小松左京のレビュー一覧

  • 復活の日 人類滅亡の危機との闘い――
    小松左京先生の傑作(1960年代)を 新井リュウジ先生が現代風(2010年代)にジュブナイルにupdateした本です。改変箇所は妥当かなと思いますし、もし復活の日を再映画化するのであれば、こちらを下敷きにしたほうが良いかもしれないです。
  • 夜が明けたら
    傑作短編がぎっしりです。表題作の「夜が明けたら」の結末には、本当に体が冷え、胃が縮むような思いをしました。
  • やぶれかぶれ青春記・大阪万博奮闘記(新潮文庫)
    小松左京。「日本沈没」があまりにも有名なSF作家。漫画を描いたり、サブテーマ委員等で1970年大阪万博に深い関わりを持った万能の人だった。万博を単なる国際見本市にするのでなく、理念を大切にした。2025年開催が決まった大阪万博を進めるにあたっての遺産となった。多忙な中で、著者含め仲間たちがエネルギッ...続きを読む
  • AWAY-アウェイ- 1
    ロボットアニメとか児童小説とかでは、何らかの理由で大人がいないか極端に少なくなり、子どもたちだけの力で難局を乗り越える、という筋立てはよく見かけるのだけれど
    その子どもたち、大概は幼くても3~4歳で、言葉は通じるし自力で食事も排泄も出来て(まあトイレの場面はないんだけどさ)、赤ちゃんとか病児への対応...続きを読む
  • 日本沈没(下)
    大胆かつ緻密な大災厄シミュレーション。情報濃度が高く読むのに時間がかかってしまった…。
    読書を通しての追体験という意味ではなかなか衝撃的で、そのために必要な分量と密度だったことはわかった。
  • 霧が晴れた時 自選恐怖小説集
    やっぱり「くだんのはは」が一番の傑作。一番怖かったのは「秘密(タブ)」、「逃ける」(ふける)という作品に思う事たくさんあったが、ブログで書ければ書く。
  • 日本沈没(上)
    京都大地震、関東大地震でぼろぼろになった日本であるが、これらの震災もこれから訪れる未曾有の大災害の前触れでしかなかった。政府は隠密利に学者などエキスパートを集めた少数精鋭集団による「D計画」を進行する。
    微に入り細を穿つ地震の描写がなまなましくつらい。
    情報量が多く密度が高いためなかなか読み進めない...続きを読む
  • 霧が晴れた時 自選恐怖小説集
    初めて読んだ作家さん。
    面白い話が多く、いくつかの話は非常に良かった!
    とりあえず日本沈没は読んでみないと!


    ・すぐそこ ★★★
    遭難系の話ね。行っても行ってもたどり着かない。
    見えてるのに遠い所。
    絶対遭難したくないわ!

    ・まめつま ★★★
    どんな話やっけ?あんま印象がなかったので普通!

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  • 日本沈没(下)
    日本人って不思議な民族なのだろうか。
    戦争に負け、原爆を2回も落とされても、地震や津波、火山などの自然災害にも、ぐっとこらえて耐え、黙々と勤勉に働き復興する。

    それもきっとこの大地があってこそ。

    小松左京が書きたかったのは日本人であり、それも本の中の今ではなく、島が沈没した後の日本人かもしれない...続きを読む
  • 霧が晴れた時 自選恐怖小説集
    怪談や恐怖という感じのものあったけど、SF風味なものが多かった気がする。

    好きなのは、
    『すぐそこ』
    『まめつま』
    『くだんのはは』
    『霧が晴れた時』
    かな。

    くだんのははは以前読んだことがあるけど、やっぱり良い。
  • 日本沈没(上)
    1970年代の日本に大地震と地殻変動による大事変が起ころうとしている…お話。
    書かれた時代を考えると、かなり時代の先端を行ったSFだと思います。

    この巻では、京都や東京で大地震が起こり、九州から関東までの火山も爆発。
    ときの総理大臣と科学者たちが奔走を始めようとしている物語の前提となる設定の描写が...続きを読む
  • 日本沈没(下)
    地質学や気象学だけでなく政治論や外交論、民俗学や哲学など、9年かけて書いた作品だけあって、話が広範囲ににわたり内容がとても濃いので、さくさくとは読み進めず、結構時間がかかってしまったが、やはり名作。絶対また読んでみたい。
  • 霧が晴れた時 自選恐怖小説集
    「日本沈没」で有名なSF作家による自薦ホラー短編集。SF畑出身ということもあって星新一のようなショートショート感が見られる作品も多いが、ホラーに舵を切った作品はどれも怖い。

    自分は何者なのか、自分が目で見ているものは何なのかということに自信が持てなくなった登場人物は阿部公房の作品の中に出てきそうだ...続きを読む
  • 虚無回廊
    地球から5.8光年の宇宙に突然現れたSS(Super Structure)。その謎を探るためにAIを拡張して自分自身の意識を載せたAE(Artificial Existence)を使って宇宙空間を旅する。AEがVP(Virtual Persona)を作り出す。そしてSSにはさまざまな知的生命体が集ま...続きを読む
  • 日本沈没(上)
    日本人にとってのホラーは、心霊ではなく、自然が相手なのだと思う一冊。ここのとこの災害続きで、マジでこの作品まんまのことが起こってるので手に取ったけど、単に災害の恐ろしさを描くのだけではなく、「日本人は何をもって日本人と言えるのか」を問いただす深遠さ。

    とはいえ時代が違うよね、っていうところが多々あ...続きを読む
  • 短小浦島
    異色短編集。どのくらい異色かというと、SF色が皆無に近い。小松左京の作品で、である。しかしそれで面白さが減じるかというと全くそんなことはなく、芸道小説4編に女シリーズと戯曲とホラーが各1編ずつ、文章力の高さは言うまでもないし、読みどころは多い。特に最後の「石」は、人に勧めるのも躊躇われるほどのその心...続きを読む
  • 日本沈没(上)
    多数巻を平行に読むシリーズ。大御所の代表作なんだけど、ちゃんと読んだことはなかったんだよね。「首都消失」を上下で読みはしたけど、なんかパッとしなかったので、ずっと避けてきた。

    地震が多発する197X年の日本。島が沈んだことを調べるために海底の探査中に、1日に200mもの沈下が観測される。一方で、京...続きを読む
  • 日本沈没(上)
    一昔前に一大ベストセラーだったということで。
    本の題名で、日本列島が沈没する(かもしれない)という主題は明らかで、それすら上巻の終わりまではっきりとは明言されないのだけど、無気味な天変地異の連続、科学的な感じのアプローチ、そして「第二次関東大震災」とその被害のリアリティ、民衆の不安とパニック、本当に...続きを読む
  • 日本沈没(下)
    一日で一気に上下巻、読んでしまった。楽観的に読んでいたのに、日本が沈没してしまった。SFだけどパニック小説だった。呆然とした。
    ずいぶん傍点の多い書き方で、じっくり読んでたらショックももっと重かったと思う。病んだ竜。
    この本が書かれたのが50年くらい前、まだ関東大震災も戦争も記憶にある人が多かったろ...続きを読む
  • 日本沈没 第二部(下)
    第二部は日本列島が沈没してから25年後の物語。国土は消失しても国は存在しているという話。地球規模の気候変動と、地球規模の事案を取り扱う場合、国民、あるいは地球人はどのような目線で活動しなければならないのか?小松左京とそのチームが来るべき真のボーダーレス社会における人類のありようを問うた作品に仕上がっ...続きを読む