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『果しなき流れの果に』『復活の日』『日本沈没』――。日本SF史に輝く傑作の数々を遺した小松左京の原点は、戦中戦後の動乱期を過ごした旧制中学・高校時代にあった。また京大人文研とのつながりから、大阪万博にブレーンとして関わった顛末とは。幻の自伝的青春小説と手記によって、そのエネルギッシュな日々が甦る。若き日の漫画家デビューなど、新事実も踏まえたオリジナル編集版。(解説・小松実盛、加藤秀俊)
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Posted by ブクログ
近年、再評価の小松左京氏。 短編と中篇の間の小品を、無理矢理くっつけたっぽい一冊。 でも感謝したい、こうして書籍化していただけたことに。 それだけ二作共に楽しかったです。
小松左京氏のといえば、日本SF界の巨匠、ベストセラー作家とか知の巨人とか称される。その小松氏がまだ若かりし頃のお話。 この本の前半は、蛍雪時代に掲載された「やぶれかぶれ青春期」。旧制中学、旧制高校、そして新制大学の学生時代を振りかえっている。連載当時は、戦争体験者というか実際に戦場に赴いた人...続きを読むも多かった時代。ホントーに貴重な話が載っている。あと小松氏のご子息の一文『「青春記」に書かれなかったこと』は必読。 後半の「大阪万博奮闘記」も、これまた貴重な話が載っている。小松氏のか「限りない知性」とでもいうべきものが見てとれる。もとネタのひとつ「万国博覧会資料」は、現物が確認できていないとのこと。やっぱり貴重だ。
筆者である小松左京の、エネルギッシュで熱量溢れる書きっぷりが感じられます。 戦中時代を生き抜いた筆者による回顧録と体験談で、万博の裏事情がよく分かった。
前半は、戦中期を中心とした学生時代の話。正直あまり愉快な話ではないが、旧制中学時代のエピソードなどからは、著者の怪物ぶりが伝わってくる。漫画家としてのエピソードが一切出てこないことは、ご子息の解説にもあるが、ブルドーザーとも称される著者の意外な屈託が感じられ、興味深い。後半の万博の話は、大阪万博の影...続きを読むの部分とも言え、後世に残す意義は大きい。著者の感じた万博の難しさは、次の大阪博にも生きるものと思う。これを機に、著者のノンフィクションを含む膨大な著作が、もっと入手しやすくなることを切に願います。
巨人、スーパーマン小松左京の肉声の雰囲気があふれでる。北杜夫『どくとるマンボウ青春期』に通じる終戦直後の高校生のドタバタ青臭さと、高度成長期に京都学派の重鎮たちと未来を刻印しようとするコーディネーターあるいはプロデューサーもしくはエバンゲリストとしての顔。SF小説家という括りにいれるには大きすぎる小...続きを読む松左京に圧倒され、共感する。
SF界の怪物、小松左京を形成したものはこの戦中戦後の動乱期の経験にあることを確信した。また、御子息がなぜか漫画家小松左京の話を封印していることについての身内ならではの解説が必見。
小松左京。「日本沈没」があまりにも有名なSF作家。漫画を描いたり、サブテーマ委員等で1970年大阪万博に深い関わりを持った万能の人だった。万博を単なる国際見本市にするのでなく、理念を大切にした。2025年開催が決まった大阪万博を進めるにあたっての遺産となった。多忙な中で、著者含め仲間たちがエネルギッ...続きを読むシュに活動する様子に疲れや倦怠感は感じられない。義務でなく興味本位で取り組んだ由縁である。その器質は、青春時代に培われたこともわかった。2020.3.12
SF作家として有名な小松左京さんの本。 前半は戦争中の話が中心。 後半は大阪万博の話。 前半の方が圧倒的に面白い。 後半はどこそこの誰それと何しをした〜みたいな、よくある交遊抄風。 でも、時代性もあり、興味のある人には参考になるのでは?
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やぶれかぶれ青春記・大阪万博奮闘記(新潮文庫)
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