とても面白く読みました。
私が子供のころには、「ムー」とか「UFOと宇宙」とか
かなり怪しい「オカルト物」の雑誌が元気で(^ ^;
小学○年生とか、週刊○○みたいな子ども向け雑誌でも
「オカルト特集」みたいのがいっぱいあって(^ ^;
言ってみれば「オウム世代」なわけですが(^ ^;
で、これ
...続きを読むらに「はまった」経験のある方なら、
苦くて甘酸っぱい気持ちで読める本です。
著者は、言わずと知れた多彩な芸人で、
やはり同じく子供のころに「はまった」口で。
現在はテレビなどで見てオカルト「否定派」と
思っている方が多いようなのですが、
当人は肯定でも否定でもなく「懐疑派」と。
やみくもに肯定も否定もする訳ではなく、
一つ一つの現象を面白がりつつ(ここ重要)、
極めて冷静に観察し、吟味し、
納得できなければ指摘し、糾弾する。
外国から来た某「スプーン曲げ芸人」の前で
よりスマートにスプーンを曲げてみせるような
「やんちゃ」もしたりしつて(^ ^;
という著者が、UFOだの宇宙人だのUMAだの
呪いだの人間消失だのと言ったオカルトネタを
快刀乱麻に切りまくるという本書。
残念ながら、取り上げられている全てのネタが
著者によって「ニセモノ」「迷信」として
喝破されてしまっております。
が、私には分かる気がするのですが、
著者はこれらオカルト物に対して、
今でも衰えることのない「愛」と興味を持ってる。
懐疑的であるということは、裏を返せば
「どんなに疑っても本物としか思えない現象」
に出会えることを熱望しているということでは。
これは「研究者」の態度としては全く正しい。
実は私の祖父は民俗学者で、
恐山のイタコの研究をしていたし、
父親もスプーン曲げだの念写だのの
「研究する側」の人間だったことがあり(^ ^;
だから、本書で紹介され、断罪されている人には
親父が「研究」してた人も出てくるわけで(^ ^;
私も会ったことありますもん(^ ^;
で、この親父がキッチュ氏と同じことを言ってた。
「俺は好きだから資料も集めるし研究するけど、
例えば目の前に空飛ぶ円盤が降りてきて、
中から変な奴が出てきて『金星から来ました』
とか言うまで信じはしない」と(^ ^
これが清く正しい研究者の姿では。
科学的にブレのない実験をして、例えば
「どうしても透視能力がある、と仮定しないと
成り立たない実験結果」が出るまでは
信じてはいても「盲信」はしない、という。
「盲信」したら「宗教」ですもん(^ ^;
...長々と個人的なことを書いてしまったが、
こんな親父の元で育った私としては、
当然子供のころは「はまった」口でして(^ ^
そう言う意味ではキッチュ氏と同様
苦くも甘酸っぱい思いで読ませていただきました。
が、ですね(^ ^; 本書で
「この実験自体にこれこれの瑕疵があるから
信用できん」みたいに書かれてるネタで、
目の前でその条件をクリアした中で
「成功」した事例を私は見ていたりするので(^ ^
機会があれば、著者とじっくり話してみたいものである。
ま、そんな機会などなかろうが(^ ^;