久保勉のレビュー一覧

  • ソクラテスの弁明 クリトン
    ソクラテスは非常に信仰心の強い人物であり、そんな彼の精神に従うことを諦めなかった結果として彼は死刑に処せられた。これは単純に彼の精神が死刑を定めている法律つまりは国家の意向にそわなかったというわけではない。当時の国家を先導していたのがいわゆるソフィストと呼ばれる人々であり、彼らの精神とソクラテスの精...続きを読む
  • ソクラテスの弁明 クリトン
    文章としては難しく理解しずらいが、内容は非常に面白い。2500年も前に、自分や人にとって正しいと思うことを死刑という判決が下っても貫こうとする姿勢に心を打たれた。「最も立派で最も容易なのは、他を圧迫する事ではなく、出来る限り善くなるように自ら心掛けること」この言葉は今の時代にも全く色褪せていないと感...続きを読む
  • ソクラテスの弁明 クリトン
    善く生きる、正しく生きることとは…と考えさせられる古典の名作
    読んでて面白かったのだが、個人的にはやはり国家と個人の関係が今ひとつ共感できない…
    アンダーソンの『想像の共同体』を読んでみたい
  • ソクラテスの弁明 クリトン
    善く生きるとはどういうことか。ソクラテスの死生観がよくわかる名著です。

    ◆ソクラテスについて

    古代ギリシアの哲学者。哲学の父や哲学の祖と呼ばれ、「無知の知」の概念や「問答法」という思考法を残した事で有名。

    ◆ソクラテスの弁明のストーリー

    ソクラテスは「国家の信仰と異なるものを信じ、若者に悪い...続きを読む
  • ソクラテスの弁明 クリトン
    古典は良い。なんでもありな世の中で、「善く生きる」ことを説きそのままに生きた言行一致の姿。
    短い割に読み終えるのに時間がかかった。解説と、出口治明氏の哲学入門を引いてようやく理解できたところが大きい。それでも読む価値あり。
  • ソクラテスの弁明 クリトン
    ソクラテスの正義、理性に基づく持論の展開に中毒性があり時間をおいて読みたくなる。対話形式と言うには相手が弱いが、ソクラテス理論をスムーズに展開させるための役回りなのでちょうどいいのだろう。
    一冊の本としては続き物といえる二作をまとめて読めるのが嬉しい。また、訳者注が当時の社会的背景を理解するのに非常...続きを読む
  • ソクラテスの弁明 クリトン
    哲学の祖ソクラテスの裁判での弁明を、弟子プラトンが創作した作品。自らの死刑宣告に対する弁論は、取り乱しているようにも思える。しかしそこには、ソクラテスの考える真実にもとづいて真実が語られている。「真理を探求する歩みこそ人間としての生きることである」という、哲学の原点を見れた気がする。私も、知を探求し...続きを読む
  • ソクラテスの弁明 クリトン
    ・ソクラテスが若者たちを堕落させたとして告発され、501人の陪審員を前に弁明する対話形式の構成
    ・陪審員は裁判官ではなく一般人から選出されているため、あえて」アテナイ人諸君」ソクラテスはそう陪審員に呼びかけている。
    ・自分が知らないことを知ってつもりにならないことが賢明である→ 無知の知
    ・死を恐れ...続きを読む
  • ソクラテスの弁明 クリトン
    毎月1冊、古典にチャレンジしようと1冊目に選んだ本書。
    最後まで信念を貫き通し、死さえも甘んじて受け入れるソクラテスの生き様はかっこいい。
    自分は何も知らない「無知の知」を自覚し、常に謙虚でいること。いつの時代も変わらない普遍の真理だと思います。

  • ソクラテスの弁明 クリトン
    自分だけは、自分の頭で考えたこと(=事実)を偽って行動してはいけない。まさに「知行合一」
    一方、法には絶対的に従うソクラテスの理論も納得。

    正解はない、対話の美しさを見れる。
  • 饗宴
    イデアに対する理解が足りなかったので、愛に導く神エロースに関する議論はイメージし易く、その理解を深めてくれる。

    ディオティマとソクラテスの対話には引き込まれたが、その他のエロース賛美はダラダラ進んでいく。このダラダラの中にこそプラトンのソフィストや喜劇・悲劇作家等を描く巧みな表現がふんだんに詰まっ...続きを読む
  • 饗宴
    フィックションだが、登場人物がリアルすぎて、しかも紀元前。本当の話のように…

    この中で出てくる、ソクラテスの雄弁さと説得力ある講釈、その弟子プラトンも侮れない…

    エロースとはをテーマに書かれる愛=人間⇨智慧。
  • 饗宴
    愛について
    恋について

    最近読むのは
    何か、
    かたちを探しているからで
    自分の中で答えを定義したいから


    ヘドウィッグに涙して
    思い出して読んだプラトンさんは

    やっぱりプラトン

    お酒の席での
    こういう話は昔から
    あるのね

    と親近感。
  • 饗宴
    説明 原題の「シンポシオン」とは「一緒に飲 む」というほどの意味。一堂に会した人々 がワインの杯を重ねつつ次々にエロス(愛)讃 美の演説を試みる。最後に立ったソクラテ スが、エロスは肉体の美から精神の美、さ らには美そのものへの渇望すなわちフィロ ソフィア(知恵の愛)にまで高まると説く。さ ながら1...続きを読む
  • 饗宴
    ギリシアの哲学者ソクラテスの弟子プラトンによる、愛と知をめぐる対話。学生時代に熱心に読んでいたが、ひさびさに通読。

    少年愛という習慣があったギリシアで、対話のしめくくりは、ソクラテスに横恋慕する弟子の登場でしめくくられる。文学性が高いとされるが、そのあたりはよくわからない。

    ただ、ディオティマと...続きを読む
  • 饗宴
    再読。愛=エロスの本質を求めて男達が語り合い、愛の絶頂即ちイデアを求めて昇り詰めていく対話のエクスタシー。エロス、それは賢者と愚者の狭間であり神と人間の中間にいる神霊(ダイモーン)的存在。善きものの永久の所有を欲求するそれは肉体的不死/生殖へ向かい、それを心霊的生産へと向けることで徳へと至る精神を形...続きを読む
  • 饗宴
    良いこと書いてあるんだけど、なんだかんだで、少年愛がらみの記述に目がいってしまう、ついつい。普遍的な価値について語ろうとするギリシア人たちが、こと「その話題」のときだけは、特殊な文化的背景にもとづく性癖を擁護しまくりというのがね。それが、苦笑をとおりこして、可愛くみえてきた。
  • 饗宴
    平易で楽しい哲学書。ただの読み物としても面白い。
    内容は酒をのみながらみんなでエロスの素晴らしさを語るものだ。性の問題で悩む若者、BL好き、セックスレスカップルはまずこれを読め!
  • 饗宴
    『いけない、いけない、あの人は放っておいた方がいい、それがあの人の癖なんだから。所かまわずどこかへ、人通りを避けて立ち続けることがよくあるのだ。が、いずれまもなく来るだろうと思う。だから邪魔をせずに、放っておいてくれたまえ。』(アリストデモス)

    『実際人は次のようなことを熟思するべきである。明らさ...続きを読む
  • 饗宴
     ・・・ソクラテスは、最後に立って、そのまえになされた演説者の華麗なエロス讃歌とは対照的に、いつもの対話の方法によって、まずエロスの本質そのものを想定し、そのうえで、巫女ディオティマから聞いたという「廉価井修業の奥義」を物語る。肉体的愛から精神愛へ、さらに美のイデアの感得へと究極してゆく、このソクラ...続きを読む