ジェラルド・グローマーのレビュー一覧
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やっぱり芸術には保護者が必要なんだ。
そのうえで芸術家が保護者に隷属していない環境になれば最高なんだけど、最高の期間は短い。
ウィーンは宮廷が音楽を愛したから作品を求められた。だから作曲家が集まってきたのだけど、実はその期間は短い。
かのベートーヴェンでさえ、自らが作りたい音楽と聴衆が求める音楽との...続きを読むPosted by ブクログ -
2005年5月25日。新潟県にある福祉施設で「最後の瞽女(ごぜ)」
と言われた小林ハルが亡くなった。
録音であったが、彼女の唄を聴いたことがある。決して美声では
ない。だが、低く重く響く声は足元を揺さぶるような迫力があった。
瞽女(ごぜ)。視覚に障害を持つ女性の旅芸人のことである。
本書は瞽女の...続きを読むPosted by ブクログ -
私が今まで読んだ瞽女の本が、瞽女個人に焦点を当てたものに対して、この本は社会的な位置から瞽女のうたについて書かれている本、と思ったら著者さんは社会ではなくて音楽の方だと言うことに、最終章を読んで気づく。
うた、というものが、それを聞く環境を踏まえた文化であると思い知らされる。Posted by ブクログ -
帯に、「それほど昔ではなかった」とある。確かに、私もその存在を知らなかった。だが、彼女らが芸能の重要な役割を担っていたことは事実であり、著者が提起する問題、現代の我々がごぜうたをどのように聴くべきか、は重要だと思う。
(2015.2)Posted by ブクログ -
瞽女さんの歌自体聞いたことないので、どんなもんかわからない。
でも興味深い。
明治までの視覚障がい者がどんなもんであったのかも、なんとなく知ることができた。Posted by ブクログ -
・ 私には瞽女は越後の瞽女である。3人で雪の中を門付けして歩く盲目の女性芸人である。実際、私以外の人もまた瞽女と言へば越後の瞽女を思ひ浮かべるのではないだらうか。私は彼女達しか知らないし、私の時代には彼女達しか存在してゐなかつたのである。ところが、瞽女といふのはそれだけではなかつた。ジェラルド・グロ...続きを読むPosted by ブクログ
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瞽女の存在を知ったのは「はなれ瞽女おりん」が映画化された時。
今回この『瞽女うた』を読み、また思い出して映画を見てみた。当時は本を読んだだけだったのだ。
日本人でさえ瞽女の存在を知らない人もいるのに、アメリカ人で、しかも日本語でこの本を執筆したのは感心する。どうしてそんなに瞽女に興味を持ったのか。...続きを読むPosted by ブクログ -
なんと・・日本語を第二外国語にする人が著者。
学究とはすごいものだな。
とはいえ、決して、文化をおろそかにした日本人批判ではない。そうではなくて、鑑賞者の聴こうとする努力がなくなったことが、廃れさせた原因だという。聴くには努力がいるのだ。まさにその通りだと思う。
安易に聞き流し、飽きたら捨て、容易に...続きを読むPosted by ブクログ