岡谷公二のレビュー一覧
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ルソーは圧倒的に変おじさん!
この本はルソーの生涯をたどっている伝記的な本で、ルソーの奇妙な絵の秘密に一歩迫れる研究書でもある。そして分かりやすい。
いわゆる芸術家って感じの奇行や言動によってではなく、むしろ善良さや、税関に勤めていた経歴やきっちりした絵から連想されるように真面目さが目立つ人柄だけど...続きを読むPosted by ブクログ -
小学生の頃からルソーとダリとモジリアニとベンシャーンが大好きだったのですが、中でもルソーは特別な存在でした。
いま思うと、彼を薄々自分自身の分身であるかのように感じていたのかも知れません。実は私も、世間的には絵が上手な方ではありませんでした。それで、抜群に上手い二人の友達の描いた絵をいつも模写・デ...続きを読むPosted by ブクログ -
世田谷美術館でルソーの絵を見る前に読めばよかった。
ルソーの絵を見ているとものぐるおしい気分になってくるが、どうやらルソーもやや彼岸の人であったことがこの本から窺える。とは言っても、ルソー自身がまったくの無垢な人間だったのではなく、他の人よりも歴史から切り離された上での計算はしてたのだろうとは思う。Posted by ブクログ -
ルソーの描く、濃密なジャングルに魅かれる。
その静けさ。
そこに潜む、生命の息づかい。
葉をぬって流れる風。
絵に、吸い込まれる思いがする。Posted by ブクログ -
この人の絵も好きだけれど、この本を読んで人柄にも興味を持ちました。まさに素朴という言葉が絵だけでなく、その人柄にも当てはまることが、分かります。職人的な面もあり現代の画家とも違う世代であり、才能の自由を認められない時代に生きていたことも解かりました。Posted by ブクログ
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ルソーについては作品しか知らなかったが、ルソーの人生を知ることが出来て、作品を見方が変わった気がする。原田マハさんが「楽園のカンヴス」で、ルソーがバイオリンを弾いたり、ボンボンを売ったりする話を入れたのは史実だったかと思った。Posted by ブクログ
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謎の多い、画家ルソーの評伝。
「楽園のカンヴァス」を読み、ルソーについて知りたかったので読んだ。
ルソーという人は、捉えどころのない不思議な人物である。
また、とてもお人好しで純粋である。
その純粋さは、常人には理解し難いほどである。
そして、物事に対してだけでなく女性に対してもとても情熱的である。...続きを読むPosted by ブクログ -
小説「楽園のカンヴァス」を読んでルソーのことが知りたくなったので、参考文献にもなっているこの本を読んでみました。
しかし、私には詳しすぎたようです。
強い願望がいつしか実現したように思い込む性質、恋多き人、自分の中の絵を現実にあらわした人。
実はフリーメーソンに入っていた。
晩年、絵は売れ出してき...続きを読むPosted by ブクログ -
夢の世界と言われるルソーの楽園の絵。いくつかあるその絵の根源は何であろうか?その問いに、ルソーの生い立ちから整理して、考察する。楽園のカンバスを読んでみると、スローのヤドヴィガに対する恋心が大きなエネルギーとなっていることがテーマになっている。本書では、その彼女の見ている夢を、ルソーが見ているという...続きを読むPosted by ブクログ
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ルソーの絵が好きなので、彼がどういう人間だったかも知りたくなって読んでみたが、著者が自由に書いており、時系列がときどきおかしかったり、ルソーの周りの人のコメントを難しい表現のまま引用していたり、知っていて当たり前なのか解説がなく当たり前のように使われるわからない言葉があったりして、私にはわかりにくか...続きを読むPosted by ブクログ
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アンリ・ルソーの描く葉っぱと漆黒が大好きなので。
自分が所有したい、あるいはその中で生きたいと望んだ世界を、誰にも影響されることなくまっすぐに孤独に描き続けた画家。だいぶ変わった人だったんだなぁ。でも、なんだかその「変さ」を支える情熱は、応援したくなる。
描く対象に呪縛された彼を、彼が生きた時代に置...続きを読むPosted by ブクログ