木下眞穂のレビュー一覧

  • エルサレム
    出版されると同時に本国、世界で大ヒット。だっておもろいもん。でも万人受けってわけでもなく明るく爽やかスキッと、っていう感じは全然ないんだけども。現代って忖度とか、「そういうつもりじゃなかった」「そうは言ってはいないんだけど」みたいな、なんでしょう、赤ちゃんがなかなか眠いくせになかなか寝てくれなくて、...続きを読む
  • 不倫
    完璧な夫と子どもに恵まれたジャーナリストの女性が、激情に駆られ不倫をする話。満たされ安定した生活が約束された人生に意義を見いだせず鬱状態になってしまう。そこから自らの力で刺激ある人生を謳歌しようとする。刹那の欲望に溺れながら傷ついてく彼女は、ついに真実の愛に辿り着く。不倫という不貞を美しい物語に仕立...続きを読む
  • 不倫
    あの『アルケミスト』のコエーリョが?と、ずっと気になっていた本は、その名も『不倫』。
    出版当初に賛否両論の的となったこのタイトルから、内容も大きく外れはしない。
    しかし、主題は恋愛などではない。
     
     
     
    曰く「世界でも有数の安全な国」に暮らすリンダは、ジャーナリストとして有力新聞社に所属。
    聡明...続きを読む
  • エルサレム
    それぞれの抱える闇や苦しみが繋がっていく。
    誰にも言えないものがどこかで少しずつ露呈していく怖さが淡々とした文章で書かれていておすすめです。
    割と短い章立てなので読みやすい。
    点と点が繋がっていく様は群像系の海外ドラマを彷彿とさせる。
  • エルサレム
    ミリアは激痛に耐えて夜中の街を彷徨っていた。10代で統合失調症に罹り、担当医のテオドールと結婚し離婚。

    登場人物全員、ミリアの子である12歳のカースですらどこか不穏でおかしい。散漫に見せかけた物語の展開の中でそこかしこに事件へのトリガーが散りばめられていた。

    本作は彷徨感の強い作品だが、殺人の原...続きを読む
  • エルサレム
    題名はあとがきによると「エルサレムよ、もしも、わたしがあなたを忘れるなら、わたしの右手はなえるがよい」という旧約聖書の詩編から。

    ただ入り乱れた時系列の中、読者はいったり来たりしながら結末にたどりついても、腕がなえることはない。というよりなえさせてはくれない。そこに救いなどないが、絡み付くように読...続きを読む
  • エルサレム
    精神世界での話が主でありとても高等なように見せられ(下等なものが悪いわけではない嗜好の問題だ)奥深くまでに入り込んだ心と傷の迷宮のような作品はある一定の読者を獲得するだろうと思った。時系列ではなく、登場人物を変えながら進んでいくストーリーは良い意味で読みやすくもあった。
    これはポルトガルでベストセラ...続きを読む
  • エルサレム
    決して面白可笑しい話でもないし、ときめく話でもないのだが、なぜか一気読みしてしまった。なんだろう、この奇怪さは。

    ミリアの造型には、フォークナー『八月の光』のリーナを連想してしまった。

    ヒンネルクは結局なんなんだ。カースの意味はなんなんだ、あんまりだと思ってしまうのだが。なんのために、なんのため...続きを読む
  • ブリーダ
    アルケミスト作者の3作目!
    魔女と魔術師のお話。現実的ではないけど、でもどこかリアルな感じで、共感する部分が多い話だった。
  • エルサレム
    空気感が独特。薄ら寒くて、暗くて重苦しい空気をずっとまとってるかんじ。
    平常と異常、満足と枯渇、賢者と狂人、美と醜、明と暗、与える者と施される者、虐げる者と見下される者、内と外、生と死。常に紙一重で、自分がどちらにいるかは気づかない…
    話の展開は面白いが、途中宗教要素もあり、少し読みにくいかな。

  • 不倫
    ダイレクトすぎるタイトルに興味を惹かれて手に取った一冊。「アルケミスト」が好きで、今回もスピリチュアルな世界、心と向き合う精神世界が描かれている。堕ちるところまで堕ちる主人公、でも彼女は恵まれている。
  • ザ・スパイ
    第一次大戦下で男達を魅了した女性スパイ、マタ・ハリの人生を描いた作品。史実に基づいた物語である。マタ・ハリは、フランスとドイツの二重スパイとして銃殺刑に処されてしまう。女性の尊厳を踏みにじられながらも、自由と自分らしさを求めて自らの姓を捨て、踊り子マタ・ハリの人生を演じきった。苦難に打ちひしがれるこ...続きを読む
  • エルサレム
    読んだ事の無いタイプの物語。
    文章は読みやすく、しかし物語は難しかった。

    エルサレム、教会、聖書の一節、ヨーロッパの歴史観などなど…私にもっと知識が有れば…という感じ。

    そのうち再読してみたい。
  • ザ・スパイ
    華麗な女スパイを想像していたのですが……うん、現実は……運のなかった女なのか、自分をドラマティックに魅せることに成功した女だったのか。 #マタハリ #ザスパイ #読書 #本
  • ブリーダ
    再読。(読んだ記憶はあるが、内容は覚えていなかった)
    オカルト的な部分はやはり苦手。
    小説として面白いというより、挿入エピソードで共感できる部分がたまに出てくる、くらいな本。
  • ブリーダ
    魔女になろうとするアイルランドの女子大生の話。
    登場する魔女の名前のウィッカは、「魔術師」のことで、ケルトに源流を持つ多神教信仰宗教のひとつでもあるそうです。(訳者あとがきから)
    調べると、多神教信仰宗教にウィッカ魔術というものがあり、1950年ころジェラルド・B・ガードナーが再構築した宗教と考えら...続きを読む