいに推理し、1つの推理によって前段の推理が否定されていく形。体裁としては「火曜クラブ」(こちらが先?)結局、何が真相かは明示されません。

    それぞれにいかにも正しそうな雰囲気があります。