井上里のレビュー一覧
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誘拐事件の解決ドラマと思いきや、事件が起こった町で生きる人々の話
ソ連時代と現在の世代間の分断、先住民族と白人との分断
とても作者が同年代と思えないほど、語り手一人ひとりの生活が丹念に描かれているPosted by ブクログ -
斬新な構成で、実験的というのは確か。経済史でありファミリーヒストリーでもある、と見せかけて自分勝手な男性の片鱗を見せつける奥深い作品でした。誰もが自分のストーリーを語りたがるとはいえ、あんまりでは、、と思えてしまいます。アイダが見つけてくれてよかった。
#夏の読書感想文Posted by ブクログ -
小説を読んでこんなに心が痛むのははじめてだった。ある意味ではハッピーエンド的な終わり方かもしれないけれど、リリヤ、ソフィヤ、アリョーナその後のことを考えるとまた苦しくなる。3人の母親だってきっと手放しには幸せを謳歌できない。犯罪の被害に遭うこと、そのことで残る痛みまで想像させる。Posted by ブクログ
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カムチャッカを舞台に、複数の女性を月ごとに主人公にした小説。
とっかかりは幼い姉妹の失踪事件だが、事件の解決とかはあまり重きは置いてなく、土地ならではの閉塞感が女性の視点で描かれる。原住民、有色者への蔑視も見え隠れして、重厚だった。Posted by ブクログ -
すごかった、と思う。
すごくずしっと来たものもあるけれど、ロシアという国の中の人種の関係性に無知なので理解できていないところもあるかと思う。
でも、それでも女性という立場だからこその何かを感じる。わかる、とは、私の知識では安易に言えないけれど。私の語彙力ではうまく言葉にできないのがもどかしい。Posted by ブクログ -
みんな何かを失いながら生きてるんだな。
それでも緩やかにつながっているのだ。
そんなことを考えさせられる、カムチャッカ半島に住むロシア人と先住民の女性たちの物語。Posted by ブクログ