大田俊寛のレビュー一覧

  • 現代オカルトの根源
     たわ言である。

     本書がたわ言なのではなく、たわ言について書かれた本である。「思想というのは本来的に、一般の人が理解しているよりも、はるかに危険なものです」という著者のインタヴューをネットで見て手に取ってみたのだが、核にあるのはオウム真理教体験である。オウムの行状がどこに由来するのか、思想の面か...続きを読む
  • 現代オカルトの根源
    「たとえ、預言する賜物を持ち、あらゆる神秘とあらゆる知識に通じていようとも、
    たとえ、山を動かすほどの完全や信仰を持っていようとも、愛がなければ、無に等しい。」
    (使途パウロのコリント信徒への手紙1 13章)



    「スピリチュアルや宗教お断り」とか、苦手だという人が多いのも、
    それが往々にして、「...続きを読む
  • 現代オカルトの根源
    スピリチュアルもUFOも、ヨーガによる覚醒も、オウム真理教や幸福の科学、そしてそれらの源流となったいくつかの新興宗教の教義も、それら現代に息づくオカルトは、「神智学」という根を持っています。

    さらさら読めてしまう新書の範囲内に収まる本ではありますが、それでもそれぞれのオカルトの要所要所をつかんで書...続きを読む
  • 一神教全史 上 ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の起源と興亡
    「共同体を作り上げるために必要とされるフィクション」である宗教の通史。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教を扱う。こうなると、ほぼほぼ中東・欧州・米国の通史を手掛けるのと同じことになり情報量がたいへん。それでも近代へと続く見取り図をしっかり示してくれている感じ。同年代の研究者なので感覚が近いのかも。
  • 一神教全史 下 中世社会の終焉と近代国家の誕生
     いゃ〜結構辛かったけど、読み終えた。一神教の全体がわかっていないから、我々は世の中がわからないのだと改めてわかった。特に日本は正当な仕方で近代化していないという指摘はもっともだと思う
  • 一神教全史 上 ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の起源と興亡
     このテーマでよく纏まっている。ユダヤ教からキリスト教そしてイスラム教という流れがよくわかる本である。
  • 現代オカルトの根源
    進化論の登場によって迷信と化して行き場を失った古来よりの宗教的心性を持つ者が、その進化論を取り込んで新たに作り出したのが神智学であり、軸となる考えが霊性進化論だという。霊性進化論そのものが、次々現れるオカルティストに引き継がれては古今東西のありとあらゆるオカルト的なものを引き寄せては取り込む霊的存在...続きを読む
  • 現代オカルトの根源
    現代オカルトの根源というタイトルそのままの内容。これらを霊性進化論の諸相という観点で総ざらいしている。オカルトに対して引いて引いての視点。ひとつの見識としてある話だと思う。少なくとも、こういう視点を持つことは大事。高級低級の二元論から階級志向といような話については、そういう性格をこれらに見出すことは...続きを読む
  • 現代オカルトの根源
    評価:★★★★☆

    もう随分前になるが、グノーシス主義に興味があったことが一時期あって、そのときに大田俊寛の本を買おうとしたことがあった。

    その本は彼の処女作にあたるものだったが、既に絶版であり、古本でもちょっと高価だったので結局手に取らずじまいとなった。

    それから時間がたって先日、ニコ生に出演...続きを読む
  • 現代オカルトの根源
    輪廻する霊魂を歴史の果てに進化させ、神の高みへと到達する
    そのような大目的のために人が生きるのだとすれば
    いま現在あなたが直面する苦境は、あなた個人のものではない
    それを乗り越えるための努力は、霊魂の集合知として
    回収されるだろう
    だからあなたの生には意味があるのだ、という世界観を信じることで
    救わ...続きを読む
  • 現代オカルトの根源
    「しかし、はたしてわれわれは、その思想を一笑に付して済ますことが許されるだろうか。それもまた、余りに一面的な短見と言わなければならないだろう。なぜなら、宗教と科学のあいだに開いた亀裂、すなわち、科学的世界観や物質主義的価値観のみで社会を持続的に運営することが本当に可能なのか、長い歴史において人間の生...続きを読む
  • 現代オカルトの根源
    なんでこんなん信じるんだ,という話だが,魅力的なんだろうな。人間は霊的に進化し続ける。で,堕落する獣人と高みへ歩む神人に別れてゆく。自分は選ばれし者。あいつらは愚かにも真理に気付かず動物化していくのだ。何とも排他的,自己陶酔的,被害妄想的なことである。
    そういう霊性進化論の潮流を,19世紀末からの神...続きを読む
  • 現代オカルトの根源
    読めるところだけサラッと読んだだけなのですが
    トンデモ世界を一笑に付すだけに終わらせず
    専門家によるしっかりとしたチェックはYはっぱり必要なんだなあ~と。
  • 現代オカルトの根源
    現代オカルティズムの根源である霊性進化論は、伝統的宗教世界を根底から否定するダーウィニズムのカウンターとして生まれたものだという自説に基づき、そこから現代に至るまでの霊性進化論の歩みを論じている。霊性進化論は心霊主義や神智学となり、さらにそこからさまざまに枝分かれしつつ多様なオカルティズムを生んだ。...続きを読む
  • 現代オカルトの根源
     ブラヴァツキー夫人に端を発する神智学。その中心的な考え方である「霊性進化論」がどのように現代まで受け継がれていったのかを紐解いている。様々なものを吸収しながらも現在まで途絶えることなくその考えが受け継がれていることに驚きを禁じ得ない。
     複雑に入り組んだ神智学の系譜を丁寧に説明していて分かりやすく...続きを読む
  • 現代オカルトの根源
    高次の存在からの指導の下、輪廻転生の中で己の魂を高みへと引き上げる。悪しき存在の誘惑にもかかわらず人類皆が高みへ登ればそこにユートピアが誕生する。

    このように人間の魂は進化・成長し高次の存在となることができるという「霊性進化論」の考え方は19世紀後半「神智学」を展開したブラヴァッキー夫人にまで遡る...続きを読む