須藤佑実のレビュー一覧

  • みやこ美人夜話
    同作者の『包帯少女期間』がとても良い短編集となっていたため、つられてこちらも購入。

    社畜くんは務めていたブラック企業を辞めたというのに、ふとした瞬間に恐ろしい羊顔上司が見える幻覚に悩まされ、怖くて逃げ込んだお店にいたのが不思議な雰囲気のミヤコという女──

    この作品は不思議京女ミヤコのお悩み相談室...続きを読む
  • 麦本三歩の好きなもの (1) 【電子限定おまけ付き】
    少しのだめに似ている画風とキャラクター。
    三歩ちゃんがかわいいです。
    原作では奇声(?)を発することが多くて、遠くから見ていたいタイプでしたが、こちらの本ではそんなことなく、楽しく読みました。
    (と言いつつ、原作も好きです。特に三歩ちゃんの休日を描いた章が)
    第2巻、お待ちしています。
  • 流寓の姉弟

    親子の、

    文学とファンタジーの間のようなお話だと思いました。
    親と子供の、のどの奥がきゅうっとなるような切なさがあり、お話の展開にどんどん引き込まれて行きました。
  • 夢の端々(上)

    文学的な作品

    お話の進み方が丁寧で美しくて、説明し過ぎないところが好きです。
    すごく暗くて重い話になりそうなのに、絵柄で中和されて読みやすいです。
  • 夢の端々(下)

    時代をなぞって

    今この時代でこの作品が出されたことに意味があるように感じました。
    キャラクターが本当に生きているような生々しさがありました。
  • 夢の端々(下)
    学生時代の貴代子は眩しく輝いていて、そんな彼女が最終的にああなってしまうしかない時代だったのだなぁという悔しさを強く感じる。
    一方のミツは、もしかしたら「自分の中のこうあるべきだった貴代子」をなぞるように生きたのかなぁ……とも。
  • 夢の端々(上)

    エモい·····

    昔は世間体やら理解してもらえない事などがあって、自分に正直になれない人達が沢山いたんじゃないかと考えさせられました。(現代はどうかといったら微妙なところだけど···)

    現代から過去へ時代を掘り下げていく展開がまるで映画やドラマを観ているかのように感じました。
    是非実写化してほしいっ·······!...続きを読む
  • 夢の端々(下)
    第1章に登場する主人公2人は何れも85歳。2章以降は、時期を遡りながら話が進んでいく実験的な上・下2冊本。

    完全には回収されていない伏線もあるが、これは描かれているのがあくまでも、晩年に浮かんだ「夢の端々」だからだろう。良い意味で1回読むだけでは理解しきれない内容を含んでいて、簡単には要約しづらい...続きを読む
  • みやこ美人夜話
    おもに京都を舞台とする6編の連作短編集。いずれも芯の強い登場人物が、魅力的に描かれている。1編目はネットで全て公開されているので、これがよければ他の話も気に入るだろう。冬の夜長に(もちろん、他の季節も)くつろぎながら手に取れる作品。
  • Avalon Alter -karma-
    最高〜!
    個人的に、暗めなお話が好きなのが大きいとは思うけど、どの話も一筋縄ではいかない感じ、人間の心の闇?みたいなものも感じるし、リアルなところ、リアルじゃないところ、両方あって、平坦でないところも好き。
  • 夢の端々(下)

    はっきり言って

    素晴らし過ぎる。


    断片的なまま、
    でも自分ですら自分の事もそんな程度の把握しかできていないのかもしれない。
    あえて深掘りせず、
    下手に冗長に詳細に描くよりも、
    印象的。

    パチンコのシーン、女学生たちの旅や手紙のシーンなんかは、小津作品を彷彿とさせる。

    人の数だけロマンと...続きを読む
  • Avalon Alter -karma-
  • ミッドナイトブルー
    心の機微を繊細に絶妙に描く短篇集。
    作者、須藤佑実さんは天才だと感じました。私の拙い表現力では伝えきれないほど素敵な作品でした。
    まず、絵が繊細できれいで、登場人物たちの心情の機微を表現していました。
    次に、物語が秀逸です。好きだという気持ちを、直接言わずに伝えていく表現、とても文学的だと感じました...続きを読む
  • ミッドナイトブルー

    表紙や装丁の雰囲気から、もっとサブカルっぽい漫画を想像していたが、中身は胸キュンな少女マンガ的短編集だった。どの話も面白かった! 垂れ目の女性の描写がとても魅力的。
  • 夢の端々(上)

    時代に翻弄される

    2018年、85歳を迎えた伊藤貴代子は認知症を患い孫のことを娘と間違えてしまうこともしばしばあった。
    そんな彼女のもとを旧知の仲の園田ミツが時々訪ねてくる。
    娘や孫には友人同士として通っている二人ではあるがかつては恋人同士だった。
    しかし時代がそれを許してはくれず、貴代子の見合いと結婚によって二人は...続きを読む
  • 夢の端々(上)
    同性同士の恋愛が比喩や偏見でなく本当に「許されざる恋」だった時代を生きてきたおばあちゃん達の記憶を辿るような、過去へ過去へと遡っていく構成が印象的。
    二人の人生の終わり際はあまりに平凡、そこに至るまでの道も決してドラマチックではないのだけれど……だからこそ、彼女たちの青春時代に何があったのか、下巻が...続きを読む
  • 夢の端々(上)
    過去を遡っていく構成と語り口が映画のようであった。様々な時代が描かれ、その時代時代の空気が漂ってくる。60年代の煙たそうな喫茶店や騒がしい旅館が色々な映画のワンシーンとリンクして一層映画みを増していく。もう映画化してくれと願うと同時に、これが完成形かもしれないとも思う、素晴らしい作品でした。
  • 夢の端々(上)

    キヨコに。

    キヨコに凄く感情移入しました。
    私もこんな風に生きてます。

    こんなドラマチックじゃないし、相手の人に受け入れられたわけでもないけど。
    その点ではキヨコかなり羨ましい 笑

    共依存関係とも言われる、母子関係の癒着を友人間にシフトでやる人々ってのは実際にたくさんいる。
    女性というのはもと...続きを読む
  • Avalon -bloom-
    王道の百合漫画だと思います。
    8話収録されている内の半分ほどが学生もので、社会人の百合も収録されています。
    異世界もの?の百合もあり、珍しく新鮮だなと感じました。
    絵柄もストーリー性も綺麗で面白いと思いますが、個人的にもう少し病み要素のある百合の方が好きだったので、星4にしていますが、十二分に百合漫...続きを読む
  • 流寓の姉弟
    母親に捨てられた過去を持つヒロインと不思議な力(願えば行きたい場所や時間に行ける)を持つ少女とその弟の話なのだが、幻想小説のような雰囲気がある。