森本正史のレビュー一覧

  • 21世紀の資本
    この本の3分の1は、「21世紀の資本」という本の代名詞のようになっている r > g(資本利益は経済利益を上まわる)という式の解説である。残りの3分の2は、格差と資本集中の解消に資本に対する累進課税と、相続税への課税の有効性、政治と経済の関係についての考察である。とくに終わりにちかい50ページについ...続きを読む
  • OPEN(オープン):「開く」ことができる人・組織・国家だけが生き残る
    歴史上、新たな技術などの”異質なもの”に対して「オープン」な姿勢で接した国家が成功してきた反面、それらの国々がいつしか「クローズ」になり、没落していったのはなぜか。人間の進化の過程を遡ってその要因を明らかにし、現代社会に影を落としつつある「クローズ」の脅威に立ち向かう方策を提唱する啓発書。

    著者は...続きを読む
  • OPEN(オープン):「開く」ことができる人・組織・国家だけが生き残る
    「オープンな社会の方がクローズな社会よりも望ましい」という直感的にも納得感のある主張を、歴史を振り返りながら検証していくと同時に、なぜ人類はオープンな社会を維持できないのか/維持するにはどうすればいいのかについても考察された本。

    人は、共感しやすい内集団と攻撃的に振る舞いがちな外集団をつくりだすが...続きを読む
  • 21世紀の資本
    トマピケティの代表的な名著
    資本主義はいずれ資本の均等化、貧富の差は縮まるとするクズネッツ仮説を否定して、富めるものはより富み、貧するものは永久に貧する事を膨大なデータにより(r>g)証明せしめた、いわば現代の黙示録である。
  • 21世紀の資本
    トマ・ピケティ(1971年~)は、フランスの経済学者。2002年にフランス最優秀若手経済学者賞を受賞。パリ経済学院設立の中心人物、教授。社会科学高等研究院の研究部門代表者。
    本書は、2013年にフランス語で発表され、2014年4月に英語版が発売されるやベストセラーとなり、同年12月には日本語版が出版...続きを読む
  • 21世紀の資本
    才能ある人に大きな報酬を与えて才能を開花してもらえば、社会の生産性が高まり経済が発展して、結果として最下層の人々にも恩恵がある(クズネッツ)というわけではない。80年代以降、先進国の経済成長率は低下している。賃金は経済成長率と同じくらいしか増加しない。一方、金融や不動産など、資産を投資して得られる収...続きを読む
  • 21世紀の資本
    データを集めること。そのためにも各国各企業が透明性のあるようにすること。そして、稼いだお金でなく所有するお金に累進課税をかけるべきだということ。恐慌、大戦のショックで経済に多くの影響を与えたこと。そして持ち直ししたが、19世紀とは比べられないくらいに複雑になったこと。インフレは20世紀に発明されたも...続きを読む
  • 21世紀の資本
    長い上に難解で、理解できなかった部分があった。要するにピケティが言いたいことは「過去から現在までr(資本収益率)はg(国民所得成長率)を上回ってきたから、このまま何の手も打たなければ格差はどんどん開いていくよね」ということだと理解した。この「何らかの手」とは、「教育」と「(累進的)資本課税」だとピケ...続きを読む
  • 21世紀の資本
    ようやく読み終わりました・・・注釈含めると700Pの大作・・・読破するには覚悟が要ります・・・
    自由な資本主義の行きすぎにより留まるところを知らず拡大した格差。ピケティの主義主張は一貫して、「累進課税」。資本税の導入だという。不労所得にも税をかけること。確かに。寝かせられるだけのお金をたくさん持って...続きを読む
  • 21世紀の資本
    「資本収益>経済成長」という経済格差問題を超超超絶長い紙幅で論じた本
    リーマンショック後の影響もありこれでピケティが世界的に有名な学者になった
    補足として、『21世紀の資本論』は解説本が魍魎跋扈しているが、
    あまり読む意味のない本が多いのでネットにある訳者解説を見るべき
  • 21世紀の不平等
    ピケティの師匠であるアトキンソンの、経済格差問題の本
    ピケティが『21世紀の資本』で経済格差の内容を明らかにして
    本書でより現実的な政策提言を行う感じの流れがある
  • 21世紀の不平等
    提案の方向性はおそらく正しいものだと思う。ただし、膨大な項目にそれを引用する上での留保。理解する上での前提の多さ、この留保や前提は数字のことではあるものの、どこか宗教的感性が必要だ。これは、この人の物言いがそうなんじゃなくて経済学の話全般に言える胡散臭さや問題点だと思う。テレビでの解説は概ね簡略化さ...続きを読む
  • 21世紀の不平等
    アトキンソンはピケティの師と帯には書いているが、序文にはピケティの文章が載っている。
    格差と不平等に関する論考で、現状を歴史も含めて検討し、それに対する対策を提案し、またその反論に対する論駁を述べている。数字はたくさん出てくるが、ピケティの本に比して数式は少ないので読みやすいが、やはり翻訳本であるの...続きを読む
  • 21世紀の資本
    足掛け2年、正味2ヶ月もかかってしまった。データを用いた歴史的な経済格差の動学は、目の先のレベルを超えてしまうが、実感として納得できるものだと、思いました。
  • 21世紀の不平等
    ☆は3にするか4にするかでちょっと悩んだけど。
    普段、経済政策の話って実はあまり読むことなくて、不平等を経済政策としてゆっくり考えたの初めてに近いから、そういう意味で、いいきっかけになったから、4にしました。

    つまり、これまで、個別に社会保障問題、年金、税率、社会サービスへのアクセスなど、考えたり...続きを読む
  • 21世紀の不平等
    ピケティを受けて書いていることがいろいろなところに出てくる。
     意外と読みにくいという感じがしたが、イギリス経済を語る上には必須のほんであろう。
  • 21世紀の資本
    正直途中の数値を羅列してあるような部分は速読に頼ったところもある。
    予めトマ・ピケティ解説本を数冊読んでいたので理解に役だったが、本書を最初に読んでいたら途中で飽きて飛ばしまくったろうと思う。
    要点は解説本がまとめてくれていることとほとんど同じだったが、具体的な事象については興味深いものも多々あった...続きを読む
  • 21世紀の不平等
    イギリス式の政策を中心にした格差是正方策の検討。日本と引き比べてみるとやはりEUって大きいんだなあ。
  • 21世紀の資本
    本編608頁 索引98頁 内容も難しく、読書時間15時間以上で文字通り悪戦苦闘 価格は5500+税と高額 しかし得るものは多いので、手元に置きたい1冊
    付箋の数も多い 18世紀末と19世紀初頭にイギリスとフランスで古典派政治経済学が生まれた時点で、すでに分配は重要な問題の一つになっていた 最終的には...続きを読む
  • 資本とイデオロギー
    「資本とイデオロギー」という題名だが、内容は、格差というものは何か、それが悪化している現在はどんな世界なのか、それを克服出来るのか、を歴史と膨大な統計を使って分析する壮大なもの。
    著者の主張ポイント(最も危機感を持つ未来予測)は、バラモン左翼と商業右翼の権力(ブルジョアブロック)の思い上がり(高所得...続きを読む