中村理聖のレビュー一覧

  • 砂漠の青がとける夜
    月と六ペンスでふと手に取った1冊。出てくる少年の言葉がすごく素敵で、繊細で、でもどこか痛々しいかんじ。この本に対する評価がそんなにされていないのが不思議で、でもこれが評価されてしまうと孤独が絶望に変わってしまう気がするので、この作者は私の隣にいてくれるのだという安心感をいただける場所にしたい。
  • 砂漠の青がとける夜
    感想をまとめるのがとても難しい小説だった。

    第一印象では『甘さ』『愛してる』がキーワードとして沢山描かれていると感じ、小説の中で『甘さ』は感情を表していますがそれは一つの感情だけではないと思いました。

    ●『甘さ』に関する疑問点
    小説の最初の方で、主人公の女性・美月は雑誌編集をするにあたってパンケ...続きを読む
  • 若葉の宿
    若葉があまりにも幼くてイラっとしてしまい、最初はあまり良い印象ではなかった。
    舞台が京都なのと千早茜さんのTwitterで紹介されてたので購入した本作。
    なんだか微妙だなぁと思いながら読んでいたのだけど、途中からなぜだが本の中の情景が頭に自然と描かれ、いつのまにか馴染んで読んでしまった。
    予想通りの...続きを読む
  • 砂漠の青がとける夜
    注意:今回はいつもより多分に私見が入っており、なおかつそれゆえに作者さんの思惑通りの解釈をできていない可能性が高いです。以上をご理解のうえ、書評をご覧ください。

    この小説、ヤバい。

    亡き父の料理店をカフェに改装した姉から手伝いを頼まれたことを機に、東京での出版社勤めをやめてウェイトレスになった主...続きを読む
  • 砂漠の青がとける夜
    福井の書店にて。地元出身の作家さんってことで推されてたんだよね。年齢が近めだったこともあり気になって。そういえば新人賞の作品を近い間隔で読んでるなぁ。
    雑誌の編集者の主人公は言葉と自分の思いのギャップ違和感を覚えてきて、仕事をやめて京都で姉と喫茶店をやっている。「そのひとの声と重なって、本音や自分す...続きを読む
  • 砂漠の青がとける夜
    作者が”空気”感を大事にしているのが良く分かる作品だった。空のペットボトルに空気を詰めるデートは本人達にとっては真剣でロマンティックだったんだろうな。私がどこかに遊びに行って、ペットボトルに空気入れている人がいたらびっくりするけれど(苦笑)
  • 砂漠の青がとける夜
    東京で過ごしていた日々を、京都で過ごすようになって思い出す数々のこと。

    東京で雑誌の記者として何十軒のお店を回っていたこと。
    結婚している溝端さんとずるずるとした関係を捨てて
    京都にいる菜々子姉ちゃんのカフェを手伝う日々を送る美月。

    カフェに1人でやってくる中学生の準くん。
    自分に無関心な両親と...続きを読む
  • 砂漠の青がとける夜
    京都が舞台の小説なので、京都が大好きなわたしには情景が浮かんでとても良かった。
    すごく繊細なお話だと思う。主人公の美月、姉の菜々子、織田、準、みんなそれぞれ切ないものを抱えている。準がこのまま心が綺麗なままに育っていってもらえればいいのになあと思いました。
  • 若葉の宿
    文章や話しの進め方が丁寧に書いてあるので、つい読んでしまった。
    主人公がヘタレであまり共感できなかったし、共感できる登場人物もいなかった。
    周りの人が主人公のことを「こういう人物だ」と決めつけて表現する場面が何箇所もあり、もしかしたら、全て主人公の脳内の出来事なんでは?と想像してしまった。
  • 砂漠の青がとける夜
    結局なにが言いたいのか全くわからなかったけど、文章が綺麗で読んでいて、京都の淡い感じと色んなものが混ざった不思議な感覚を感じた。
    うーん。自分で感想書いててイマイチわからん。
  • 若葉の宿
    京都で町屋旅館を経営している祖父母と暮らしている若葉。大手老舗旅館紺田屋で新人仲居として働いている。実家が旅館とはいえ、慣れない仲居の仕事で、叱られることばかり。また、父親を知らず、母も家を出たまま行方知れずという境遇から、自分に自信が持てないでいる。そんな若葉が、周りの人たちや、仕事と向き合うこと...続きを読む