小林エリカのレビュー一覧

  • 最後の挨拶 His Last Bow
    最後、ドラマチックに全ての違う時間の場所の、物語が集結していって、涙をだらだら流しながら読みました。読後感が素晴らしい。。。。
    どんな時代にも、辛いことや苦しいことを抱えて、人が生き抜いて、そして死んでいって、その人生は少しづつ誰かが受け継いでいって・・・
    これが読めて嬉しい。
  • 最後の挨拶 His Last Bow
    感想
    家族の足跡を追う。どうやって親になったのか。何を見てきたのか。自分が今生きていることの証を手に入れ明日を生きていく気力をもらう。
  • 最後の挨拶 His Last Bow
    亡くなった父について書かれているということだけでキュンとする。
    「交霊」も読んで、生と死の境目は意外と曖昧なものだと感じる(信じる)時が自分にもいつか来るのだろうかと思った。
  • 走る?
    14人の新進気鋭の作家たちが、Number Doに寄稿した「走ること」に関する短編集。走る気になる作と、ならない作があるが、作家さんたちがランナーという訳ではないので仕方ない。でも、その著者なりの「走る」ということの考え方がなんとなくわかり面白かった。
  • 最後の挨拶 His Last Bow
    「シャーロック・ホームズの翻訳者だった父が倒れ、四姉妹の末っ子リブロは家族の歴史をたどりなおす。時空を超えて紡がれる、風変りでいとしいファミリー・ストーリー。」(講談社紹介文より)

    タイトルはもちろん、ホームズ作品からの引用。また家族の会話の中にもホームズネタが織り込まれている。

    犬の名前、夕食...続きを読む
  • 最後の挨拶 His Last Bow
    娘が父の生涯を語るお話。今と父の過去と行きつ戻りつ、淡々と語られる。一種の伝記なのでしょうか。家族の歴史というにはちょっとうすいかなと…。
  • マダム・キュリーと朝食を
    雑誌ブルータスの読書入門で、小林エリカさんの記事「人の日記を読み比べる」を読んで手に取った本。とても難解な小説。核やエネルギーに関する歴史的な話が多く出てくるけどそれはメインではない。遺伝子と放射線、時間と空間、それらが記憶と絡み合う。全然伝わらないと思いますがそんな物語。読後はぐったりでした。解説...続きを読む
  • マダム・キュリーと朝食を
    近代以降の米国科学技術史の断片を完全に混ぜこぜにして、作者の感性でちりばめながら再構成されて。時には2011年に飛んで時空も混ぜながら、猫と私の間を行き来して進んでいくが、教訓的でもなく、押し付けるでもないが、心に圧は感じる。そんな作品で、どちらかというと余韻を楽しむ作品ではないかと感じました。忘れ...続きを読む
  • 走る?
    スポーツ雑誌 NUMBER Doに連載されたランを題材にした短編小説を集めたアンソロジー。

    ランナーではなく、ランを題材にしているってのがポイント。王道に走る楽しみを描いた小説だけではなく、走ることがイヤになる小説、走らされる小説等各種色が揃っている。出来もマチマチで、トータルで評価すると凡作って...続きを読む
  • 走る?
    走るがテーマですと言われて作家は書くのだろうか?
    走らないこと、走ると飛ぶを比べる人、追いかける人、
    いろいろ読めて面白かった。

    俳優の岩松了のが、なんか後味ぞくっとする。

    「熊の夜戦」
    「いびきが月に届くまで」
    「パン、買ってこい」
    もよかった。
  • 彼女は鏡の中を覗きこむ
    1人の女性の人生と終わらない原子力の歴史。

    母が身につけていた指輪と、4姉妹との温泉旅行と、祖母の形見の指輪をつけたことで見る夢。

    シーという薬の飲むことで一時的に視界が塞がり、海へドライブデートする謎の行為で母は死に、娘もまた同じことを繰り返していること。

    世界から木や紙の本がなくなった世界...続きを読む
  • マダム・キュリーと朝食を
    光すなわちラジウム、放射能。その光を追い続ける不思議な猫と、震災の年に生まれた少女が主人公。猫は時代も場所も飛び越えて自分の祖母や母の姿を目にします。不思議なストーリー。
  • 走る?
    未読の作家のたくさんつまったオムニバス。それぞれの作家の傾向と実力の片鱗がうかかわれて楽しい読書だった。
    走るということは苦しいけど楽しい。そんなテーマに集まった作家たちの目の付け所がみどころか。
  • 走る?
    Number Doに連載されていた
    「走る」をテーマにしたアンソロジー

    ある意味読書の対極にあるものが題材ということで、
    なかなかおもしろい切り口だなと思い。

    14本の短編のうち、良かったのベスト3は
    「パン、買ってこい」 中田永一
    「ベランダと道路」 柴崎友香
    「リスタート」 恒川光太郎
    です...続きを読む
  • 走る?
    「走る」をテーマに14人の作家が競作。
    日々のランニングのモチベーションが上がるような疾走感あふれる作品が収録してあるのかと思いつつ手に取りましたが、そこは実力派の先生方。凡人の思い通りにはいきません。思わず膝を打ち、唸ってしまうような「走る」小説が並び、裏切られました(喜)

    14本どれもが個性的...続きを読む
  • 彼女は鏡の中を覗きこむ
    ひと息で読んでしまった。生のはかなさ、人間の欲の深さが伝わる。母と娘の命のつながり、引き継いでいくのは血だけではないように感じる。