青山拓央のレビュー一覧
-
素晴らしい本と感じた。
研究手法についての考察や物事の思考過程と思考実験に際しての洞察、参考文献など食い入るように読んでしまった。
何度も繰り返し読みたい本でした。
特に責任について、現在について、不死についてがもっとも読んでいてハマってしまった章でした。Posted by ブクログ -
何かを議論しようとするとき、コメントしようとするときに、その領域でこれまで議論されてきたことがらをまず目の前に並べてみることが大事で、それはできれば複数の学問からの視点であるとなお良いです。本書は、時間とはどういうものなのか?について、論じていますが、なにか結論を出すようなことを目的としておらず、ま...続きを読むPosted by ブクログ
-
作者の学問と人生の謎に対する真剣な姿勢に尊敬する。
難解でしたが、すごく面白かった。
「今の錯覚」、「自由意志」、「塵理論」とか
過去に戻って選択し直すことができないから
その選択が偶然だったのか必然だったのかは証明不能である。
反証も不可能である。
人間は自分の脳と身体のセンサーに限られてい...続きを読むPosted by ブクログ -
知覚 自由 記憶 自殺 SF 責任 因果 不死
八章からなる知的興奮を覚える一冊。
著者の青山氏は、時間の専門家である。しかし、変な癖がある。本書の第一章で、本人が自覚して書いているところもある。が、作為的なのかどうかわからないところもある。
文章表現で、「といった。」とか、「ような。」で文が切れ...続きを読むPosted by ブクログ -
以前にも読んだことがあるのだが、どうも内容は忘れてしまった。しかし、この今、爽快感が残っている。明日にも忘れてしまいそうだが。
巻末に文献を詳細に載せてあるので、その意味でも利用価値があるかもしれない。
参考までに、「意味」と「同一性」がキーワードらしい。Posted by ブクログ -
これまで一度も考えたことのない見方をいくつも教えてもらった。
無理にそれらしい結論をつけずわからない部分はわからないまま書かれていたのが、(多少読みづらさやもやもやを抱えることにはなったが、)読者を信用してくれているようで好印象だった。
正直最後の〈不死〉の章はいまいち理解が追いついていないが、塵理...続きを読むPosted by ブクログ -
(章立てを活かした多様な導入で一般読者向けに興味をそそる取り組みもあって)トピックとして読みほぐしやすいものもあったが、心/時間の紐帯を一意に掘り下げることにより関心が向く(タイトルの巧手も手伝って)ために、このテーマをより綿密に捉えようとした試みがいかに著されるかが、一層興味の湧く感覚になった。
...続きを読むPosted by ブクログ -
時間という目に見えないものなので、想像しにくい部分もあり二度読んでようやく頭に入る内容でした。(とはいえ、まだ理解できてない部分もある)
自殺と責任についてが特に興味深かったです。
また、それぞれおすすめの本が紹介されているので、読んでみようと思います。
この方の講義を受けてみたいなあと思いました...続きを読むPosted by ブクログ -
一読しただけの状態で、実のあるノートが書けるとはとても思えない本だ。
でも、時間についてわかっていないことがこんなにある、と知り得ただけでも十分自分には意味があった(と思う)。
行動の意志を起こす以前に、既に何らかの脳反応がある。
そんな実験が結果が発表され、その後も研究が継続されていることが紹...続きを読むPosted by ブクログ -
『幸福とは、先の立体構造における多数の「共振」の集合です。快楽だけでも欲求充足だけでも、そして客観的な人生の良さだけでも、幸福を得ることはできません。(省略)一階における「何」の問いから、二階、三階での「なぜ」の問いまでが、共振のもとで一挙にこたえられること。(省略)もしそれを積み重ねて行けたなら「...続きを読むPosted by ブクログ
-
1章5章の内容(時間の流れとは?)と4章8章(死と時間について)の内容が特に面白かった。
最終章で死と時間について取り上げているのがしっくりきた。
塵理論についても面白く読めた。
飛ばし読みしたような箇所も多かったが、タイトルに惹かれたなら読むのをおすすめできる一冊。Posted by ブクログ -
特に〈自殺〉の章の話が印象的でした。
『自分自身に関してなら「理想の自殺」を思い描けるが、その細部の条件はしばしば他者には当てはまらない。
つまるところ人間は、自分と似た境遇にある他者のことしか、よく分からない。』
『「自分には十分に分からない他者の苦しみというものがある」と気づくことも、また、...続きを読むPosted by ブクログ -
単語、文章、テキスト全体は、何を指し示すことができるのか?論理とは何か?言語と論理の関係は?意味とはどのような場に発生するのか?。等々、じっくり読めばいろいろとおもしろく勉強できる本。でも読後半年の今、内容はほとんど忘れてしまった。また機会があれば再読したい。Posted by ブクログ
-
時間論の分岐の問題が特に面白かった。
自明と思っていることも分析されていくと、日頃いかにあいまいなままなんとなく受け入れているんだなと感じた。
アキレスと亀のパラドックスとかに近いのかもとも思ってしまったけれど。Posted by ブクログ