村上靖彦のレビュー一覧
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エビデンス至上主義な意見をよくか聞くが、社会科学と自然科学をどう結ぶか、本書で感じられたと思う。
客観性といっても、誰かのルールに則ってしまうし、常識がひとそれぞのように、客観性もそれぞれで盲信できないと感じた。Posted by ブクログ -
横道氏の書をはさみ、斎藤環氏とケア倫理を絡めた小川公代氏の対談を中心に当事者研究とオープンダイアログ、そしてケア倫理の関係を対談なので、わかりやすく、縦横無尽に語り尽くす。最後に頭木弘樹氏、村上靖彦氏の対談でしめるなんとも贅沢な対話集であった。印象に残った言葉を二、三。倫理的であることが治療的である...続きを読むPosted by ブクログ
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非常に面白く読めた。史実的な行為がクローズアップされるが、それに至るまでのコミニュケーションが大事。意思疎通を図ろうとする努力そのものがケアである。
人が人を相手にする仕事だからこそ様々な形でのコミニュケーションがある。Posted by ブクログ -
仕事柄、病や逆境と向き合う患者さんと多く接してきた。その接し方で見えてきたことの答え合わせをしたくて手にした本。
患者さんの中には、悲嘆から抜け出せないでいたり、希望を持てないでいる方も多く、声掛けにも応じず、否定が重なる。まさに人生の歯車が止まっている状態だ。ここに関わる者は、ケアラーとして...続きを読むPosted by ブクログ -
ケアといってもいろんなケアの場があり、この本でも医療者による患者への、介護職による利用者へのとか、子どものケアをしている人とか著者の長年の研究をもとにしたケアの場面から見えてくるものが紹介され、ケアに含まれるさまざまな要素が示唆される。
ケアとは何かと説く本をこれまでにも何冊か読んできて、そのたびに...続きを読むPosted by ブクログ -
ヤングケアラー当事者の声を丁寧に掘り下げた一冊。
読むのが苦しくて、何度も挫折して、ようやく読み終えました。
ヤングケアラーと呼ばれるご本人に世界はどのように見えていたのか、ご本人の言葉からだからこそ湧き上がる感覚、浮かび上がってくる情景があり、読むことができて本当によかったです。
記号としての...続きを読むPosted by ブクログ -
ここ数年来に知られるようになった「ヤングケアラー」。何冊か類書を読んでいるが、本書はその中でも異色というか、深く問題を掘り下げ、またヤングケアラーだった人、サバイバーと言ったらよいのか、その人たちからの聞き取りをまとめたものなので、実情がより具体的であり、またその支援も具体的である。事例の方々は、よ...続きを読むPosted by ブクログ
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文章がひじょうに読みやすく、私のように西成地区や児童福祉に関する知識に乏しい者でも問題を把握しやすい。また、インタビューの取り上げ方が絶妙で、村上先生の考察と合わせて、支援者が何を見てどう感じ行動しているかをありありと知ることができる。Posted by ブクログ
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ケアについて,現象学的アプローチから実践ベースに語られた良著。私はメイヤロフ,ノディングズなどに明るくないが,それでも読み切れてしまう。
〈出会いの場〉〈からだ〉など現象学チックな言葉づかい,概念も多いが,平易な文章のため難なく読めるのではないだろうか。Posted by ブクログ -
自分自身では本年最高の読後感であった。現場の声から本質を捉えていく方法論で紡いでいく本書であるだけに力があるものだと思う。まずケアのゴールからであるが、「当事者が自身の<からだ>の感覚を再発見し、自らの願いを保てる、そのような力の発揮を目指すことこそがケアのゴールだ」で始まり、以下コミュニケーション...続きを読むPosted by ブクログ
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困難な状況の中で孤立している母親への手当てと、つながりの再構築への道のりが丁寧に描かれています。
グループワークを行う機会の多い私にとって、参加者目線の言葉と、ファシリテーターの言葉と、観察者としての筆者の言葉の重なりが、とても参考になりました。
ホールディングという観点からグループワークの「場...続きを読むPosted by ブクログ -
客観性は行き過ぎると、数字にのみスポットが当たってしまい、その背景要素がごっそり抜け落ちてしまい、肝心な事が見えなくなってしまう
さらに主観性を分析するには、人の話を一言一句そのまま書き起こし、内容は勿論話し方や表現などをも分析するが肝
民俗学やっている時に出会いたかった…Posted by ブクログ -
「客観性の落とし穴」といタイトルなんだから、決して「客観的」に論理を展開することを期待してはいけない。「客観性」では取りこぼすものに重要なものがある。
実は「現象学」の入口として有用な一冊。
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