岩田靖夫のレビュー一覧

  • パイドン 魂の不死について
    とても読みやすかった。魂の不死を考えるとき、どう生きるかということも同時に考える。何度読んでも発見があると思われる。
  • パイドン 魂の不死について
    プラトン3冊目。いよいよソクラテスの死刑当日。

    ある日、横断歩道で信号を待っている時、今一歩踏み出しせば交通事故で一瞬で生から死の状態になるのだと不思議に思ったことがある。しかしこれは自殺行為であり、プラトンによると、我々人間は神の所有物(奴隷)であるため、勝手に死ぬこと(自殺)は裁きを受けること...続きを読む
  • パイドン 魂の不死について
    議論はあちこちに行くがシンプルな本である。

    死は生よりもよいものである。
    ただし、自ら求めてはいけない。死が与えられるのを待たねばならない。
    でなければ、現世の神への背信行為となってしまう。

    では、いかにして待つのか。
    死の準備である哲学によってである。
    哲学とは、死すべきものである肉体から、魂...続きを読む
  • パイドン 魂の不死について
    前半のイデア論にもとづく霊魂不滅の証明もおもしろいが、終盤の、ギリシア人が信じる死後の裁きとあの世の物語に関するソクラテス(プラトン)の向き合い方(p167)や、ソクラテスが毒薬を飲む前後のドラマチックな描写も印象的。プラトンはすごい。読み慣れてくるとクセになりそう。訳も読みやすくてよい。
  • パイドン 魂の不死について
    本書はプラトンの代表作のひとつで、ソクラテスの刑死の日に、ソクラテスと弟子たちとの間で議論された「魂の不滅」について、その場にいた一人のパイドンが、その日のことについて尋ねてきたピタゴラス派の哲学者のエケクラテスに話をするという形式で進む対話篇です。

    紀元前三九九年の春、ソクラテスは謂れのない罪で...続きを読む
  • パイドン 魂の不死について
    政治思想のレポートのために読破。思想系のものは難しそうというイメージがあったがとても面白く読みごたえがあり、視野が開けたかんじ。
  • パイドン 魂の不死について
    池田さんが魂を考えるにあたって、いつも語っていたため。
    ソクラテスが毒杯を仰ぐちょうどその日。彼は死にゆくことについて最後のことばを紡ぐ。
    生と死。当たり前に人間に与えられた、紛うことない事実。そして、それを考えていけば、どうしたって「ある」「ない」という「存在」に辿り着いてしまう。果てのない堂々巡...続きを読む
  • パイドン 魂の不死について
    ソクラテス先生 最後の授業の巻。

    ソクラテス四大福音書の一つらしい。
    死後の魂についての議論だが、
    話はこの世界の成り立ち全般に及ぶ。

    「人間という存在は魂と肉体により成り立っている」
    という古代ギリシア人の考えが前提条件になっているが、
    科学の発達により当時より解明が進んだ現在となっては、
    ...続きを読む
  • よく生きる
    ソクラテスや福沢諭吉などの話などを出し、「よく生きる」ということを解説している。

    人間の長い歴史の中でようやくたどりついた民主主義。人は自由に生きることが大事であって命令や権力に左右されるべきではない。自己実現が生きることであるが、人間が本質的に持つエゴイズムがそこにはどうしても現れてくる。
    ...続きを読む
  • パイドン 魂の不死について
    ソクラテスと論客の丁寧な対話は二千何百年の隔たりにもかかわらず新鮮に見えるものだなーと。
    結論はさておき、死を目前にした状況でなお、愉快そうにかつ真摯に議論するソクラテスを見、その死の描写を見た後でも、何か余韻によって生きていて、何かを語っているかのような錯覚があった。
  • 増補 ソクラテス
    著書を残さなかったソクラテスの思想、信念とはいかなるものであったのか、明快な論理で考察している。
    正直教科書とか概説本を読んでいる限りでは逆張りやソフィストとの違いがよく分からないソクラテスなんだけど、徳をなし、善く生きるという哲学の核、超越的な「ダイモ二オン」への敬虔な姿勢が一貫してあることが分か...続きを読む
  • パイドン 魂の不死について
    魂は不滅であり、死とは魂の肉体からの解放であるということを、これは一体何段論法なんだ?というぐらい理屈で証明していく、死刑直前のソクラテスを描いたもの。

    真理に到達する、善く生きることができる人について、「純粋な思惟それ自体のみを用いて、存在するもののそれぞれについて純粋なそのもの自体を追求しよう...続きを読む
  • パイドン 魂の不死について
    学生時代にソクラテスやプラトンを知ってから、ずっと読んでみたいとは思っていた。今、この年齢になって読んでみて、どういうふうに生きることが幸せなんだろうか、という基本的な問いにまた思いを馳せている。
    「魂の不死」を信じる生き方。逆に「魂の滅」。ソクラテスはもちろん不死を信じて、従容として毒をあおり、旅...続きを読む
  • ギリシア哲学入門
    ギリシア哲学を主に研究してきた著者が、各種雑誌に寄せた文や講演録を集めたもの。講演をもとにした第1章は散漫、第6章・第7章は本のタイトルにはそぐわない。しかし、ギリシア思想に限らずハイデガーの思想等について、こういう手頃な説明の仕方があったか、と思わせるような表現が各所にあり、参考になった。
  • よく生きる
    新書にしては大変重量のある内容であり、質、量ともに充実していた。
    よく生きる、というテーマについて導き出されたいくつかの提案は、是非とも自分の目で目にするべきだと思うが、特に感銘を受けたのは、第3章の「神について」である。

    その存在についてスピリチュアルな考察をするのではなく、よく生きないといけな...続きを読む
  • パイドン 魂の不死について
    ソクラテスがその死の直前に語ったとして展開される魂の不死・不滅についての議論。
    彼の最期の場面に相応しく劇的な雰囲気で述べられるこの議論は、緊張感もあり議論も割とわかりやすいので、『プラトン』の中では読みやすい方なのではないだろうか。

    ソクラテスがいよいよ毒をあおり刑死するその当日、皆が最後の別れ...続きを読む
  • ギリシア哲学入門
    ギリシア哲学を基礎から学ぼうと考えて読んだので、少々期待はずれであった。内容自体は読みやすいし、面白いが、印象は薄い。
  • パイドン 魂の不死について
    ・死刑宣告を受けたソクラテスが、毒杯をあおるまさにその当日に二人の弟子と交わした最後の対話。「哲学者は死を恐れない。なぜなら哲学することは死ぬことの練習であるからだ」という印象的なテーゼをめぐって対話が進んでいく。

    ・人間は肉体と魂から成り立っているが、肉体は快楽を目指し、魂は真善美を目指す。そし...続きを読む
  • パイドン 魂の不死について
    この書の主なテーマである魂の不滅についての証明は、少々ややこしかった。
    それよりは、(プラトンの書く)ソクラテスが死に対してどのような態度で望むか、哲学者として生きるということはどういうことかを述べているところが面白い。

    「(哲学者とは)純粋な思惟それ自体のみを用いて、存在するもののそれぞれについ...続きを読む
  • パイドン 魂の不死について
    プラトン三冊目。ソクラテスが毒をあおいで死ぬ日にみなと対話したのをパイドンが語っていく。

    内容としてはソクラテスの死を嘆き悲しむ弟子たちに対して、死が一切の消滅ではなく、イデア論によると魂はむしろ不死であり、悲しむものではないことを諭していく。しかし、ソクラテスの言葉に対し、シミアスとケベスが徹底...続きを読む