青山拓央のレビュー一覧

  • 心にとって時間とは何か
    素晴らしい本と感じた。
    研究手法についての考察や物事の思考過程と思考実験に際しての洞察、参考文献など食い入るように読んでしまった。
    何度も繰り返し読みたい本でした。
    特に責任について、現在について、不死についてがもっとも読んでいてハマってしまった章でした。
  • 心にとって時間とは何か
    何かを議論しようとするとき、コメントしようとするときに、その領域でこれまで議論されてきたことがらをまず目の前に並べてみることが大事で、それはできれば複数の学問からの視点であるとなお良いです。本書は、時間とはどういうものなのか?について、論じていますが、なにか結論を出すようなことを目的としておらず、ま...続きを読む
  • 心にとって時間とは何か
    作者の学問と人生の謎に対する真剣な姿勢に尊敬する。

    難解でしたが、すごく面白かった。
    「今の錯覚」、「自由意志」、「塵理論」とか

    過去に戻って選択し直すことができないから
    その選択が偶然だったのか必然だったのかは証明不能である。
    反証も不可能である。

    人間は自分の脳と身体のセンサーに限られてい...続きを読む
  • 分析哲学講義
    2年越しくらいの再読。初めて読んだときに、何が何だかわからなかったところが、今回でちょっとは明らかになったように思う。
    個人的な関心が影響しているのだろうが、4〜6章の部分が退屈だった。しかし、その退屈さを乗り越えると、7章のクリプキの様相論理学の話から視界がひらけてくる。それ以降も、とっつきやすい...続きを読む
  • 心にとって時間とは何か
    知覚 自由 記憶 自殺 SF 責任 因果 不死
    八章からなる知的興奮を覚える一冊。

    著者の青山氏は、時間の専門家である。しかし、変な癖がある。本書の第一章で、本人が自覚して書いているところもある。が、作為的なのかどうかわからないところもある。
    文章表現で、「といった。」とか、「ような。」で文が切れ...続きを読む
  • 分析哲学講義
    以前にも読んだことがあるのだが、どうも内容は忘れてしまった。しかし、この今、爽快感が残っている。明日にも忘れてしまいそうだが。

    巻末に文献を詳細に載せてあるので、その意味でも利用価値があるかもしれない。

    参考までに、「意味」と「同一性」がキーワードらしい。
  • 分析哲学講義
    わかりやすい口調・説明だった。
    分析哲学の入門としてはかなり優秀なんじゃないかなーと思う

    科学哲学をかじった人だとさらに楽しいとおもう
  • 心にとって時間とは何か
    これまで一度も考えたことのない見方をいくつも教えてもらった。
    無理にそれらしい結論をつけずわからない部分はわからないまま書かれていたのが、(多少読みづらさやもやもやを抱えることにはなったが、)読者を信用してくれているようで好印象だった。
    正直最後の〈不死〉の章はいまいち理解が追いついていないが、塵理...続きを読む
  • 分析哲学講義
    山口大学の准教授である著者による「分析哲学の専門書。

    講義の形式をとっており、順番に話が進んでいくためついていきやすい。しかし、そもそものテーマが哲学で抽象度が高いため非常に難解。目が滑る箇所が多かった。
    理解できた内容は半分程度だったが、それでも面白い本だと思う。

    分析哲学とは、言語の働きの解...続きを読む
  • 心にとって時間とは何か
    (章立てを活かした多様な導入で一般読者向けに興味をそそる取り組みもあって)トピックとして読みほぐしやすいものもあったが、心/時間の紐帯を一意に掘り下げることにより関心が向く(タイトルの巧手も手伝って)ために、このテーマをより綿密に捉えようとした試みがいかに著されるかが、一層興味の湧く感覚になった。
    ...続きを読む
  • 心にとって時間とは何か
    時間という目に見えないものなので、想像しにくい部分もあり二度読んでようやく頭に入る内容でした。(とはいえ、まだ理解できてない部分もある)

    自殺と責任についてが特に興味深かったです。
    また、それぞれおすすめの本が紹介されているので、読んでみようと思います。
    この方の講義を受けてみたいなあと思いました...続きを読む
  • 心にとって時間とは何か
    一読しただけの状態で、実のあるノートが書けるとはとても思えない本だ。

    でも、時間についてわかっていないことがこんなにある、と知り得ただけでも十分自分には意味があった(と思う)。

    行動の意志を起こす以前に、既に何らかの脳反応がある。
    そんな実験が結果が発表され、その後も研究が継続されていることが紹...続きを読む
  • 幸福はなぜ哲学の問題になるのか
    『幸福とは、先の立体構造における多数の「共振」の集合です。快楽だけでも欲求充足だけでも、そして客観的な人生の良さだけでも、幸福を得ることはできません。(省略)一階における「何」の問いから、二階、三階での「なぜ」の問いまでが、共振のもとで一挙にこたえられること。(省略)もしそれを積み重ねて行けたなら「...続きを読む
  • 心にとって時間とは何か
    1章5章の内容(時間の流れとは?)と4章8章(死と時間について)の内容が特に面白かった。
    最終章で死と時間について取り上げているのがしっくりきた。
    塵理論についても面白く読めた。
    飛ばし読みしたような箇所も多かったが、タイトルに惹かれたなら読むのをおすすめできる一冊。
  • 幸福はなぜ哲学の問題になるのか
    不安に押しつぶされそうなときに「あーこの一節に出会うために読書ってあるんだ」と思いながら読んだ。言葉との出会いは人生を支える手摺になる。
  • 分析哲学講義
    初めて、まとまって分析哲学について学ぶ。
    それぞれの哲学者の言説に触れたことはあったが、それらがどのような背景に位置付けられるか、本書で理解が可能である。
  • 心にとって時間とは何か
    特に〈自殺〉の章の話が印象的でした。

    『自分自身に関してなら「理想の自殺」を思い描けるが、その細部の条件はしばしば他者には当てはまらない。
    つまるところ人間は、自分と似た境遇にある他者のことしか、よく分からない。』

    『「自分には十分に分からない他者の苦しみというものがある」と気づくことも、また、...続きを読む
  • 分析哲学講義
    単語、文章、テキスト全体は、何を指し示すことができるのか?論理とは何か?言語と論理の関係は?意味とはどのような場に発生するのか?。等々、じっくり読めばいろいろとおもしろく勉強できる本。でも読後半年の今、内容はほとんど忘れてしまった。また機会があれば再読したい。
  • 分析哲学講義
    時間論の分岐の問題が特に面白かった。
    自明と思っていることも分析されていくと、日頃いかにあいまいなままなんとなく受け入れているんだなと感じた。
    アキレスと亀のパラドックスとかに近いのかもとも思ってしまったけれど。
  • 分析哲学講義
    分析哲学も、一般の読書人向けの入門書が乏しい分野だという印象があります。大庭健の『はじめての分析哲学』(産業図書)や、冨田恭彦の小説形式の本はたしかに読みやすいのですが、とりあげられているテーマに偏りがあって、分析哲学全般の入門書とは言いがたいところがあります。とくに可能世界意味論の登場以降の動向も...続きを読む