木村紀子のレビュー一覧

  • 「食いもの」の神語り 言葉が伝える太古の列島食
    万葉言葉から、古代の生活を組みたてる本。私がこの著者を信頼するのは、まるで縄文から使われてきたような古い言葉だとは滅多に言わない。それなりに節度を持って、言葉の考古学を構築しているため。

    ・スサとは「吹きスサぶ・荒れスサぶ」。ヲは男。スサノヲに意訳の記載はなく、一貫して素戔嗚尊。スサノヲに該当する...続きを読む
  • 地名の原景
    古代ことは、やはりわからないことが多すぎる。
    研究者も、わずかな資料をもとに推定する。
    ときに、かなり大胆な想定まですることがある。
    そうした古代を論ずる面白さと、難しさが本書により改めて感じられる。

    川(かは)は、古代の発音では「かぱ」。
    あの川の精霊河童に通ずる。
    たしかに!

    原は「パラっと...続きを読む
  • 地名の原景
    <目次>
    第1章  日本列島の源景語
    第2章  国名以前の地名と国名の生いたち
    第3章  先史を秘めた奇妙な当て字地名

    <内容>
    古代の国語の研究者による、地名の由来を解いた本。ベテランらしく、おっとりとでも確実な説得力を持つ論説。研究に裏打ちされているので、納得感も高い。学生時代まで、地名を研究...続きを読む